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バタク・トバ語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トバ・バタク語から転送)
バタク・トバ語
Bahasa Toba
話される国 インドネシアの旗 インドネシア
地域 北スマトラ州
話者数 200万人
言語系統
オーストロネシア語族
表記体系 ラテン文字バタク文字
言語コード
ISO 639-3 bbc
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バタク・トバ語 (Toba Batak) はインドネシアスマトラ島北部、主にトバ湖の西側で使用されているオーストロネシア語族のマレー・ポリネシア語派に属する言語である。バタク文字を使用し、約200万人に使用されている。日常生活ではほぼ使われなくなったが、学校教育の中でわずかに文化史教育の一環として教えられている。

バタク・トバ語の特徴

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文字

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バタク文字は音節文字で、自立的な「字母」と付属的な「符号」とからなる体系である。字母は、内属母音/a/を含んだ音節/Ca/(子音+a)を表記する。ただし母音のみの音節/i/および/u/を表記する特別な字母も存在する。[1]。字母は「Ina ni surat」、符号は「Anak ni surat」と呼ばれる。

記述は伝統的に、左から右へと竹に刻むことで行われる。また、竹の下から上へと書き進むため竹を垂直に持つなどして読む。アルファベットはsi-sija-sija(9・9)と呼ばれる。これは字母の総数が、1本来表記には必要のないnyaを除き9+9つまり18個であることに由来する。

字母

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文字の表記は以下の通り。

IPA a ha ma na ra ta sa pa la ga dʒa da ŋa ba wa ja ɲa i u
Ina ni surat A Ha Ma Na Ra Ta Sa Pa La Ga Ja Da Nga Ba Wa Ya Nya I I

符号

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内属母音以外の母音は、字母に符号をつけることで表記できる。 また、内属母音抹消符号(pangolat)をつけることで子音のみを表記できる。[1]

文字の表記は以下の通り。ここでは/Ka/を例にとる。

音価 文字表記 名称
ke
Ke
hatadingan
ki
Ki
haluain
ko
Ko
siala
ku
Ku
haborotan/haboruan
kang
Kang
hamisarang/paminggil
子音のみ
pangolat

音韻

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母音

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a /a/

i /i/

u /u/

e /é/ /è/

o /o/ /ô/

母音/é/と/è/、/o/と/ô/はそれぞれeおよびoによって区別なく表記される。

子音

Solid Fluid
Edged Blunt Nasals Semi-Vowels Triller Aspirate
Gutturals k g ng r h
Palatals (tj) dj (nj) j
Dentals t d n l
Labials p b m w
sibilant s

[2]

形態論

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バタク・トバ語では、動詞が「基語」と「派生語」にわかれる。派生語は接辞を基語につけることによって作られる。そのうち、一種類の接辞が付くものを「simple derived verbs」、それ以上の数の接辞が付くものを「compound derived verbs」と呼ぶ。[3]simple derived verbsに付く接辞は6種類あり、「ma-」「mang-」「mar-」「um-」「pa-」「ha-」がある。compound derived verbsに着く接辞は11種類あり、「ma-hi」「ma-si」「mang-si」「ma/mang/mar-hu」「mangun」「mangi」「mar-si」「pa-tu」「ur/ar」「al」「mangha/marha]がある。このうちur/ar/alは接中辞である。

重複が表す意味は語に依存する。動作を表す語であれば動作の繰り返しや継続を表し、動作でない場合はそれに似た状況を表す。
例  linjang-linjang 「穴のようなもの」

また動詞の重複は基語のみが繰り返される。
例  manomba-nomba


脚注・出典

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  1. ^ a b 柴田紀男(2001)「バタク文字」『世界文字辞典』(言語学大辞典,別巻,三省堂)735頁
  2. ^ Tuuk, H. N. van der (1971) A grammar of Toba Batak. (The Hague, Nijhoff) p.7
  3. ^ Tuuk, H. N. van der (1971) A grammar of Toba Batak. (The Hague, Nijhoff) p.84

関連項目

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外部リンク

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