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ニカイア信条

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニカイア信経から転送)
ニカイアの第1回公会議を描いたイコン。司教たちとともにコンスタンチヌス帝が居並ぶ。

ニカイア信条(ニカイアしんじょう、英語: Nicene Creed)はニカイア信経(ニカイアしんきょう)ともいい、325年に作られたキリスト教基本信条である。後にニカイア・コンスタンティノポリス信条に改定され、これが東方教会西方教会問わず広範に用いられたことから、原ニカイア信条(げんニカイアしんじょう)とも呼ばれる。なおその他、使徒信条もキリスト教の基本信条として広く使われる。

名称

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325年、ニカイア(当時、コンスタンチノープルは建設中)で開かれた第1ニカイア公会議においてこの信条は採択された。

381年、同信条はコンスタンチノープルでの第1コンスタンティノポリス公会議で改訂され「ニカイア・コンスタンティノポリス信条」となり東方教会西方教会問わず広範に用いられたが、その名称の長さから、381年に改定されたものを「ニカイア信条」、325年に採択されたものを「原ニカイア信条」と呼ぶ場合も多い。

ニカイア信条(325年)

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ニカイア信条はアリウス派を排斥した第1ニカイア公会議325年)において同年6月19日[1]採択されたもので、公会議で採択された最初の信条でもある。信条本文の終わりにアリウス派への呪いが挿入されている。[2]

この中で、御父と御子は「同質」(ギリシャ語:ホモウシオス)であるという表現が使われたが、この語の使用は、聖書に記載がない言葉が初めて教義の中に取り入れられたという意味で画期的であった。会議参加者間で、この「同質」と「相似」(ギリシャ語:ホモイウシオス)のどちらを使用すべきかをめぐって激しい論戦が交わされたが、なお「同質」という言葉を好まない主教(司教)たちも多かったことが論争が長引く要因となった。

ニカイア・コンスタンティノポリス信条(381年)

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その後第1コンスタンティノポリス公会議381年)において、ニカイア信条は拡充され、聖霊・教会・死者たちの復活についての教義の詳細が文章化された。これは東方教会西方教会問わず広範に現在まで使われてきた。[3]

原ニカイア信条の本文

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ギリシャ語原文

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Πιστεύομεν εις ΄ενα Θεον Πατερα παντοκράτορα, πάντων ορατων τε και αοράτων ποιητήν.

Πιστεύομεν εισ ΄ενα κύριον `Ιησουν Χριστον, τον υ΄ιον του θεου, γεννηζέντα εκ του πατρος μονογενη, τουτέστιν εκ της ουσίας του πατρός, θεον εκ θεου αληθινου, γεννηθέντα, ου ποιηθέντα, ΄ομοούσιον τωι πατρί δι οϋ τα πάντα εγένετο, τα τε εν τωι ουρανωι και τα επι της γης τον δι ΄ημας τους ανθρώπους και δα την ΄ημετέραν σωτηρίαν κατελθόντα και σαρκωθέντα και ενανθρωπήσαντα, παθόντα, και αναστάντα τηι τριτηι ΄ημέραι, και ανελθοντα εις τους οθρανούς, και ερχόμενον κριναι ζωντασ και νεκρούς.

Και εις το ΄Αγιον Πνευμα.

Τους δε λέγοντας, ΄οτι ΄ην ποτε ΄ότε οθκ ΄ην, και πριν γεννηθηναι ουκ ΄ην, και ΄οτι εξ ΄ετερας ΄υποστάσεως η ουσιας φάσκοντας ειναι, [η κτιστόν,] τρεπτον η αλλοιωτον τον υ΄ιον του θεου, [τούτους] αναθεματίζει ΄η καθολικη [και αποστολικη] εκκλησία.

英語訳

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We believe in one God, the Father Almighty, Maker of all things visible and invisible.

And in one Lord Jesus Christ, the Son of God, begotten of the Father [the only-begotten; that is, of the essence of the Father, God of God,] Light of Light, very God of very God, begotten, not made, being of one substance with the Father; By whom all things were made [both in heaven and on earth]; Who for us men, and for our salvation, came down and was incarnate and was made man; He suffered, and the third day he rose again, ascended into heaven; From thence he shall come to judge the quick and the dead.

And in the Holy Ghost.

But those who say: 'There was a time when he was not;' and 'He was not before he was made;' and 'He was made out of nothing,' or 'He is of another substance' or 'essence,' or 'The Son of God is created,' or 'changeable,' or 'alterable'— they are condemned by the holy catholic and apostolic Church.

日本語訳

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[4]

ニカイア公会議 325年


私たちは、見えるものも見えないものも含め、すべてのものの創造主である全能の父なる唯一の神を信じます。

又、唯一の主イエス・キリストを信じます、神の御子は父から生まれ、父の本質からのみ生まれたのです。

神よりの神、光よりの光、真の神よりの真の神、造られたのではなく生まれた者、父と同一の存在である者、

彼によって、天にあるものも地にあるものも、すべてのものが造られました。

主は私たち人間のため、また私たちの救いのために降りて来られ、受肉され、人となりました。

彼は苦しみを受け、三日目に復活しました。

そして天に昇りました。

そして、生者と死者を裁くために再び来られます。

又、私たちは聖霊を信じます。

批准
そして、彼〈神の子〉は存在しなかった時があったとか、彼が生まれる前には彼は存在していなかったとか、彼は無から造られたとか言う人々、あるいは神の子は他の実体でできているとか、彼は変化しやすく不安定であると言う人々、これらをカトリックおよび使徒教会は非難する。

脚注

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  1. ^ Karl Joseph von Hefele (1871). A History of the Councils of the Church: To the close of the Council of Nicea, A.D. 325. T. & T. Clark. pp. 275. https://archive.org/details/ahistorycouncil01hefegoog 
  2. ^ ニカイア信条」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』https://kotobank.jp/word/%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%A2%E4%BF%A1%E6%9D%A1コトバンクより2019年6月15日閲覧 
  3. ^ 原ニケア信条(325年)およびニケア・コンスタンチノープル信条(381年)について(by E.ケアンズ)”. 巡礼者の小道(Pursuing Veritas) (2018年2月12日). 2019年6月15日閲覧。
  4. ^ ウィキソース「原ニカイア信条」

関連項目

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外部リンク

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