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ノート:アウグスト・ケクレ

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「ベンゼンの構造を思いついた」のは本当か?の節について

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除去した記述

前述の通り、ヘビが自分の尻尾を噛んで輪状になっている夢を見てベンゼンの六員環構造を思いついたというエピソードは広く知られており、深層心理学者が夢の重要性を語る上でしばしば取り上げることもある。しかし科学史研究者の間ではこのエピソードは後に創作されたもので事実ではないという見解が定説になりつつある。ケクレよりも先にフランスの化学者でベンゼンの六角形の構造式を発表していた人物が存在しており、ケクレもその著作を読んでいたことが判明している。「ベンゼンの構造を思いついた」という点については、ケクレはあまり注目されずに忘れられかけていた他人のアイデアを盗用した疑いが濃厚であるといえよう。

まず参考文献で挙げられている『化学』の記事を読んでみますと、この夢のエピソードが創作であろうと論じる論文が詳しく紹介されていますが、一方でケクレの息子の証言などをもとにしたの反論もあるということも簡単にですが紹介されています。他の『化学の歴史I』(朝倉書店)や『痛快化学史』(朝倉書店)などでも同様に論争があるとは書かれていますが、定説があるとはされていません。 また『化学』の記事によれば、ベンゼンの六角形の構造式(より正確には炭素を6個六角形に配置した部分を持つ塩化ベンゾイルの分子モデル)を書いたフランスの化学者というのはオーギュスト・ローランですが、ローランは核の説に基づいて実験的な根拠は無しに六角形に6個の炭素を並べた分子モデルを書いたものと思われます。というのは、ローランはケクレが炭素が4価で炭素どうしが結合するというアイデアを提案する5年前に亡くなっているからです。つまりローランの分子にはそもそも化学結合という概念がありません。『痛快化学史』によればベンゼンの構造についての論争は炭素が4価であることを大前提として、どのようにして水素をわずか6個しか持たない構造を作れるのか?という疑問に端を発しているとのことですから、原子価パラダイムの上に載っていないローランとそのパラダイム自身を構築したケクレの考えの間には根本的な違いがあります。 あと『痛快化学史』によればケクレは当初ベンゼンの構造式として横に並んだ六個の炭素の両端に矢印を付けて両端が結合していることを示したようで、六角形の構造を書いてはいないようです(六角形にしたのはケクレの弟子とのこと)。 以上のことからケクレのベンゼンの構造式とローランのベンゼンの分子の間にはほとんど相関はない、当然盗用とは言えないと断言していいと思います。そんなことは参考文献内にも書かれていませんし。そのため、全記述を一旦除去しました。 ケクレについては原子価のアイデアも馬車の中で見た夢から得たというエピソードもありますので、それも含めて書き直す予定です。銀猫 2007年2月13日 (火) 13:13 (UTC)[返信]