ハードタック作戦
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(ハードタックI作戦から転送)
ハードタックI、及びII作戦は、アメリカ合衆国が1958年に実施した72回(Iで35回、IIで37回)に及ぶ核実験である。一時的な核実験の停止期間中に、米国の兵器研究機関は多数の新しいデザインの核兵器を開発した。これらの新しい核兵器をテストするため、ハードタックI、及びII作戦は実施された。まずハードタックI作戦は、太平洋核実験場のビキニ環礁、エニウェトク環礁、及びジョンストン島で行われた。
続いてハードタックII作戦はネバダ核実験場で行われたが、並行して秘密実験であるアーガス作戦が南大西洋で同年9月に実施された。ハードタックII作戦では、主に低核出力の地下核実験が行われたが、17回の安全性確認のための実験も行われた。
全てのハードタックI作戦でははしけが使われ、全てのハードタックII作戦は地下で行われた。これらの詳細を以下に示す。
ハードタックI作戦
[編集]実験名 | 実施日(GMT) | 実施場所 | 核出力 | 備考 |
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ユッカ | 1958年4月28日18:15 | エニウェトク環礁 | 1.7キロトン | エニウェトク環礁の北東157kmの高高度(26,200m)で行われた、ICBM 対抗装置のテスト。実験には気球が使われた。 |
カクタス | 1958年5月5日18:15 | エニウェトク環礁 | 18キロトン | Mark 43 熱核爆弾のプライマリー部のテスト。実施位置の座標は、北緯11度33分09秒 東経162度20分50秒 / 北緯11.55250度 東経162.34722度。現在は”ルニット・ドーム”で覆われている。 |
フィー | 1958年5月11日7:50 | ビキニ環礁 | 1.36メガトン | 核出力の93.4%が核融合のテスト |
バターナッツ | 1958年5月11日18:15 | エニウェトク環礁 | 81キロトン | Mark 46 熱核爆弾のテスト。プライマリのみ起爆。 |
コア | 1958年5月12日18:30 | エニウェトク環礁 | 1.37メガトン | W35 核弾頭のテスト |
ワホー | 1958年5月16日01:30 | エニウェトク環礁 | 9キロトン | 深海(960m)でのテスト |
ホリー | 1958年5月20日18:30 | エニウェトク環礁 | 5.9キロトン | |
ナツメグ | 1958年5月21日21:20 | ビキニ環礁 | 25.1キロトン | |
イエローウッド | 1958年5月26日02:00 | エニウェトク環礁 | 330キロトン | Mark 46 熱核爆弾のテスト。不完全核爆発(計画での核出力は2.5メガトン)。 |
マグノリア | 1958年5月26日18:00 | エニウェトク環礁 | 57キロトン | |
トバコ | 1958年5月30日02:50 | エニウェトク環礁 | 11.6キロトン | セカンダリーの起爆に失敗した熱核爆発 |
シカモール | 1958年5月31日03:00 | ビキニ環礁 | 92キロトン | 不完全核爆発(計画では核出力5メガトンであった) |
ローズ | 1958年6月2日18:45 | エニウェトク環礁 | 15キロトン | 不完全核爆発(計画では核出力125キロトンであった) |
アンブレラ | 1958年6月8日23:15 | エニウェトク環礁 | 8キロトン | 海面下の浅い深さ(45m)でのテスト |
メープル | 1958年6月10日17:30 | ビキニ環礁 | 213キロトン | 核出力の89%が核分裂によるテスト |
アスペン | 1958年6月14日17:30 | ビキニ環礁 | 319キロトン | キャッスル作戦ブラボー実験で出来たクレーター内で行われたテスト |
ウォルナット | 1958年6月14日18:30 | エニウェトク環礁 | 1.45メガトン | |
リンデン | 1958年6月18日03:00 | エニウェトク環礁 | 11キロトン | |
レッドウッド | 1958年6月27日17:30 | ビキニ環礁 | 412キロトン | |
エルダー | 1958年6月27日18:30 | エニウェトク環礁 | 880キロトン | |
オーク | 1958年6月28日19:30 | エニウェトク環礁 | 8.9メガトン | 改良版 Mark 46 熱核爆弾のテスト。成功。 |
ヒッコリー | 1958年6月30日00:00 | ビキニ環礁 | 14キロトン | |
セコイア | 1958年7月1日18:30 | エニウェトク環礁 | 5.2キロトン | |
セダー | 1958年7月2日17:30 | ビキニ環礁 | 220キロトン | |
ドッグウッド | 1958年7月5日18:30 | エニウェトク環礁 | 397キロトン | |
ポプラ | 1958年7月12日03:30 | ビキニ環礁 | 9.3メガトン | ハードタック作戦で最も大きな核出力のテスト。米国の核実験内でも5番目の規模。 |
スカエボラ | 1958年7月14日04:00 | エニウェトク環礁 | 0 | 核出力0の安全性テスト |
ピソニア | 1958年7月17日23:00 | エニウェトク環礁 | 255キロトン | |
ジュニファー | 1958年7月22日04:20 | ビキニ環礁 | 65キロトン | ビキニ環礁で行われた最後のテスト |
オリーブ | 1958年7月22日18:15 | エニウェトク環礁 | 202キロトン | |
パイン | 1958年7月26日20:30 | エニウェトク環礁 | 2メガトン | Mark 41 熱核爆弾をきれいな爆弾化させたテスト。核出力は4~6メガトン以下。 |
ティーク | 1958年8月1日10:50 | ジョンストン島 | 3.8メガトン | 弾道弾迎撃ミサイルのテスト。実験にはレッドストーン・ミサイルが使用され、高度75,600mで爆発した。しかし爆発の電磁パルスの影響で、発射基地周辺は甚大な被害を受けた。 |
クインス | 1958年8月6日02:15 | エニウェトク環礁 | 0 | 不完全核爆発 |
オレンジ | 1958年8月12日10:30 | ジョンストン島 | 3.8メガトン | 弾道弾迎撃ミサイルのテスト。実験にはレッドストーン・ミサイルが使用され、高度42,300mで爆発した。 |
フィグ | 1958年8月18日04:00 | エニウェトク環礁 | 0.02キロトン | エニウェトク環礁で行われた最後のテスト |
ハードタックII作戦
[編集]実験名 | 実施日(GMT) | 実施場所 | 核出力 | 備考 |
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オテロ | 1958年9月12日20:00 | ネバダ核実験場第3qエリア | 0.038キロトン | 失敗 |
ベルナリロ | 1958年9月17日19:30 | ネバダ核実験場第3hエリア | 0.015キロトン | 失敗 |
エディ | 1958年9月19日14:00 | ネバダ核実験場第7bエリア | 0.083キロトン | 気球による実験 |
ルナ | 1958年9月21日19:00 | ネバダ核実験場第3mエリア | 0.0015キロトン | 失敗 |
マーキュリー | 1958年9月23日22:00 | ネバダ核実験場第12fエリア | ごく少し | |
ヴァレンシア | 1958年9月26日20:00 | ネバダ核実験場第3rエリア | 0.002キロトン | |
マーズ | 1958年9月28日00:00 | ネバダ核実験場第12fエリア | 0.013キロトン | |
モーラ | 1958年9月29日14:05 | ネバダ核実験場第7bエリア | 2キロトン | 気球による実験。不完全核爆発 |
ヒダルゴ | 1958年10月5日14:10 | ネバダ核実験場第7bエリア | 0.077キロトン | 気球による実験。失敗 |
コルファクス | 1958年10月5日16:15 | ネバダ核実験場第3kエリア | 0.0055キロトン | 失敗 |
タマルパイス | 1958年10月8日22:00 | ネバダ核実験場第12bエリア | 0.072キロトン | |
クゥエイ | 1958年10月10日14:30 | ネバダ核実験場第7cエリア | 0.079キロトン | 搭上での実験 |
レア | 1958年10月13日13:20 | ネバダ核実験場第7bエリア | 1.4キロトン | 気球による実験。不完全核爆発 |
ネプチューン | 1958年10月14日18:00 | ネバダ核実験場第12cエリア | 0.115キロトン | 失敗 |
ハミルトン | 1958年10月15日16:00 | ネバダ核実験場第5エリア | 0.0012キロトン | 搭上での実験。不完全核爆発 |
ローガン | 1958年10月16日06:00 | ネバダ核実験場第12eエリア | 5キロトン | |
ドナ・アナ | 1958年10月16日14:20 | ネバダ核実験場第7bエリア | 0.037キロトン | |
ヴェスタ | 1958年10月17日23:00 | ネバダ核実験場第9eエリア | 0.024キロトン | 地上での実験。失敗 |
リオ・アリバ | 1958年10月18日14:25 | ネバダ核実験場第3sエリア | 0.090キロトン | 搭上での実験 |
サン・ジュアン | 1958年10月20日14:30 | ネバダ核実験場第3pエリア | 0 | |
ソコロ | 1958年10月22日13:30 | ネバダ核実験場第3bエリア | 6キロトン | 気球による実験 |
ランゲル | 1958年10月22日16:50 | ネバダ核実験場第5エリア | 0.115キロトン | 気球による実験。不完全核爆発 |
オベロン | 1958年10月22日20:30 | ネバダ核実験場第8aエリア | 0 | |
ラッシュモア | 1958年10月22日23:40 | ネバダ核実験場第9aエリア | 0.188キロトン | 気球による実験。不完全核爆発 |
カトロン | 1958年10月24日15:00 | ネバダ核実験場第3Tエリア | 0.021キロトン | 失敗 |
ジュノ | 1958年10月24日16:01 | ネバダ核実験場第9fエリア | 0.0017キロトン | 地上での実験 |
セレス | 1958年10月26日04:00 | ネバダ核実験場第3bエリア | 0.0007キロトン | 棟上での実験 |
サンフォード | 1958年10月26日10:20 | ネバダ核実験場第5エリア | 4.9キロトン | 気球での実験 |
デ・バカ | 1958年10月26日16:00 | ネバダ核実験場第7bエリア | 2.2キロトン | 気球での実験 |
チャベス | 1958年10月27日14:30 | ネバダ核実験場第3uエリア | 0.0006キロトン | 塔上での実験。失敗 |
エバンス | 1958年10月29日00:00 | ネバダ核実験場第12bエリア | 0.055キロトン | 不完全核爆発 |
マザマ | 1958年10月29日11:20 | ネバダ核実験場第9エリア | 0 | 不完全核爆発 |
ハムボット | 1958年10月29日14:45 | ネバダ核実験場第3vエリア | 0.0078キロトン | 棟上での実験 |
サンタ・フェ | 1958年10月30日03:00 | ネバダ核実験場第7bエリア | 1.3キロトン | 気球での実験 |
ガニメデ | 1958年10月30日11:00 | ネバダ核実験場第9gエリア | 0 | 地上での実験 |
ブランカ | 1958年10月30日15:00 | ネバダ核実験場第12eエリア | 22キロトン | ハードタックII作戦で最大核出力の実験 |
チタニア | 1958年10月30日20:34 | ネバダ核実験場第3cエリア | 0.0002キロトン | 塔上での実験 |
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ハードタックI作戦オーク実験で生じたキノコ雲
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ハードタックII作戦ソコロ実験
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ハードタックI作戦ジュニファー実験を観測するB-57
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ハードタックI作戦アンブレラ実験で生じた巨大な水柱
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ハードタックI作戦ティーク実験
関連項目
[編集]参照事項
[編集]- Chuck Hansen, U. S. Nuclear Weapons: The Secret History (Arlington: AeroFax, 1988) ISBN 0517567407
- The Nuclear Weapons Archive
- “United States Nuclear Tests, July 1945 through September 1992 (DOE/NV-209)” (pdf). アメリカ合衆国エネルギー省 Nevada Operations Office (2000年). 2009年6月24日閲覧。
外部リンク
[編集]- Operation HARDTACK Military Effects Studies Part I: Basic Effects Structures and Materiel (1958), Department of Defense documentary film, Lookout Mountain Laboratory USAF.
- Operation HARDTACK Military Effects Studies Part II: Underwater Tests (1958), Department of Defense documentary film, Lookout Mountain Laboratory USAF.
- Operation HARDTACK Military Effects Studies Part III: High Altitude Tests (1958), Department of Defense documentary film, Lookout Mountain Laboratory USAF.