ヒタチナカリュウ
ヒタチナカオオスッポン (再検討後の分類) | |||||||||||||||||||||||||||
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スッポン
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地質時代 | |||||||||||||||||||||||||||
中生代白亜紀後期 (約1億50万 ~ 6,600万年前) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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ヒタチナカリュウは、茨城県ひたちなか市で発見された化石。当初はニクトサウルス科の翼竜の一種だと考えられていたが、再検討の結果スッポンの一種であることが判明したことで知られている。
発見
[編集]ヒタチナカリュウ (再検討前の分類) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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ニクトサウルス
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地質時代 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
中生代白亜紀後期 (約1億50万 ~ 6,600万年前) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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2002年(平成14年)7月28日、茨城県ひたちなか市の平磯海岸で地質調査中だった小学校教諭である千葉県在住の男性によって、白亜紀後期の地層から骨の化石が発見された。化石のレプリカを[1][2][3]世界的な翼竜の研究家であるデイビッド・アンウィンへ送り鑑定を依頼したところ、翼竜の右肩甲骨の化石だと判明し、ヒタチナカリュウと命名された[4][5]。2003年以降、ミュージアムパーク茨城県自然博物館に寄贈されたものが「ニクトサウルス科の可能性がある」化石として展示されていた[6][7]。
分類の再検討
[編集]2017年(平成29年)、ミュージアムパーク茨城県自然博物館の学芸員の男性が、論文を書き上げたお祝いとして、自らスッポンを捌き、鍋として妻と一緒に食べた。その際に、食べ終わったスッポンの骨がヒタチナカリュウの化石に似ていることに気づいた[2][3]。同じ地層からスッポンの化石が多数発掘されていたこともあり、気になって化石を再検討した結果、標本が翼竜類の肩甲骨ではなく、カメ類(スッポン科)の上腕骨であるという新たな同定結果に至った[7][8]。誤分類の要因として、外部形態から分類する上で重要な特徴が破損によって失われており、さらに末端部から内部の構造が溶け去っていたことで、たまたま翼竜の肩甲骨に酷似した化石となっていたことが指摘されている[7][8]。 なお、再検討した結果としても、白亜紀のスッポンの化石としては国内最大級であると推定されている[1][7]。 現在、ミュージアムパーク茨城県自然博物館では、この化石は「スッポン科の一種」として展示されており[9]、化石は新たにヒタチナカオオスッポンと名付けられている[10]。
出典
[編集]- ^ a b 「翼竜「ヒタチナカリュウの化石」 実は国内最大級のスッポンの骨」『毎日新聞』2021年2月9日。2021年4月1日閲覧。
- ^ a b 「「ヒタチナカリュウ」は巨大スッポンだった きっかけは手料理」『毎日新聞』2021年2月11日。2021年4月1日閲覧。
- ^ a b 庄司直樹「お墨付きの翼竜化石、スッポンの骨だった きっかけは鍋」『朝日新聞』2021年2月27日。2021年4月1日閲覧。
- ^ “平磯白亜紀層 -アンモナイト化石発見の地層-” (PDF). ひたちなか市観光協会. 2022年12月12日閲覧。
- ^ 「大発見「平磯海岸に翼竜がいた」」『市報ひたちなか』第201号、ひたちなか市、2003年4月25日、1頁、2021年4月1日閲覧。
- ^ @seigurofukuによる2020年3月1日午後11:13のツイート、2021年4月2日閲覧。
- ^ a b c d 「研究報告1 “ヒタチナカリュウ”はスッポンだった!」(PDF)『A.MUSEUM』第104号、ミュージアムパーク茨城県自然博物館、2021年1月15日、4頁、2021年4月2日閲覧。
- ^ a b 加藤太一,薗田哲平,中島保寿,安藤寿男「上部白亜系那珂湊層群から産出した“翼竜類”(ヒタチナカリュウ)標本の分類学的再検討」(PDF)『茨城県自然博物館研究報告』、ミュージアムパーク茨城県自然博物館、2020年9月6日、43-55頁、2021年4月1日閲覧。
- ^ @kawaberi_umibeによる2021年3月6日午前1:10のツイート、2021年4月2日閲覧。
- ^ “ヒタチナカリュウの化石「新発見」 きっかけは家族団らんの「スッポン鍋」だった?”. AERA dot.. 朝日新聞出版 (2021年5月8日). 2021年7月8日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- “ヒタチナカリュウ(ひたちなか竜)の化石?”. TDCC研究所. 2021年4月1日閲覧。