ハワード・O・ローレンツェン (ミサイル追跡艦)
艦歴 | |
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起工 | 2008年8月13日[1] |
命名 | 2008年10月 |
進水 | 2010年6月26日 |
引渡し | 2010年6月30日 |
就役 | 2012年1月10日 |
状態 | 就役中 |
性能諸元 | |
満載排水量 | 12,575トン |
全長 | 約163m(534フィート) |
全幅 | 約27m(89フィート) |
吃水 | |
機関 | |
最大速 | |
航続距離 | |
乗組員 | 海軍軍人・民間人:合計約88名 |
兵装 |
USNS ハワード・O・ローレンツェン(USNS Howard O. Lorenzen T-AGM-25)はアメリカ海軍のミサイル追跡艦。
艦歴・予定
[編集]2006年9月にミシシッピ州のパスカグーラにあるVT・ハルター・マリーン社が艦の建造者として選ばれ、2008年8月に起工された。同年10月には米国の電子偵察(ELINT、エリント)能力の向上に努め、今は故人となった合衆国海軍研究所(US Naval Research Laboratory, USNRL)の電気技師の名前から"USNS Howard O. Lorenzen (T-AGM-25)"と命名された[2]。
2003年にはコブラ・ジュディ・レーダー[注 1]に替わる新型レーダーの開発が1億3300万米ドルの予算で決定された後、米レイセオン社が主契約社、米ノースロップ・グラマン社が協力メーカーにそれぞれ選ばれ、本艦の建造に平行して開発が行なわれた[1]。
就役は2012年1月10日であり、就役後50年以上も経過し老朽化したUSNS オブザヴェーション・アイランド (T-AGM-23)の後継である。本艦もオブザヴェーション・アイランドと同様に米海軍の軍事海上輸送コマンド(Military Sealift Command, MSC)に所属し、海軍軍人と民間技術者の手でアメリカ空軍の支援を得た任務を実施する[2][3]。
特徴
[編集]米海軍の完成予想図では主要な観測用レーダー装置として、艦首楼部分にテレメトリー(遠隔測定)電波受信用アンテナの球状レドームを前後2個と、船体中央部には巨大な平面状のアンテナ1面が旋回式と見られる台座に斜めに取り付けられたものが少し離されて前後2基備わっており、中央のレーダーは前がXバンド、後のものがSバンドとされている。前に位置するやや小型のXバンドとされるアンテナは上下方向の仰俯角が変更できるように見えるため、フェーズド・アレイ式ではない可能性が高く平面式ではなくパラボラ式の可能性もある[注 2]。
船体中央の乾舷が低く華奢な印象を受ける半面、船体長の4分の1ほどを占める後部にそびえる上構部分の船室6階+ブリッジ部2階という大きさが目立つ[3]。
ギャラリー
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舞鶴港口の若狭湾にて。
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舞鶴港にて。後方の船舶は関西電力の広報施設兼博物館である「エルマールまいづる」(船舶型建造物)。
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舞鶴港にて。奥の山は「若狭富士」こと青葉山。
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舞鶴港にて。後方の艦艇は海上自衛隊補給艦「ましゅう」(AOE-425)、橋は舞鶴クレインブリッジ。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ コブラ・ジュディ・レーダー(AN/SPQ-11)は直径約7mのSバンド・フェーズド・アレイ・レーダーであり、1辺が4m弱から2m弱程のSPY-1レーダーと比べればかなり大きな面積を持ち、その1面だけのレーダー面を巨大なアンテナ建屋ごと旋回させるようになっている。
- ^ オブザヴェーション・アイランドでもコブラ・ジェミニと呼ばれるXバンドの巨大なパラボラ・アンテナを、船体中央の上構後端、煙突直後にレドーム無しの暴露状態で搭載していた。
出典
[編集]- ^ a b SIU - Keel laid for future USNS Observation Island replacement (8/25)2009-06-22再閲覧
- ^ a b “Navy Names Ship After Howard O. Lorenzen 'Father Of Electronic Warfare'”. Defenselink.mil press release 863-08. 2009年6月22日閲覧。
- ^ a b 福好昌治著 『アメリカのミサイル防衛部隊』、軍事研究2009年6月号、(株)ジャパン・ミリタリー・レビュー