1990年ドイツ連邦議会選挙

1990年ドイツ連邦議会選挙
Bundestagswahl 1990
内閣	第3次コール内閣
改選数	662
選挙制度	小選挙区比例代表連用制
有権者	選挙制度を参照
有権者数	60,436,560
投票率	77.76%（小選挙区 6.57%）; 77.76%（比例代表 6.57%）
同盟	キリスト教民主・社会同盟
	党派別獲得選挙区分布図
選挙前連邦首相; ヘルムート・コール; CDU/CSU	選出連邦首相; ヘルムート・コール; CDU/CSU

1990年ドイツ連邦議会選挙（1990ねんドイツれんぽうぎかいせんきょ、ドイツ語: Bundestagswahl 1990）は、1990年 12月2日にドイツ連邦共和国で行われた連邦議会（下院）議員の総選挙（第12期）である。

この選挙では、同年10月3日の東西ドイツ統一によってドイツ連邦共和国に編入された旧東ドイツ地域でも選挙が行われた。

概要

1989年 11月のベルリンの壁崩壊をきっかけに、翌1990年10月に東西両ドイツの再統一が実現したことに伴い、新たなドイツ連邦共和国の連邦議会の議員を選出するために行われた選挙である。再統一を推進したコール首相の与党である中道保守連合（ドイツキリスト教民主同盟・キリスト教社会同盟と自由民主党）が大勝する結果となった。

選挙データ

大統領

リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー（第6代）

内閣

選挙前：第3次コール内閣
- 首相：ヘルムート・コール
- 与党：ドイツキリスト教民主同盟（CUD）、キリスト教社会同盟（CSU）、自由民主党（FDP）
選挙後：第4次コール内閣
- 首相：ヘルムート・コール
- 与党：ドイツキリスト教民主同盟（CUD）、キリスト教社会同盟（CSU）、自由民主党（FDP）

投票日

1990年12月2日

改選数

656

選挙制度

小選挙区比例代表併用制

全体議席は、第2投票（政党への投票）の得票による比例配分で決定されるが、少数政党乱立防止のため、第2投票において有効投票の5%以上を獲得するか、または第1投票（選挙区候補者への投票）で3人以上が当選するかのいずれかの要件を満たした政党のみに比例配分される。統一直後に行われた選挙のため、本総選挙限りの特例として“5%・3議席条項”は東西ドイツ地域で別々に適用されることになった。なお選挙区議席が比例配分議席を上回った場合は、超過議席となる。

→詳細は「ドイツ連邦議会 § 選挙制度」を参照

投票方法

秘密投票、単記投票、記号式、2票制

選挙権・被選挙権

満18歳以上のドイツ連邦共和国国民

有権者数

60,436,560

選挙活動

CSU はドイツ南西部のバイエルン州のみで活動する地域政党で、連邦議会において共同会派を構成している姉妹政党の CDU は同州では候補を擁立せず、選挙運動は行わないため、両党は競合しない。

選挙結果

党派別獲得議席

e • d
政党				獲得議席	増減	小選挙区			比例代表			改選前
党派別獲得議席
政党				獲得議席	増減	議席数	得票数	得票率	議席数	得票数	得票率	改選前
与党				398	036	236	24,726,613	53.44%	162	25,481,329	54.85%	362
	ドイツキリスト教民主・社会同盟		CDU/CSU	319	014	235	21,131,478	45.67%	84	20,358,096	43.82%	305
		キリスト教民主同盟	CDU	268	017	192	17,707,574	38.27%	76	17,055,116	36.71%	251
		キリスト教社会同盟	CSU	51	003	43	3,423,904	7.40%	8	3,302,980	7.11%	54
	自由民主党		FDP	79	022	1	3,595,135	7.77%	78	5,123,233	11.03%	57
野党				264	037	92	21,548,312	46.56%	172	20,974,443	45.15%	301
	社会民主党		SPD	239	046	91	16,279,980	35.18%	148	15,545,366	33.46%	226
	民主社会党		PDS	17	007	1	1,049,245	2.27%	16	1,129,578	2.43%	24
	同盟90・緑の党 - 市民運動		B90/Gr. (East)	8	001	0	552,027	1.19%	8	559,207	1.20%	9
	緑の党		Gr. (West)	0	039	0	2,037,885	4.40%	0	1,788,200	3.85%	39
	共和主義者		REP	0		0	767,652	1.7%	0	987,269	2.1%	0
	グレイパンサーズ		GRAUE	0		0	218,412	0.5%	0	385,910	0.8%	0
	環境民主党		ÖDP	0		0	243,469	0.5%	0	205,206	0.4%	0
	国民民主党		NPD	0		0	190,105	0.4%	0	145,776	0.3%	0
	ドイツ社会連合		DSU	0		0	131,747	0.3%	0	89,008	0.2%	0
	キリスト教連合		Liga	0		0	8,667	0.0%	0	39,640	0.1%	0
	キリスト教中道		CM	0		0	9,824	0.0%	0	36,466	0.1%	0
	バイエルン党		BP	0		0	10,836	0.0%	0	31,315	0.1%	0
	女性党		FRAUEN	0		0	1,433	0.0%	0	12,077	0.0%	0
	ドイツ愛国者		Patrioten	0		0	746	0.0%	0	4,687	0.0%	0
	経済連合		ÖKO-UNION	0		0	1,106	0.0%	0	4,661	0.0%	0
	労働者民主連合		VAA	0		0	704	0.0%	0	4,530	0.0%	0
	ドイツ共産党		KPD	0		－	－	－	0	1,630	0.0%	0
	スパルタクス労働者党		SpAD	0		0	124	0.0%	0	1,610	0.0%	0
	ドイツ民主連盟		DDD	0		0	474	0.0%	0	1,009	0.0%	0
	社会主義労働者連盟		BSA	0		0	214	0.0%	0	826	0.0%	0
	責任ある市民		MB	0		0	72	0.0%	0	492	0.0%	0
	欧州連邦党		EFP	0		0	266	0.0%	－	－	－	0
	無所属			0	003	0	43,324	0.09%	－	－	－	3
総計^{[注 1]}				662	001	328	46,274,925	100.0%	334	46,455,772	100.0%	663
有効票数（有効率）							46,274,925	98.47%		46,455,772	98.85%
無効票・白票数（無効率）							720,990	1.53%		540,143	1.15%
投票総数（投票率）							46,995,915	77.76%		46,995,915	77.76%
棄権者数（棄権率）							13,440,645	22.24%		13,440,645	22.24%
有権者数							60,436,560	100.0%		60,436,560	100.0%
出典：Federal Returning Officer

CDU/CSUとFDPは急速な東西ドイツ統合を主張し、国民の支持を集めた事で、大幅に議席を増やして勝利した。一方SPDは得票率33.7％と大敗したことで、オスカー・ラフォンテーヌ党首が辞任した。また同時に行われたベルリン市議会議員選挙でもCDUが勝利した。

民主社会党は、ドイツ全体では 2.4% であったが、東ドイツ地域では 11.1% の得票を得たことで、議席を確保した。性急な東西ドイツ統一に反対の立場をとった西ドイツの緑の党は 3.8% （西ドイツ地域で 4.9%）の得票率に留まり、連邦議会における議席を失った。一方東ドイツ地域においては、市民運動勢力が結成した同盟90と東ドイツ緑の党による政党連合が東ドイツ地域で 6.2% を獲得したことで議席を確保した。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

^ 超過議席は CDU/CSU の6議席

脚注

^ “Voter turnout by election year”. Website of the Federal Returning Officer's Office. The Federal Returning Officer. 2014年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月7日閲覧。

外部リンク

Ergebnisse der Wahl zum 12. Deutschen Bundestag am 2. Dezember 1990. - 1990年12月2日、第12代ドイツ連邦議会議員選挙の結果。連邦統計局（ドイツ語）
„Die erste Bundestagswahl im vereinigten Deutschland“. - 統一ドイツ初の連邦議会選挙（ドイツ連邦議会）（ドイツ語）