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ノート:ワハン語

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ノート:ワハーン語から転送)

初版の記事名について

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翻訳ありがとうございます。ところで、日本語の文献では、本項の主題とする言語名を「ワハーン語」とするよりも「ワヒー語」とするほうが多いように思うのですがいかがでしょうか。ネット検索では「ワハーン語」ではヒットしませんでした。東京外国語大学准教授の吉枝聡子氏は、「ワヒー語」と表記しています。同氏は2004-2010年にかけて、アフガニスタンでワヒー語の採録を行っており、音韻や語彙の研究をしています。下記URIでワヒー語のコーパスも公開されています。

吉枝聡子 (2005) 「Gojal Wakhi Basic Vocabulary」、『言語情報学研究報告』No.8、東京外国語大学大学院地域文化研究科 21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」。

ウィキペディアロシア語版ではВаханский языкの記事名であり、ペルシア語版では冒頭で زبان وخی یا وخانی と書かれていて、ワハーン語が不適切というわけではないと思うのですが、現役の日本の研究者が採用している呼び名の「ワヒー語」を記事名として選択しなかった理由を、よかったら教えていただけないでしょうか?--ねをなふみそね会話2017年7月11日 (火) 10:48 (UTC)[返信]

 @Pikapikaさん 記事を作成して頂き、大変ありがとうございます。これまで静観しておりましたが、この件につきましては私も興味がございます。個人的には一応思い当たる節はあるのですが、果たしてそれが合っているかの確信がございません。念のために記事名選択の理由を伺いたいと存じます。--Eryk Kij会話2017年7月23日 (日) 10:11 (UTC)[返信]

日本語の言語名は(主格あるいは原形)の地名+語が基本です。民族名も(主格あるいは原形)の地名+語が基本です。たいていは言語名や民族名は地名が由来です。インド・ヨーロッパ語族の言語は地名を形容詞化して形容詞+language(それぞれの言語で)が基本となっています。言語によっては「の」を意味することが多い属格(生格)とか言語名や民族名にはイ、イーを付ける規則も多く存在しています。民族名も同様です。フィリピノ語、ピリピノ語はフィリピン語で、セブアノ語(セブアノはスペイン語で「セブの」とかいう意味です。)はセブ語、イロカノ語(イロカノはスペイン語で「イロコスの」とかいう意味です。)はイロコス語が日本語的には正式な言い回しです。英語はイングリッシュ語、フランス語はフレンチ語、イタリア語をイタリアーノ語、セルビア語はセルビアン語やスルプスキ語とは言いません。当然フレンチ人、イタリアーノ人でもありません。さらにいうと当然日本語はジャパニーズ語ではいけません。ブータンの言語もカが言語という意味なのでカを語と名前を変えます。タリフィートはリーフ語、タシリヒートはシルハ語です。ベルベル語はtとtで地名を挟んで変化させて言語名としています。アラビア語は英語でアラビック・ランゲージですがアラビア語と呼びます。日本語は中国語と同じ言語名や民族名で由来の地名が変化しない言語です。この点は日本語が特殊であるといえます。フランス人、アメリカ人、カナダ人、大和言葉、大阪弁、津軽弁と変化しません。アッサミ語はアッサム語(アッサム州)、マニプリ語はマニプル語(マニプル州)、シンディー語はシンド語(シンド州)、グジャラーティ語はグジャラート語(グジャラート州)です。インド・イラン語派の言語のペルシャ語は言語名にはイーを接続します。アフロ・アジア語族の言語も言語名にイーを付けています。は違いますがフィンランド語も言語名にはイを付けます。イやイーを付ける過程で大きく変化するものもあります。ワヒーとはワハーンの変化形です。ゴンディーはゴンドの変化形でシュグニーもシュグノンの変化形です。インド・イラン語派やアフロ・アジア語族の言語、フィン・バルト語の言語(あるいは名前の由来がその言語の系統)で語尾末にイーがつく名前はは特に注意すべき点だと思います。英語をそのまま翻訳したものを見ると日本語の規則を無視したものが多いのをよく感じます。私としては日本語の言語名のつけ方として最も適切であることを第一に記事名をつけたつもりです。--Pikapika会話2017年8月5日 (土) 16:02 (UTC)[返信]

 Pikapikaさんはご回答ありがとうございます。つまり、日本語の枠組みで考えた際に論理的に正しいと思われる形を選択された、という事ですね。理解致しました。
 ところで、編集活動を始めた最初の頃は気付かなかったのですが、実はWikipedia:記事名の付け方という文書が存在します。そのうち「記事名を付けるには」節には5つの基準が記されており、そのうちの一つは「認知度が高い - 信頼できる情報源において最も一般的に使われており、その記事の内容を表すのに最も著名であると考えられるもの。」とあります。つまり慣例が重視されていると読む事が可能です。五つの基準の後の文章にも「しかし、複数の基準を満たすために他の基準を犠牲にする必要があるかもしれません。そういった場合には、記事名は信頼できる情報源における慣例を参考にしつつ、議論して決めてください。」とあり、はっきり慣例を重視する旨が記されています。このように慣例が重視される理由は、同ガイドラインの同節の文章のうち最後の箇所から推定することが可能です。「なお、記事名を選ぶにあたっては、編集者の関心よりも読者の関心を、専門家よりも一般的な利用者の関心を重視してください。」つまり、一般的な利用者がすぐに記事にアクセスできるようになるよう、編集者が記事名を選択するように動く事が、この文書の目指す真意であると読み取る事が可能であるのです。ねをなふみそねさんが日本語圏の研究者による使用例を持ち出されたのも、恐らくこの方針文書に則ろうとしての事であろうという理解でございます。
 一方、困った事に先ほどのガイドラインにはここの基準や文章には日本語を通して考えられる論理性に関しての言及はありません。ご説明頂いたPikapikaさんの記事名決定の過程は非常によく理解できるのですが、ここウィキペディア日本語版では通らない可能性がございます。方針文書の改訂の提案を行わない限り、Pikapikaさんのご意見は通らないと言ってくる方が現れる可能性は高いです。とはいえ、個人的にはこれで何も考えずに方針文書に従うだけでは更に(恐らくはPikapikaさんが懸念されている様な)無理解が広がるのでは、という危惧もございます。Pikapikaさんの姿勢は合理的であると存じます。
 実は、本項目の主題となっている言語は『言語学大辞典』にも掲載が見られます。私は言語を主題とした記事名を決定する際、Wikipedia:記事名の付け方を遵守すべくこの本の項目名とされているものを用いる傾向がございます。ところが今回、この主題の『言語学大辞典』における名称は「ワハン語」とされています。執筆者の故縄田鉄男先生はパシュトー語ペルシャ語に関する著作を出され、造詣も深いと推定されますので、まさか地名への無理解によるものではないとは思われるのですが……。これをそのまま記事名とするか、あるいは、ペルシャ語のカナ転写では元の表記で伸ばすところはカナでも長音で記すという理解がございますので、「ワハーン語」とするのもおかしい事ではないと存じます。
 一方、記事名は「ワヒー語」が妥当であるという理由づけもまた考えられます。正直、この言語の一般的な知名度となりますと、残念ながらそれほど高いものであるとは考え難いと存じます。本言語名について慣用として定着している表記は、今のところは存在しないと思われます。その様な状況下において、現代の研究者による言及例とは貴重なものです。これを重視するというのも、また至極真っ当な選択肢である様に思われます。
 長々と述べましたが、私と致しましては方針の存在を踏まえられた上で議論が尽くされれば、それでよろしいという姿勢でございます。--Eryk Kij会話2017年8月5日 (土) 17:23 (UTC)[返信]
コメント Pikapika さん、ご回答ありがとうございます。おおむね意図は理解しました。ただし、その話は、「ワハーニー語」ではなく「ワハーン語」を選択した理由の説明にはなっても、「ワヒー語」ではなく「ワハーン語」を選択した理由を物語るものではないですよね?もちろん、もとがワハーンスキー・ヤズィークならワハーン語にすべき、ワハーニーならワハーン語にすべき、ということは(そうすべきか否かは別問題として)理解しております。ともあれ、本件主題に対して日本語話者の中ではおそらく一番詳しいと思われる外語大の先生が「ワヒー語」を選択している理由は何なのか、知りたいところです。--ねをなふみそね会話2017年8月7日 (月) 11:12 (UTC)[返信]
コメント 少々脱線しますが、「ワハーン」か「ワハン」について。
  1. ペルシャ語を知っている場合、「ワハーン」が正しいように思えますが、パミール高原の諸言語が近年まで無文字文化であったことや、パミール高原がペルシャ文化の中心から見るとかなり離れていること、アラビア=ペルシア文字が他言語の固有名詞を記述する際、短母音であっても ا, ي, و を付加することなどを総合的に考えると、アラビア=ペルシア文字の綴りに盲目的に従うのはどうかなと思います。
  2. 『ヒマラヤ学誌』No.5 1994 という文献を見つけました。漢語に依拠すると、ワハン(瓦竿)語になるようです。
『言語学大事典』に「ワハン語」が選択されているとすれば、その記載は何か事情があるかもしれないですね。--ねをなふみそね会話2017年8月9日 (水) 06:53 (UTC)[返信]
コメント 方針の存在を踏まえて議論を尽くすために、調査を続けています。
  1. 平位剛『禁断のアフガーニスターン・パミール紀行―ワハーン回廊の山・湖・人』(ナカニシヤ出版、2003年)という書籍を確認したところ、縄田鉄男氏がアフガニスタンの言語事情について執筆した箇所(「アフガーニスターンの言語概観-複雑な民族構成とその言語」)がありました。縄田氏はここで、「ワヒー語」のほうを採用していました。同書は、1930年代生まれの著者が過去複数回、ワハーン回廊地域を探検した記録であり、縄田氏はアフガン留学中の1969年に、広島大学のワハーン回廊探検隊に現地で合流したそうです。
  2. 再び、「ワハーン」か「ワハン」について。fa:واخان, واخان، دومین پارک ملی افغانستان شد, を見ると、واخان でも وخان でもどちらでもよいか、むしろ、واخان の綴りの方が、ダリー語やパシュトー語からはいいのかなという印象を受けます。綴りどおりにカナ転写すると「ワーハーン」になりますが、これがペルシア文字に転写された他言語の言葉であるということに鑑みると、「ワハン」の方が学術的には適しているのかもしれません。縄田氏、吉枝氏の文献では「ワハン」が多く使われています。
三人以上の研究者が「ワヒー語」と呼んでいることが確認できたので、やはり改名提案を出そうと思います。--ねをなふみそね会話2017年8月14日 (月) 10:41 (UTC)[返信]

改名提案

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上の議論を踏まえて、ワヒー語への改名を提案します。

改名の根拠とするのは、上の3つの日本語文献です。--ねをなふみそね会話2017年8月14日 (月) 10:41 (UTC)[返信]

コメント 日本ロシア文学会、2017/06/08 第9回日本スラヴ人文学会大会 では、大学院生の方の論文発表ですが、「ポスト・ソヴィエト時代のワヒー語形容詞に関する一考察 ―タジキスタン・アフガニスタン・パキスタン・中国のワヒー語母語話者への調査を中心として―」という発表が行われたようです。これでも「ワヒー語」の用例が確認できます。--ねをなふみそね会話2017年8月16日 (水) 09:57 (UTC)[返信]
コメント アーカイブサイトに残っていた大阪外語大のシラバスを見ると、森茂男氏が「ワヒー語」と呼んでおられるのが確認できます。この名称で呼ぶのは、東京外語大系の先生方だけではないようです。--ねをなふみそね会話2017年8月18日 (金) 10:33 (UTC)[返信]

「ワハン」か「ワハーン」、「ワーハーン」が正しいかは外来語における長音や促音は不安定なため表記ゆれが起きるので歴史教科書ではトスカーナはトスカナ、ラファエロ・サンティはラファエロですがラファエッロとも呼びます。言語学大辞典にワハン語と書かれている以上ワハーン語が間違えではないと言えるのではないでしょうか。このページの解説にもワヒーという呼び方も書いてあるので複数正しい名前(例としてネーデルラントとオランダ)があってもページを1つの名前に統一して他をリダイレクト(転送)にするウィキペディアのあり方がページ名合戦を呼ぶのはわかります。しかし、以前に述べたことの理由を含めてページ名を変えるのには反対です。--Pikapika会話2017年8月26日 (土) 01:24 (UTC)[返信]

賛成 :『言語学大辞典』では「ワハン語」であることから、「ワハーン語」も全く間違いではない。しかし、「ワヒー語」または「ワヒ語」は検索結果が数多くヒットするのに対し、「ワハーン語」はWikipediaのみであり、加えて過半数の他言語版のタイトル音が「ワヒ」あるいは「ワヒー」に相当するものであるため、他言語版との互換性の観点からも「ワヒー語」がベターと考え、改名に賛成いたします。--ABCEditer会話) 2017年8月28日 (月) 11:29 (UTC)(一部修正--ABCEditer会話) 2017年8月28日 (月) 13:40 (UTC)) --ABCEditer会話2017年9月30日 (土) 21:15 (UTC)(「ワハン語」支持に切り替え)[返信]

提案 :本ページを改名するのであればワハーン人も改名して統一した方が良いと思います。--ABCEditer会話2017年8月28日 (月) 11:32 (UTC)[返信]

ワハン語やワハン人に名前を変えるのは分からなくもないのですが、ワヒーに変えるのには今までの自分自身の発言からも賛同できません。wikipediaにあるワハーン回廊という記事からワハーンのカタカナ表記合わせたまでです。ワハン語やワハン人だと検索結果で見つかるので変更するならワハン語やワハン人というように「ワハン」にするなら納得できなくもないです。--Pikapika会話2017年8月30日 (水) 10:32 (UTC)[返信]

ワハーン人の方にも改名提案を出しておきました。
「ワヒー」と「ワハン」について、「中国パミールのタジク族と現代漢語文献に見えるイスマイーリー派への言及」という文献を見つけました。これによると、「ワヒー」はパキスタンに居住する人々の呼称、「ワハン」は中国に居住する人々の呼称と、使い分けているようです。 --ABCEditer会話2017年8月30日 (水) 11:26 (UTC)[返信]
確かに「ワハン語/人」の使用例はいくつか検索にヒットしました。ヒット件数が最も多く第一線の研究者が用いている「ワヒー語/人」への改名がベストとは思いますが、どうしても反対ということであれば、「ワハン語/人」への改名が妥協策かも知れません。少なくとも使用例の見当たらない「ワハーン語/人」よりは断然良いと思います。--ABCEditer会話2017年8月30日 (水) 11:47 (UTC)[返信]
しかし、英語版などの多くの版では、回廊に関しては「ワハン」に相当する音であるのに対し、語と人に関しては「ワヒ」に相当する音であるのは、大きな意味があるように思います。回廊と人/語は同列には扱えないような気もします。この点についてPikapikaさんは如何お考えですか?--ABCEditer会話2017年8月30日 (水) 12:14 (UTC)[返信]

このノートページの上記でも述べていますが英語、フランス語等のインド・ヨーロッパの言語では語と人(場合によっては海や山、川、その他物事でも)を形容詞で表現します。ペルシャ語、アラビア語、フィンランド語でもイやイーをつけて言語名や民族名を表したりする習慣があります。英語のページで言語名と地名が同形のものがありますが、あまりにも無名な言語は名詞と形容詞が同形です。イングリッシュ語(人)やフレンチ語(人)、イタリアン語(人)、イタリアーノ語(人)、ダッチ語(人)、ダニッシュ語とは日本語では言いません。日本語は固有名詞に対しては不変化で修飾します。日本語は言語名、民族名でも不変化です。中国語も不変化です。日本語や中国語はほかの言語とは大きく異なるものなのでほかの言語の例を使うとおかしくなることも多いのです。例えばフィリピノ語、ピリピノ語(スペイン語の形容詞+語)ではなく、フィリピン語、アッサミ語ではなく、アッサム語アッサム州の言語)が本来の言い方だと思います。ワヒーはアンの部分が削除されてイーが付加されたワハンの変化形であるのは明らかです。そのため日本語の特徴を踏まえればワハン語、ワハン人が本来の言い方です。--Pikapika会話2017年8月31日 (木) 10:38 (UTC)[返信]

解しました。即ち印欧系言語では、地名は名詞、語/人は形容詞になり、「ワハン」は名詞、「ワヒ」は形容詞なのですね。しかし日本語では地名も人/語も名詞になるので「ワハン語/人」が正しいと。
Pikapikaさんの仰ることは一理あると思いますので、文献にも見えるワハン語/ワハン人に改名して落着させては如何でしょうか。--ABCEditer会話2017年8月31日 (木) 22:37 (UTC)[返信]

賛成 久しぶりに来てみたら面白そうな議論をされていたので。ペルシア語の母音の理屈をどれくらい適用していいのか自信がもてないので東の方には手を出さないようにしていました。で、ワーハーン/ワハーンの語源をちょっといくつかあたってみたんですが、よくわからないですね。ピン的な意味が山に通じてるのかなぁとか妄想しましたがよくわかりませんでした。Encyclopaedia Iranicaでも何回か言及されているようで(ペルシア語版で言及されているE.I.はまだ当たれていません)、たとえば「アフガニスタンの言語」の項[1]では言語についてはワーヒーWāḵī、地名についてはワーハーンあるいはワハーンWāḵān (Waḵān)という書き方をしていますね。

で、この項もあちこち見た結果としては言語についてはとりあえずワヒーでよろしいかと思います。ちなみに何かを意味するワーフないしワフにペルシア語の接尾辞アーンがついてワーハーンないしワハーンなのかなぁという風に思いますがいかがでしょうか。名詞形容詞のこととすればワヒーではなくねをなふみそねさんの仰るとおり、ファールス→ファールスィーのようにワハーン→ワハーニーになるはずで、もとのワフにPikapikaさんのおっしゃるようにイーをとってワヒーの形なのかなと。とはいえそもそもこの憶測に根拠がない上にワフ語という標記はないので、ここはワヒー語のほうが取りやすいかなぁという印象です。

ちなみに例として議論するならジャウィーがよいのではないでしょうか。ジャウィーとはたいていの場合(言語学のひとすいません)、マレー語を記すために用いるアラビア文字のことです。でこれがジャウィ文字なわけですが、Pikapikaさんの指摘するようにこれはジャワを形容詞化したジャウィーで若干気持ち悪さを感じないでもありません。ところがこれを「ジャワ文字」というと別の物になってしまいます。ジャワ文字はそれ以前のブラーヒミー系の文字を指します。英語ではJawi ScriptとJavanese Scriptで分けるという手を使いますね(ついでにJava Scriptもあるし、ジャウィ語もあるからややこしい)。そういうことを考えるとここは無理に語形を揃えるよりまずは専門家の多数例を用いておけばいいのではないかなと思います。もっとデカイはなしをするとアラブ語/アラビア語問題というのが……。

長々とすいません(それと、ねをなふみそねさんにはあちらこちらで私がテキトーにやってしまった字訳を直していただきこの場を借りて感謝いたします)。--Kotoito会話2017年9月2日 (土) 22:23 (UTC)[返信]

コメント sare shoma dard nakone と言いたいところですが、具体的に何を変更したのか、わかりません。私もわりとテキトーに書いています。いずれだけかが改善してくれることを期待しています。だから、粗製濫造系ユーザとそんなにかわりません。ところで、以下の2文献は同じものであることはお気づきでしょうか。
この成瀬1994は、Gawarjon (高尔锵/Gāo Ěrqiāng) (1985). Outline of the Tajik language (塔吉克语简志/Tǎjíkèyǔ Jiǎnzhì). Beijing: Nationalities Publishing House. を引用して、『塔吉克语简志』中に言う「瓦罕语」は「ワヒー語」と同一だよね、ということを指摘する内容を含む(p54)ので、どちらかというと、「ワヒー語」と呼ぶ方をサポートする証拠になっています。今一度、ご確認ください。--ねをなふみそね会話2017年9月3日 (日) 02:39 (UTC)[返信]
コメント わかりにくくしてしまって恐縮です。賛成としております通り、端的なところを出しておくと「言語についてはとりあえずワヒーでよろしい」「ここはワヒー語のほうが取りやすいかなぁ」ということです。ご指摘の文献は上からこのノートを読んでいってねをなふみそねさんの出された文献とABCEditerの出された文献両方開いてみて同じだと気づいておりました。パキスタン側と中国側の呼び名云々は中国側についてはまぁ言えるのかなという印象を持ちましたが、本稿全体でそう書いてしまうのはまずいだろうと考えております。--Kotoito会話2017年9月3日 (日) 12:06 (UTC)[返信]

言語学大辞典でワハン語と書いてあるのを否定する議論を展開しているようですが、ジャウィ語(文字)はジャワ語(文字)と同一化しないために別の名称を用いていると考えられます。ただし、ウィキペディアの名称議論ではなく日本語の学術的な書き方を議論するならジャワ語(マレーシアの言語)と書けば言い分けることが出来ます。ワハン語(人)と同じ発音の~語(人)は存在していないのでワハン語(人)でいいのです。形容詞化や言語・民族名を付けるのには元の地名からある程度大きく変化することはよくあることです。イーをつける際にアーンがなくなるのは小さいくらいの現象です。不規則なことが多いのです。例えばアラビア語ではバーディヤに住む人々がバダウィー(ベドウィン)に変化します。形容詞化の例としてはイタリア語でジャッポーネ(日本)が形容詞化してジャッポネーゼ(日本の)になったり、イタリアがイタリアーノになるなどほかの言語もたいてい大きく変化します。--Pikapika会話2017年9月3日 (日) 11:24 (UTC)[返信]

今までのところ、「言語学大辞典でワハン語と書いてあるのを否定する議論」を展開している人は、誰もいないと思いますよ。私は現物を確認できておりませんが、Eryk Kijさんの報告を信頼しています。--ねをなふみそね会話2017年9月6日 (水) 10:13 (UTC)[返信]
コメント 少々議論が停滞しておりますが、「ワハーン語」を支持しておられるお二方も、「記事名のつけ方については、Wikipedia:記事名の付け方で示されているやり方にしたがう」という点については、争いはありませんか?--ねをなふみそね会話2017年9月18日 (月) 07:40 (UTC)[返信]
「「記事名のつけ方については、Wikipedia:記事名の付け方で示されているやり方にしたがう」という点についての争い」とはどのような意味でしょうか?率直に私が理解できていないので教えてください。
なお、「「ワハーン語」を支持しておられるお二方」のうち1人は私のことでしょうか?今までのコメントを読んでいただければわかると思いますが、私は「ワハーン語」を支持しているわけではありません。「「ワヒー語」(あるいは「ワヒ語」)がベターだが、どうしても反対というのであれば「ワハン語」が妥協点」という立場です。「ワヒー語」(あるいは「ワヒ語」)へ改名ができないのであれば、少なくとも「ワハン語」へ改名をすべきと考えています。--ABCEditer会話2017年9月18日 (月) 09:10 (UTC)[返信]
ABCEditorさんは、基本的に「ワヒー語」支持で、次に「ワハン語」なのですね。「ワヒー語」支持をやめたのかと誤解しておりました。すみません。あと、争点の有無に関する確認の件ですが、わかりづらい書き方で恐縮です。記事の名前をつける基準としては、
  1. 声のデカイ人の言うことに従う
  2. 編集歴の長い人の言うことに従う
  3. 早い者勝ち
  4. 独自研究を披露しあって、一番説得力のある人が勝ち
  5. Wikipedia:記事名の付け方 で紹介されている基準に従う
などいろいろ考えられますが、5番目のものでいいですよね、という確認です。--ねをなふみそね会話2017年9月18日 (月) 12:29 (UTC)[返信]
ありがとうございます。もちろん、私は5番目のものでよいです。--ABCEditer会話2017年9月18日 (月) 13:01 (UTC)[返信]

ワハン語なら言語学大辞典でも使われているし、Wikipedia:記事名の付け方に沿ったものとなるのではないでしょうか。 --Pikapika会話2017年9月20日 (水) 15:15 (UTC)[返信]

Pikapikaさんへ。
何度か申しています通り、私はPikapikaさんがあくまで「ワヒー語」に反対というのであれば「ワハン語」にして落着させるのが妥協策と考えておりますが、直近の編集[2]について、議論の方向性がやや逸れますが、質問がございます。「ワハニ語、ワハーニ語、ワハーニー語、ワーハーニー語とも呼ばれる」と記されておりますが、私がWeb上で調べた限りではこれらの呼称を用いている例は見当りませんでした。文献にはないけれども、現地では用いられている呼称なのでしょうか?
また、Pikapikaさんは今まで、「ワヒー」が「ワハン」の変化形であると主張されてきましたが、「ワハニ」も「ワハン」の変化形ということなのでしょうか?「an」をとって「i」をつけるか、「an」をとらずに「i」をつけるか、の両方が存在する、ということなのでしょうか?「ワハニ」が文献に確認できるかどうかはともかく、お考えを教えていただきたいと思います。--ABCEditer会話2017年9月20日 (水) 17:02 (UTC)[返信]

multitreeの言及に[3]があり、Wakhaniという名称も存在します。エスノローグにも[4]にもWakhaniがあります。さらにいうとVakhanとまで書いています。VとWはペルシャ語の地方変種の種類によって発音が異なるのを反映しています。イーを付けると言語名が大きく変化する例としてシュグノン語(シュグニー)でも[5]でShughniやShughnaniというものがあり、ハリヤーナー語(ハリヤーンウィー)[6]でもHaryanvi、Hariyaniとか地名ハリヤーナーの変化形です。Wakhani peopleも言い方として存在しています。 --Pikapika会話2017年9月21日 (木) 00:35 (UTC)[返信]

ありがとうございます。確かに確認しました。議論の方向を逸らしてしまいすみません。--ABCEditer会話2017年9月21日 (木) 01:00 (UTC)[返信]

コメント 特に明確な反論はありませんので、Wikipedia:記事名の付け方 で紹介されている基準に従うことについては争いがないということでいいですね。では、Wikipedia:記事名の付け方を参照すると、Pikapika さんには二度目のご案内になって恐縮ですが、信頼できる情報源を根拠に決めましょう、といった趣旨のことが書かれています(WP:CRITERIA)。ここまでの事実確認で何かおかしいところはありますか?特になければ、情報源を確認しましょう。これまでのところ、記事名の決定に資する情報源は既にいくつか挙げられていますが、さらにciniiで検索して発見したものがありましたので、それらも加えて、以下にもう一度まとめます。

(文献リストは最下部に移しました)

上記文献証拠によれば、

  • 「ワハーン語」説を直接的にサポートする文献:なし
  • 「ワハン語」説を直接的にサポートする文献:1
  • 「ワヒー語」説を直接的にサポートする文献:2,3,4,5,6,7,8
  • 「ワヒー語」説を間接的にサポートする文献:9,10,11

となりますが、ここまでの事実確認で何か、事実誤認や文献の記載内容の曲解等がありますでしょうか。--ねをなふみそね会話2017年9月27日 (水) 11:18 (UTC)[返信]

少しでも多くの資料があればその名称が正しいというのがWikipedia:記事名の付け方で正しいという論を展開しているようですが、同一の人がたくさん文章を書けば同じ言語名が使われるのは当然です。ら当たり前のことですが個人がどのような名称を使うかは個人の好みです。multitreeやethnologueは英語の見出しは当然Englishでフランス語の見出しはFrenchです。見出しの名称を日本語の名称としてはおかしなことになります。Wikipedia:記事名の付け方は多数決だという主張でしょうが。

  • タジク語でいこう―言語と方言の間 月刊言語2005年4月号82-87頁 井土愼二(いど しんじ) [7]
  • 第13回中央ユーラシア研究会特別セッション「中央アジアのイスラーム王権」ウミード・シェールザードシャーエフ氏報告全文「パミールの歴史と文化および現在のパミール研究についての概観」*日本語訳:河原弥生(イスラーム地域研究東京大学拠点・特任研究員)[8]

でワハン語とかワハン方言という記述はあります。 --Pikapika会話2017年9月28日 (木) 05:48 (UTC)[返信]

コメント わたしは「少しでも多くの資料があればその名称が正しいというのがWikipedia:記事名の付け方で正しいという論」を展開していませんよ。このノートページでは現時点で、「ワハーン語が間違えで」あると主張している人もいません。「言語学大辞典でワハン語と書いてあるのを否定する議論」も展開されていません。なるべく文献をベースにいずれの項目名が適切であるのか、議論しましょう。新たに文献が Pikapika さんより2つ示されました。また『イラン百科事典』の記載も Kotoito さんから提示されていたところ、リストに入れ忘れておりましたので、これらを追加して、参照しやすいように文献リストを最下部に移しました。他にも重要と思われるものがあれば追加をお願いします。ところで、Pikapika さんの「multitreeやethnologueは英語の見出しは当然Englishでフランス語の見出しはFrenchです。見出しの名称を日本語の名称としてはおかしなことになります。」というご発言は、その意味がよくわからないのですが、「multitreeやethnologueはワヒー語説を間接的にサポートしない」という主張と解釈してよろしいでしょうか?--ねをなふみそね会話2017年9月30日 (土) 00:59 (UTC)[返信]

Pikapikaさんからのお答えがないようなので、横から失礼します。「multitreeやethnologueは英語の見出しは当然Englishでフランス語の見出しはFrenchです。見出しの名称を日本語の名称としてはおかしなことになります。」というのは、「multitreeやethnologueはワヒー語説を間接的にサポートしない」という解釈でよろしいと思います。Pikapikaさんが今まで複数回おっしゃっているように、英語で「French」と言っても日本語では「フレンチ語」とは言わない、英語で「Italian」と言っても日本語では「イタリアン語」とは言わない、ということです。本議論を通して、私はPikapikaさんのこの論理が妙に腑に落ちてきました。

私の立場としては、今まで、改名候補の優先順位として、ワヒー語>ワハン語としていましたが、以下の理由から、ワハン語>ワヒー語に変えさせていただきます。

  • 日本語において、言語名は形容詞ではなく名詞とすべきであること(英語で「French」と言っても日本語では「フレンチ語」とは言わない、英語で「Italian」と言っても日本語では「イタリアン語」とは言わない)(Pikapikaさんが主張されている点)
  • 本言語の別称に「ワハニ語」が存在するため、「ワハン」が元々の由来であることが明らかなこと。(「ワハン」の形容詞形が「ワヒー」または「ワハニ」)

--ABCEditer会話2017年9月30日 (土) 21:15 (UTC)[返信]

本議論に参加されている方の各改名候補への現時点での賛否について、誠に勝手ながら、まとめさせていただきます。

  • ねをなふみそね さん:ワハーン語△、ワハン語△、ワヒー語○
  • Pikapika さん:ワハーン語○、ワハン語○、ワヒー語×
  • Kotoito さん:ワハーン語△、ワハン語△、ワヒー語○
  • ABCEditer:ワハーン語×、ワハン語○、ワヒー語△

このような感じでしょうか。(私の勝手な理解なので間違っていたら仰ってください。) Wikipediaの議論は多数決ではありませんが、参考になりましたら幸いです。 --ABCEditer会話2017年9月30日 (土) 21:15 (UTC)[返信]

まとめありがとうございます。だいたい、そんな心証です。ところで、「日本語における他言語の名称の例から類推されることを本項の主題とする言語の名称にも当てはめて考える」というのは魅力的なアイデアだと思います。しかし、イラン系言語の専門家が、その当てはめパターンによらない言語名称を採用しています(文献2, 3, 6)。まあ、何かの理由があるのでしょう(かなり一生懸命に調べてみましたが、よくわかりませんでした。外大のペルシア語教室に行って直接、理由を尋ねるのが一番確実で早いでしょう。)。--ねをなふみそね会話2017年10月3日 (火) 10:41 (UTC)[返信]

提案 :議論もある程度熟してきたように思います。ひとまず、ここで、「ワハーン語⇒ワハン語」の改名を行うというのは如何でしょうか。文献での使用例が見つからない現状の「ワハーン語」に比して、文献に見える「ワハン語」がWikipedia:記事名の付け方に合致するのは明らかだと思います。ひとまず「ワハン語」に改名した上で、「ワハン語」にするか「ワヒー語」にするかについての議論は、引き続き継続するのが良いのではないでしょうか。「ワヒー語」を推されるねをなふみそねさん、Kotoitoさんにおきましては、改名の第一段階として、現状の「ワハーン語」を「ワハン語」に改名することについて、反対意見等ありますでしょうか。特にないようでしたら、ひとまず「ワハン語」に改名することを提案いたします。(ワハーン人ワハン人も同様です。)--ABCEditer会話2017年10月7日 (土) 00:54 (UTC)[返信]

いろいろとご提案ありがとうございます。「ワハーン語」でも間違いではないと思われるので、その改名のプライオリティは低いかなと、率直に言って、そう思います。ペルシア語では単語の最後の音節に強勢がありますから、カナ表記でどちらを選択するかはそれこそ好みの問題かもしれません(現在の私の好みは「ワハン」ですが)。さて、「ワハン語」の妥当性はどの程度であろうかと、文献1(縄田1992)を読みました。文献1は、いわゆるワハン谷を「本」、他の地域を「従」として、記述していますね。「ワハン語」は「ピャンジ川に沿って点在する諸地域において話されている」言葉と定義して、他の地域(上フンザ、チトラル、サリコル)でも話されていると続けています。文献1は「ワハン谷、上フンザ、チトラルそれぞれで「ワハン語」を話す人々は違う民族だ」と解釈可能な書き方をしています。この点は少し引っかかります。文献1はソ連崩壊から3年後出版の本です。その後パミール高原の政治的緊張が徐々に緩和する中で、この地域の諸事情も明らかになってきたため、後の文献2(縄田2003)では呼び名を変えた、そんなところなのかなと思います。--ねをなふみそね会話2017年10月13日 (金) 10:14 (UTC)[返信]
同じ著者が、政治情勢等の変化に伴って、「ワハン」から「ワヒー」に切り替えたというのは興味深い事例ですね。今後も多くの文献について検討し、「ワハン」か「ワヒー」のどちらが適切かの議論が深まっていくことを望んでおります。--ABCEditer会話2017年10月14日 (土) 13:01 (UTC)[返信]

報告 誠に拙速ながら、「ワハーン語」⇒「ワハン語」の改名をさせていただきました。本改名について、特に反対意見等はないと受け止めさせていただいた次第です。しかし、「カナ表記でどちらを選択するかは好みの問題で、本改名のプライオリティは低い」というご意見に賛同いたします。今回は、あくまで「文献に見える名称かどうか」という観点から、「ワハーン語」に比して「ワハン語」がベターと考え、まずは改名させていただきました。(同様に「ワハーン人」⇒「ワハン人」の改名もさせていただきました。)本改名の提案に対して反対意見はありませんでしたが、積極的な支持を頂いていないのも事実です。事後となりますが、もし反対等がありましたら仰っていただければ幸いです。
なお、私の現在の立場としては、「ワハン」>「ワヒー」ですが、「ワヒー」にも反対しません。今後の議論次第では、再度「ワヒー」>「ワハン」となることも考えられると申し上げておきます。--ABCEditer会話2017年10月14日 (土) 13:13 (UTC)[返信]

作業ありがとうございます。特に反対意見はありません。ところで、アーガー・ハーン財団の立場を発信しているブログを見つけたので文献リストに追加します。--ねをなふみそね会話2017年10月17日 (火) 10:51 (UTC)[返信]

文献の検討を踏まえて

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コメント 「ワヒー語」への改名を反対される方々からは、文献の新たな提示が特にありませんでしたので、次に情報源の信頼性の確認をすることにします。以下、中立を保つために、本項の主題とする言語を「W語」と呼びます。

  • 文献1, 2の縄田鉄男氏は、(ご存知とは思いますが)言語学・イラン語学者、東京外国語大学でペルシア語を教えていた人物です。アフガニスタンをフィールドワークして集めたシュグニー語やパシュトー語の語彙集を出版していて、アフガニスタンの諸言語の専門家ですね。文献2によると、国費留学生としてカーブル滞在中に、平位剛氏率いる広島大学探検部の「ワハーン回廊」地帯探検に合流して同地でフィールドワークしたそうです。
  • 文献3の森茂男氏は、大阪外国語大学(のち阪大外国語学部)でペルシア語を教えていた人物です。アヴェスター語とかビヒストゥーン碑文の研究もあるようで、イラン語言語史の専門家ですね。
  • 文献4-7の吉枝聡子氏は、東京外国語大学でペルシア語を教えている現職の教授です。文献4, 5, 7に記載されているように、科研費で上フンザをフィールドワークし、パキスタン側のW語を収集しました。文献6におけるW語に関する内容は、文献2とほぼ同じです。
  • 文献8は東外大の院生さん(たぶんタジキスタンからの留学生)の発表なので省略。
  • 文献9の成瀬哲生氏は山梨大学の教授。リサーチマップによると中国文化学、古典漢文の専門家です。
  • 文献10, 11はマルチツリーとエスノローグ。W語の見出しには Wakhi language を採用しています。エスノローグの信頼性について、わたしは少し疑問を持っています(細かく分けすぎ)。
  • 文献12は『イラン百科事典』。信頼性は非常に高い。ただし、固有名詞に関してはペルシア文字による綴りをラテン文字転写したものに統一しています。W語のような、外来語の固有名詞を音ではなくペルシア文字表記した際の綴りをラテン文字で転写しています。特にイラン中心、ペルシア文字中心にする必要のない百科事典であるウィキペディアではその点に少し注意。
  • 文献13の井土愼二氏は、ご本人のホームページによるとタジク語とウズベク語の専門家のようです。文献13(『月間言語』)では、「例えば、中国領の西端にあ る塔吉克自治県やその近くの幾つかの町に住む集団の自称は塔吉克だ。彼等自身の発音ではトゥヂク。中国政府による他称は塔吉克。要するに「タジク」だ。し かし、彼らの言語はサリクル語とワハン語だ。これらはペルシャ語とよくは似ていない。」とW語について言及しています。
  • 文献14の日本語翻訳を行った、河原弥生氏はイスラーム時代の中央アジアの専門家、歴史研究者ですね。文献14には「古いイラン系の言語(シュグナーン語、ローシャーン語、ワハン語、リーン語、ヤズグラーム語、サリコル語、他の諸方言)」と記載されています。
  • 文献15は英語文献ですが、印欧語イラン語派の研究においては基本書のようなので参照します。W語に関して、もっとも豊富な情報が記載されています。見出し語は "Wakhi language" です。
  • 文献16は、W語の正字法を決めたり、W語話者が通える学校を建てたりしているアーガー・ハーン財団がW語とW語話者について紹介しているサイトです。ブログ形式ではありますが、信頼できると思います。W語話者に一番近いという点でそこそこ重要かと思います。

以上の文献の検討をしたところによると、今回参照した16文献はすべて、そこそこ信頼がおけるとは言えると思います。ただし、その信頼性には少し濃淡があります。Iranian language の言語学の専門家の採用している表記と、たとえば歴史研究者の採用している表記のどちらを優先すべきかという問題の答えは、おのずから明らかでしょう。わたしは、日本の Iranian language の言語学の専門家が、いずれも「ワヒー語」を採用している点を重視すべきかと思います(文献2-7)。国立大学の教授職の人たちは、国の税金から給料を得て研究を行い、その成果を発表している人です。いい加減な理由で「ワヒー語」表記を採用しているとは到底考えられず、信頼していいと思いますよ。--ねをなふみそね会話2017年10月23日 (月) 10:50 (UTC)[返信]

コメント ウィキペディアの改名手続としては、信頼性のある文献の検討で充分のようですが、Pikapikaさんの「ワヒーはアンの部分が削除されてイーが付加されたワハンの変化形であるのは明らかです。そのため日本語の特徴を踏まえればワハン語、ワハン人が本来の言い方です」という説について、一応一言述べますと、文献4の語彙集によると、ワハン谷はワヒー語でワフと言うそうです(文献2の47ページあたりにも同じことが書いてありました)。ワヒーは、ワフの属格形ではないですか。「ワハン語、ワハン人が本来の言い方」というのは誤りでしょう。--ねをなふみそね会話2017年10月23日 (月) 11:07 (UTC)[返信]

ありがとうございます。日本の Iranian language の言語学の専門家が、いずれも「ワヒー語」を採用している点は重要な点と私も思います。
元来形が「ワフ」である可能性がかなり高いというのも、調べていただきありがとうございます。確かに、「アンが“削除されて”イーがつくと形容詞形」という変化については、当初より若干の違和感は感じておりました。すると、1.ワフ(名詞、地名)⇒ワヒー(ワフ+イー)(形容詞、民族名)、2.ワフ(名詞、地名)⇒ワハン(ワフ+アン)(形容詞、地名)⇒ワハニー(ワハン+イー)(形容詞、民族名)と2通りの変化があった訳ですね。「ワハン」は地名に適用するための形容詞形である可能性が高いように思います。この見方が正しければ、「日本語名は名詞形を採用すべき」というPikapikaさんのご主張に沿うと、「ワフ語」のみしか選択肢が残らなくなってしまいます。しかし、文献では「ワフ語」は見られないので、やはり「ワヒー語」か「ワハン語」になるでしょう。「ワヒー」のみならず「ワハン」の方も形容詞形(属格形)の可能性が高いので、本言語については「日本語名は名詞形」とするのは難しいのではないかと思われます。また、思うに、日本の Iranian language の言語学の専門家が、いずれも「ワヒー語」を採用しているのも、本来「ワハン」は地名の指す形容詞形、「ワヒー」は民族を指す形容詞形という使い分けがあったからではないでしょうか。従って、民族名としては「ワハン」よりも「ワヒー」の方が妥当かもしれないと、今考えております。--ABCEditer会話2017年10月23日 (月) 14:03 (UTC)[返信]

じぶんで「属格形じゃない?」と書いておいて、言うのもなんですが、そうではない可能性もあります。少なくともペルシア語では、ي が接続すると様々なニュアンスが付加されるのであって、品詞が変化しない場合もあります(例えば、白水社の『ペルシア語文法ハンドブック』とかをご参照ください。)。形容詞化する、というのは違うかもしれません。--ねをなふみそね会話2017年10月25日 (水) 11:30 (UTC)[返信]

もう一つの日本語規則として名称の「地名優先」。民族よりは地名が言語名等になることが多いので例としては「アラビア語」とか「セルビア語」という名称が優先される。地名語尾はそのまま名称に採用されることが多いです。「セルビア人」、「マレーシア人」、「カンボジア人」とかいう例があります。ただ広域に広がっているため民族名としては「アラブ人」、「マレー人」、「マレー語」が採用されている点があるので強い規則ではないです。ソマリアに住んでいる人は「ソマリア人」、ソマリランドに住んでいる人は「ソマリランド人」、エチオピアもすべて含めると「ソマリ人」です。ただ「セルビア人」は他地域に住んでいても「セルビア人」です。「ワハン回廊」に住んでいる人は「ワハン人」。地名として「ワフ」を採用するなら「ワフ回廊」、「ワフ地方」がよさそうで「ワフ語」、「ワフ人」となります。ただ現状「ワハン」を地名として採用しているので「地名+語」、「地名+人」もあるので「ワハン語」、「ワハン人」は誤りではないと思います。あと、民族形容詞は「イングリッシュ」や「フレンチ」だけで言語、民族、料理等を表します。本来は省略によるもの。「ワヒー」だけでも言語や民族を表します。ただし、日本語規則では人には人を付ける。言語名には語を付けたり、民族名には人や族を付けます。「サンスクリット」を「サンスクリット語」と呼ぶ規則。それが「ワヒー語」や「ワヒー人」というものです。地名を優先するのは「イタリア語」、「ロシア語」等は「イア」が語尾につくのはそのままです。「ロシア」は「ルーシ人」が由来ですが「ロシア」。「ランド」は「ポーランド語」、「アイルランド語」の様に「ランド」を付加したまま国籍、言語名にする。ただし、アイルランド語・人は「ゲール人・語」というように「ゲール」を採用することもあります。ただ、「スタン」は国籍なら「カザフスタン人」でも民族なら「カザフ人」となります。ただし、「タジキスタン人」なら民族名は「タジキ」ではなく「タジク人」となって、「イー」を外す。(「タジキ」でも言語名等を表す民族形容詞。)「イー」も外すことが多いです。広域性を気にするなら「ワフ語」、「ワフ人」という名称ならいいのです。ただこの名称は現状では使われていません。例外が多いですが民族形容詞よりは地名を採用することが多い点は考慮してほしいです。私としては「ワフ」を「ワフ回廊」、「ワフ地方」として地名や民族名として採用しないで「ワハン」を日本語の地名表記として「ワハン回廊」、「ワハン地方」のように地名として採用しているのなら、もう一つの日本語規則の地名語尾は付加したままの地名優先がいいと思います。地名語尾はとらない「ワハン語」、「ワハン人」でいいと思います。--Pikapika会話2017年10月24日 (火) 11:50 (UTC)[返信]

いろいろと考えていただいてありがとうございます。しかしながら、文献2, 6のほか、上岡弘二、吉枝聡子「ペルシア語わかりません」『暮らしがわかるアジア読本—イラン』(河出書房新社、1999年9月24日、ISBN 978-4-309-72467-1)、松村耕光・山根聡・北田信 「ダカニーという名称について」『上級ウルドゥー語読本』(渓水社、2014年、大阪大学 ・学術的言語文化学習教材「阪大メソッド」開発プログラム、ISBN978-4-86327-257-6)などの日本語文献を参照すると、少なくとも印欧語族イラン・インド語派の言語については、Pikapika さんの説の通りに名称が決められていません。ダリー語ヒンディー語もPikapika さんの説の通りではありません。文献に書かれていることについて、何かご意見はありますか?--ねをなふみそね会話2017年10月25日 (水) 11:30 (UTC)[返信]

コメント 人間集団/民族/エスニックグループの名称について、コメントします(おそらく初めて見解を述べることになります)。そもそも wikidata:Q2604583 という概念は、欧米の研究者が作り上げた、比較的新しい概念であるとわたしは思います。ただし、文献16は、Xik と呼ばず、わざわざ、Wakhi People と呼んでいます。したがって文献16によれば、パミールに暮らすイスマーイール派の人々の地位向上に努めるアーガー・ハーン財団は、この呼び名を追認していると考えられます。文献10, 11, 16 などに依拠すると「ワヒー人」一択でしょう。--ねをなふみそね会話2017年10月27日 (金) 10:41 (UTC)[返信]

改名に反対です。グルジア語をジョージア語と呼ぶのはグルジアからジョージアに改名したからであり、インド・イラン語派においてもネパール語をネパーリ語とは呼ばないし、言語名や民族名の大半は「地名+語」、「民族名+語」です。民族名も地名が由来のものは「地名+人」です。よその土地に住む人は「地名+系」です。例としては「セルビア系住民」です。地名は「ワフ」が正しくとも地名「ワハン」を採用していて、「ワフ+イー」で言語に接続する形であるがために「ワフ」を「ワハン」としているので日本語規則としては「ワハン語」が誤りではないと思います。「ヒンディー」は「ヒンド(ゥ)(+語)」であり、「地名+語」なので今のところ一般的にヒンディー語と呼んでいますが、Wikipediaの名称規則としての議論ではなく研究者間では名称としての日本語規則、翻訳規則を考えるべきです。さらにいうとインド・イラン語派だけの規則を考えるのは辞典を作成する側にとってはおかしなことで全体から見るべきです。「ダリー語」は「宮廷語」という意味で「サンスクリット(語)」、「デーバナーガリー(文字)」と同様地名由来ではありません。ただし、どういう名称の変形があるのかははっきりさせたり、名称のあり方はよく考慮する必要があります。意味が二重であります。言語名称や民族名称、地名等の語源等をはっきり示すのは辞書や百科事典を作成する人には大事なことです。研究者の方は、学会の慣習にとらわれがちなのです。英語重視の学会なら日本語での名称を採用しないなど。形容詞でも特に民族名を表す形容詞を用いないことを強く言いたいのです。「フレンチ」は「フランス語」、「フランス料理」、「フランス人」の省略で「フレンチ料理」はおかしな言い回しです。ここでは「民族形容詞」と呼ぶことにしますが、民族形容詞だけでも「語」や「人」が呼べます。「ワヒー」だけでも「語」、「人」の意味を含みます。原語では「ワハン」は「回廊」の意味を含んでいますが、日本語も含む英語等でも単に地名として扱っています。「ワフ回廊」、「ワフ語」、「ワフ人」が正確であり「ワフ」の土地外の同系統の住民は「ワフ系住民」と呼ぶのが正しいのでしょうが、地名学者の間での名称を「ワハン」から「ワフ」に変えるべきでしょう。「ワフ」を「ワハン」と呼ぶ以上「ワハン語」、「ワハン人」は誤りではありません。--Pikapika会話2017年11月22日 (水) 10:55 (UTC)[返信]

まとめ

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コメント いまいち議論がかみ合わなかった感もありますが、改名提案側の主張に特に反論が行われず、改名反対側の主張に対しては文献に依拠すると主張どおりになっていないのが現状であるという反論が行われ、再反論も見られないことから、議論は終結したものとみなし、移動を実施します(移動依頼に出します)。--ねをなふみそね会話2017年11月18日 (土) 08:56 (UTC)[返信]


文献リスト

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  1. 縄田鉄男 (1992)「ワハン語」の項『言語学大辞典第4巻』(三省堂) pp.1134-1135
  2. 縄田鉄男 (2003)「アフガーニスターンの言語概観-複雑な民族構成とその言語」、平位剛『禁断のアフガーニスターン・パミール紀行―ワハーン回廊の山・湖・人』(ナカニシヤ出版、2003年)
  3. 森茂男大阪外語大のシラバス
  4. 吉枝聡子 (2005) 「Gojal Wakhi Basic Vocabulary」、『言語情報学研究報告』No.8、東京外国語大学大学院地域文化研究科 21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」
  5. 吉枝聡子 (2007) ワヒー語婚礼歌sinisay
  6. 吉枝聡子 (2008) 「アフガニスタンの言語状況」アフガニスタンと周辺国-6年間の経験と復興への展望-, アジア経済研究所, 単行本(学術書), 共著, 2008年
  7. 吉枝聡子 (2007-2010) ゴジャール・ワヒー語辞書の編纂とデータベース構築
  8. 日本ロシア文学会、2017/06/08第9回日本スラヴ人文学会大会「ポスト・ソヴィエト時代のワヒー語形容詞に関する一考察 ―タジキスタン・アフガニスタン・パキスタン・中国のワヒー語母語話者への調査を中心として―」
  9. 成瀬哲生 (1994) 「中国パミールのタジク族と現代漢語文献に見えるイスマイーリー派への言及」『ヒマラヤ学誌』No.5 1994
  10. multitree "Wakhi" が見出し語として採用されている
  11. ethnologue "Wakhi" が見出し語として採用されている
  12. Encyclopedia Iranica AFGHANISTAN v. Languages 言語名 Wāḵī、地名 Wāḵān
  13. 井土愼二 (2005) タジク語でいこう―言語と方言の間 月刊言語2005年4月号82-87頁 井土愼二(いど しんじ)
  14. 河原弥生 (2008)第13回中央ユーラシア研究会特別セッション「中央アジアのイスラーム王権」ウミード・シェールザードシャーエフ氏報告全文「パミールの歴史と文化および現在のパミール研究についての概観」*日本語訳:河原弥生(イスラーム地域研究東京大学拠点・特任研究員)
  15. Windfuhr (2013) Iranian Languages, Gernot Windfuhr Routledge, 2013/05/13
  16. Wakhi Language (Xikwor Zik) Volume-1 (1985) Knowledge Society