タマシダ属
タマシダ属 | |||||||||||||||
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タマシダ | |||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||
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下位分類群 | |||||||||||||||
約30種。本文参照。 |
タマシダ属(タマシダぞく、学名:Nephrolepis、ネフロレピス)は、シダ植物門ツルシダ科の一群で、腎臓形の包膜が特徴である。セイヨウタマシダなどの一部の園芸品種は、観葉植物として栽培されている。
名称
[編集]属名は、和名がタマシダ属である[1]。学名はネフロレピス Nephrolepis といい、ギリシア語で腎臓を意味するネフロス(nephros)と、鱗片を意味するレピス(lepis)の2語を組み合わせて名付けられたもので、包膜が腎臓形であることに由来している[1]。
特徴
[編集]地生または、樹上や岩の上に生えるシダ植物[1]。根茎は短くて直立し、鱗片をつける[1]。ふつうは、根茎から匍匐枝を伸ばして、随所から根を出して、所々に子株をつくる[1]。タマシダのように、匍匐枝に鱗片に覆われた塊根をつける種もある[1]。
葉は根茎から叢生して多数つける。普通は1回羽状複葉であるが、園芸品種の中には2回羽状複葉から5回羽状複葉になるものもある[1]。葉の羽片と中軸の間に関節があるため、葉が古くなると羽片だけが落ち、中軸だけが残る[1]。
利用
[編集]観賞価値の高いものが多くあり、観葉植物として栽培される。園芸品種として作出された種も多く、ホウビカンジュの園芸品種‘フルカンス’、タマシダの園芸品種‘ダッフィー’、‘ペチコート’、セイヨウタマシダの園芸品種‘ボストニエンシス’(別名:ボストンタマシダ)、‘マーシャリー’(別名:フサフサシダ)、‘テディ・ジュニア’(別名:ツデー)などがよく知られる[1]。
栽培ではイノモトソウ属(プテリス)とほぼ同じく、やや明るい日陰を好む性質で、直射日光にあてないようにする注意を要する[1]。栽培適温は15度から20度程度の範囲が最適と言われている[1]。越冬は5度から8度程度が必要であるが、タマシダは寒さに強く、凍らせなければ越冬できる[1]。施肥、植え替え、繁殖とも初夏から夏場に行い、用土は排水性の良いものが用いられ、繁殖はふつう株分か匍匐枝に生えた子株で行う[1]。羽片が色あせて落葉し始める頃に、中軸を残さないように葉柄の部分が切り取られて手入れされる[1]。
種類
[編集]この属のものは世界の熱帯から亜熱帯にかけて約30種ほどあり、日本にもタマシダなど3種が知られている[1]。
- ホウビカンジュ N. biserrata (Swartz) Schott
- タマシダ N. eordifolia (L.) K. Presl
- セイヨウタマシダ N. exaltata (L.) Schott
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 土橋豊『観葉植物1000』八坂書房、1992年9月10日、108頁。ISBN 4-89694-611-1。