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トンチャイ・ウィニッチャクーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トンチャイ・ウィニッチャクーン
人物情報
生誕 (1957-10-01) 1957年10月1日(67歳)
タイ王国の旗 タイ バンコク
出身校 タンマサート大学シドニー大学
学問
研究分野 歴史学
研究機関 ウィスコンシン大学マディソン校
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トンチャイ・ウィニッチャクーン[1]タイ語: ธงชัย วินิจจะกูล, 英語: Thongchai Winichakul1957年10月1日~)は、タイ人の歴史学者。ウィスコンシン大学マディソン校の教授。アジア経済研究所上席研究員。

経歴

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1957年、タイの首都・バンコク華系タイ人の家庭に生まれた[2]。バンコクで育つ[3]。1976年にいわゆる血の水曜日事件が起こった当時、タンマサート大学学生自治会副委員長として反政府デモに荷担し、また学生運動に参加。そのため、その後に成立した軍事政権によって逮捕され、2年間の獄中生活を経験した[4]。1978年9月16日の恩赦により釈放され、タンマサート大学に復学[5]。1981年、学士号(B.A.)を取得してタンマサート大学を卒業した。その後オーストラリアに渡り、1984年にシドニー大学で修士号(M.A.)を取得、その後、博士号(Ph.D.)を取得した[6]

学位取得後アメリカに渡り、ウィスコンシン大学の助教となった。1995年に助教授、2001年に教授に昇進。現在も同大学で教鞭をとっている。2013年、アジア研究協会会長をつとめた。また、アジア経済研究所上席研究員でもある。

研究内容・業績

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著作

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  • Siam Mapped: A History of the Geo-body of a Nation. Honolulu: University of Hawaii Press, 1994.
  • "Writing at the Interstices: Southeast Asian Historians and Post-National Histories in Southeast Asia", leading article in New Terrains in Southeast Asian History, ed. Abu Talib Ahmad and Tan Liok Ee, Athens: Ohio University Press, 2002: 3-29.
  • "Remembering/ Silencing the Traumatic Past: the Ambivalent Memories of the October 1976 Massacre in Bangkok" in Cultural Crisis and Social Memory: Modernity and Identity in Thailand and Laos, ed. Charles F Keyes and Shigeharu Tanabe, London and New York: Routledge/Curzon, 2002: 243-283.
  • "The Quest for 'Siwilai': A geographical discourse of Civilizational Thinking in the Late 19th and early 20th Century Siam", Journal of Asian Studies 59, 3 (Aug 2000): 528-549.
  • "The Others Within: Travel and Ethno-spatial Differentiation of Siamese Subjects, 1885-1910," lead article in Civility and Savagery: Social Identity in Tai States, ed. Andrew Turton, London: Curzon Press, 2000: 38-62.

脚注

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  1. ^ 名字は「ウィニチャクーン」、「ウィニッチャクン」とも日本語表記される。名字は表記揺れがあり、ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』白石隆・白石さや訳、書籍工房早山、2007年 ISBN 9784886115089 では「ウィニチャクーン」、池端 雪浦ほか編集委員編『岩波講座 東南アジア史 別巻 東南アジア史研究案内』岩波書店、2003年、ISBN 9784000110709のpp.86-92の飯島明子による Siam Mapped の書評では「ウィニッチャクーン」、トンチャイ・ウィニッチャクン『地図がつくったタイ――国民国家誕生の歴史』石井米雄訳、明石書店〈明石ライブラリー〉、2003年 ISBN 9784750318196では「ウィニッチャクン」となっている。このため、本項目では原音に一番近い、「ウィニッチャクーン」を採用した。
  2. ^ Benedict Anderson (November-December 1993). “Radicalism after Communism in Thailand and Indonesia”. New Left Review I (202): 13. http://www.public-conversations.org.za/_pdfs/anderson_09.pdf. 
  3. ^ Thongchai Winichakul Professor”. Department of History, University of Wisconsin-Madison. 2008年5月24日閲覧。
  4. ^ トンチャイ・ウィニッチャクン『地図がつくったタイ――国民国家誕生の歴史』石井米雄訳、明石書店〈明石ライブラリー〉、2003年 p.321
  5. ^ トンチャイ・ウィニッチャクン『地図がつくったタイ――国民国家誕生の歴史』石井米雄訳、明石書店〈明石ライブラリー〉、2003年 pp.321-322
  6. ^ THONGCHAI WINICHAKUL - Thongchai Winichakul Professor
  7. ^ ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』白石隆・白石さや訳、書籍工房早山、2007年、pp.13-14
  8. ^ Patrick Jory (March 2003). “Problems in Contemporary Thai Nationalist Historiography”. Kyoto Review of Southeast Asia (3). http://kyotoreview.cseas.kyoto-u.ac.jp/issue/issue2/article_251.html. 
  9. ^ Professor Winichakul Wins Book Award”. Center for Southeast Asian Studies (2004年9月28日). 2008年4月19日閲覧。

外部リンク

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