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プロ野球トップ&リレー中継

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

プロ野球トップ&リレー中継(プロやきゅうトップアンドリレーちゅうけい)は、地上波BS放送CS放送、あるいは関東関西の一部キーステーション局と独立放送局の複数のチャンネルを使用してプロ野球の試合をできるだけ長く放送する仕組みのことをいう[要出典]

概要

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東京の民放キー局は黎明期からプロ野球のナイトゲーム(以下ナイター)を中継していたが、いずれも試合の全てを中継するものではなかった[1]。これは、当時人気を誇っていた日本テレビによる後楽園球場からの巨人戦ナイター中継でも同様であり、どんなに白熱した試合でも放送枠の範囲でしか放送できなかった[1]

日本テレビではこの尻切れトンボを解消しようといくつかの試みが行われた[2]。まず、1961年にはナイター中継の放送枠を午後8時から午後9時に設定しそれ以降を5分刻みで延長する手法を取ったが、野球中継後に他系列の番組を放送するネット局からの反発によって中止に追い込まれた[2]。1971年にはプロ野球中継後の番組の放送中に中継画面を画面の左下に9分の1の大きさでワイプ表示する「ワイプナイター」を考案し、1971年7月11日のドラマ『怪奇十三夜』放送中に初めて実施された[3][注 1]。しかしその直後には「ドラマの芸術性を損なう」と複数の著作者団体から抗議が寄せられた[3]。日本テレビは1972年にもワイプナイターの実施を計画していたが[4]、著作者団体からの再度の抗議と[5]、ワイプを重ねられる後番組のスポンサーからも難色を示されたため、実施することなく中止することを決定[4]。結局、ワイプナイターの実施は1971年夏のみに終わることとなった[2]

1972年に開局した神奈川に所在する独立UHFテレビ局テレビ神奈川(以下TVK)は、いずれの放送ネットワークにも属さず、また放送エリアが重なる東京キー局と競争しなければいけない事情から、茶の間の「2台目テレビ」で視聴するような個人視聴者を対象に、キー局の大衆性とは異なる隙間を狙った番組の開発や編成を行ってきた[6][7]。その中で後楽園ナイター中継の不完全性に着目し、日本テレビの野球中継を放送終了後にTVKが引き継ぐ「リレー中継」の構想を打ち立て、開局以来日本テレビに対してその実現に向けた要請を送り続けていた[6][7][8]

この要請に対しては日本テレビ局内で反対意見があったものの、当時の小林與三次社長の決断によって実施に踏み切ることになった[8]。その結果、1975年6月に日本テレビとTVKが提携し、1975年7月13日の放送分から日本テレビのナイター中継の放送終了後に、TVKが8時55分から中継を引き継ぐリレーナイター中継の契約が結ばれた[9]。同一地域の民放VHF局から独立UHF局に番組が引き継がれて放送されるのは、これが日本で初の試みであった[6][9]。なお、この契約はリレーナイター中継の実施の成否を問わず、契約した試合分の料金をTVKが日本テレビに支払うものであった[1]

このリレーナイター中継は『TVKリレーナイター』と銘打たれ、1975年8月10日の巨人戦のナイター中継で初めて実施された[6]。その視聴率は14.9%を記録し、番組のCM枠も完売した[6]。1975年にTVKは契約した11試合中6試合を日本テレビから引き継いで放送した[6]。1976年にはTVKは日本テレビのナイター中継の全ての試合と契約し[1][注 2]、同じ関東地方の独立UHF局である群馬テレビ千葉テレビにもリレーナイター中継がネットされた[11][注 3]。このリレーナイター中継には視聴者から大きな反響が寄せられ[6]、京浜地区の野球ファンはUHFアンテナをこぞって購入し、その普及に大きな役割を果たすこととなった[1][6][10]

1980年には巨人主催ナイターの開始時間が18時へと繰り上がり、それに合わせて日本テレビのナイター中継の開始時間も従来の19時30分から19時へと繰り上げられた[1][15]。この措置によって関東の独立UHF局が放送するリレーナイター中継の実施回数の減少、放送時間の短縮が予想された[1]。しかし、この減少分は日本テレビがナイター中継を開始する前の18時30分から新たに30分間の中継を開始することで補填された[1][15]。この前半の中継は「トップナイター」と銘打たれて放送された[16]

また、これとは別に静岡第一テレビ広島テレビで日本テレビからの裏送りとして「プレイボールナイター」[注 4]が巨人戦主催試合18時開始になった1980年代初めごろ[いつ?]行われていた(広島テレビは対広島東洋カープ戦のみネット。他に広島主催試合を巨人戦以外も含めて自社制作。広島主催の対巨人戦を広島テレビから静岡第一テレビと関東圏独立局にネットした年度もあり)。

その後、1985年9月から朝日放送→朝日放送テレビも同局が地上波独占で放送する水曜日と日曜日の阪神タイガース主催ホームゲームでサンテレビジョンと技術提携してサンテレビとKBS京都向けに中継放送を開始するようになり[17]、2022年現在も後リレーのみ継続中である(KBS京都は日曜日のナイトゲームは完全中継。また一部放送されない試合あり。いずれも巨人戦は除く)。なお、2022年にはABCとサンテレビが「リレー中継」をテーマにしたコラボグッズを発売した[18]

1990年代に入るとキーステーション局が出資したCSチャンネルが相次いで開局し、各局は特定のチームとホームゲームの完全中継を実施するようになるが、地上波全国放送の巨人戦に関しては当初日本テレビケーブルニュース(ncn、現・日テレNEWS24)東京ドームホームゲームをトップ&リレー中継する程度しかなかった。その後CSのチャンネル数が増えたことから地上波とCSのトップ&リレーナイターが増加し、スカパー!ケーブルテレビと契約すれば巨人戦の試合を地上波と合わせて全て視聴することができるようになった。

また90年代の初めには[いつ?]フジテレビジョンテレビ神奈川の提携でフジテレビが放送する横浜ベイスターズVS巨人戦の横浜スタジアムのゲームに限りそれを行った。これは当時フジテレビのナイターが19:30スタートであったことによる。

なお、夜のフラッシュニュースの放送枠で野球中継を継続する放送局も存在するが、このような中継はリレーナイターなど特別な名称は付かない。

現在行われているトップ&リレー中継

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地上波

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  • 広島テレビ札幌テレビ福岡放送東京ドーム巨人広島戦・交流戦の対日本ハム戦・対ソフトバンク戦)平日夕方の全国ニュース放送後の18:15から放送(トップ中継のみ)。中京テレビでの中継では川又米利が中京テレビ専属解説者であった時期には解説者は川又が行うことが多く、中日寄りの実況・解説で行われていた。
  • 朝日放送テレビサンテレビKBS京都阪神甲子園球場の水曜日の阪神主催ゲーム)KBS京都の水曜ナイターは原則としてリレー中継のみ(編成の都合で放送しない場合あり)。日曜ナイターやテレビ朝日系列でのサッカー日本代表世界水泳といったスポーツ中継を放送する際は朝日放送テレビとの共同制作によるサンテレビ・KBS京都での完全生中継となる。また2015年以降に対巨人戦をBS朝日での完全生中継(地上波関西ローカルとは別制作)で放送する試合はサンテレビ・KBS京都とのトップ&リレー中継は実施しない。いずれも制作著作は朝日放送テレビである。
    • なお、テレビ朝日系列で水曜日に特番が組まれ朝日放送テレビで全面差し替えを行う場合(18:16 - 21:48まで中継を行う場合)はサンテレビのみトップ中継を編成していた。2007年からは日曜デーゲームは編成の都合がない限り朝日放送テレビで完全中継が行われるため、日曜デーゲームのトップ&リレー中継は行われなくなり、水曜ナイターのトップ中継も2021年シーズンをもって終了した。
    • 2006年度から一時期は交流戦ビジターゲームの対西武戦、対ソフトバンク戦、対日本ハム戦の一部も放送した実績がある。また2007年までは水曜日にテレビ朝日制作の対巨人戦の差し替えで阪神ホームゲームを中継する場合はトップ中継は実施するが後リレーは行わなかったが、2008年からは対巨人戦及びテレビ朝日制作の対巨人戦差し替え中継(一部を除く、2007年までは対象外だったが、テレビ朝日系列全国ネット中継の30分延長オプションが廃止になったため)でもトップ&リレー中継が可能となった。
  • テレビ新広島(平日の広島ホームゲームおよびビジターゲームを自社制作またはネット受けを行う試合)19:00から野球中継を行う日は『TSSライク!第2部』を野球中継に全編差し替え。対中日戦は2017年5月までは東海テレビからのネット受け時に限り、東海テレビの中継開始まで自社制作(東海テレビから映像提供を受けて広島からのオフチューブで実況)を行う形式(三重テレビ〈『三重テレビナイター』〉放送日のみ全編自社制作)を取っていたが、2017年8月以降は東海テレビでの放送日でも全編広島からのオフチューブによる自社制作での放送とする。

BS放送

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  • BS朝日(巨人戦ビジターゲーム=対阪神戦〈朝日放送テレビ制作〉=テレビ朝日系列全国放送、交流戦=関東ローカル放送)2005年シーズンに限り、朝日放送制作の対阪神戦・交流戦の対オリックス戦を除き実施。2006年からは全試合で試合開始から終了まで中継。2011年シーズンは地上波全国放送の阪神対巨人戦の水曜ナイターのみ実施し、2012年から2014年までは行われなかったが、2015年から2019年までは対巨人戦の地上波全国ネット(対阪神戦)または関東ローカル(交流戦および対広島戦)での放送時に実施。なお、2020年からの地上波関東ローカルにて放送する試合は完全生中継にて放送し、全国ネットで放送する試合のみをトップ&リレー中継にて放送する。
  • BS日テレ東京ドームの巨人主催試合、巨人戦ビジターゲーム=阪神甲子園球場の阪神戦〈読売テレビ制作〉=日本テレビ系列全国放送) 2011年からの東京ドームの巨人主催試合、2017年からのビジターの対阪神戦(読売テレビ制作、土曜・祝日デーゲーム開催時は完全生中継かつ地上波同時放送)で実施。延長発生時は20:53から142チャンネルにて放送する。巨人主催試合では、2019年4月2日の東京ドーム開幕戦(対阪神戦)までは解説者は中継開始から出演するが、トップ中継のみ地上波中継開始まで別のアナウンサーが担当し、リレー中継は地上波の実況アナウンサーが担当するという形式であったが、同年5月24日の対広島戦から8月29日の対広島戦[注 5]までと2021年4月15日からの対中日戦からは日テレジータスとの同時放送かつ地上波とは別制作とする[注 6]。読売テレビ制作の阪神戦は2017年は実況・解説は地上波・衛星波で同一だったが、2020年は地上波が放送を開始する19時を境に実況アナウンサーのみを入れ替える2011年から2019年4月2日までの日本テレビの巨人主催試合と同様の中継方式とする。
  • BS-TBS(巨人戦ビジターゲーム=対DeNA・対中日戦・対阪神戦・対広島戦=TBS系列全国放送、関東ローカル〈DeNA戦のみ〉放送)2013年からのTBSテレビ制作の対DeNA戦・CBCテレビ制作の対中日戦(衛星波向け別実況の制作も担当・クレジット上はTBSテレビと共同制作)、2014年からの毎日放送制作の対阪神戦(GAORATigers-ai制作を放送。地上波録画中継時は裏送り放送)、中国放送制作の対広島戦(衛星波向け別実況はTBSテレビ制作・クレジット上は中国放送と共同)で実施。2017年までのナイター開催時はトップ中継のみ別制作となり(対DeNA戦はTBSチャンネル2、対中日戦・対広島戦はTBSチャンネル1と同時放送〈TBSチャンネルではこの出演者で全編放送〉、対阪神戦はTBSテレビのアナウンサーと解説者が地上波中継開始まで東京からのオフチューブで実況)、リレー中継は地上波中継と同じ出演者が担当する形式であったが、2016年以降のデーゲーム開催は原則としてリレー中継のみ実施し(13:00または13:30試合開始時はトップ&リレー中継)、対DeNA戦・対阪神戦(毎日放送のみ16時以降も中継かつ地上波同時放送となるが、放送は17:30までとなり、17:30以降は裏送り形式での放送となる)のみ地上波中継と同じ出演者が担当するが、対中日戦はCBCテレビ、対広島戦は中国放送は地上波全国放送終了後の16時以降も各々中継するが、地上波同時放送とはならず、TBSチャンネル1との同時放送となる。なお、2022年以降にDeNA戦で対巨人戦以外の試合を全国ネットで放送する場合はトップ&リレー中継の非対応となる。

CS放送

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  • GAORA阪神甲子園球場での阪神対巨人戦=TBS系列全国放送)
  • スカイ・A(甲子園の阪神対巨人戦=テレビ朝日系列全国放送)
    • 現在[いつ?]CS放送でトップ&リレー中継を行なっているのは上記の2チャンネルのみである。地上波全国中継がない場合は完全生中継となる(週末デーゲームは地上波全国中継・ローカル中継に関係なく完全生中継となる)。2011年は両チャンネルともそれぞれ1試合のみの実施となった。スカイ・Aでは2015年までは日曜日の地上波デーゲーム中継のときは地上波放送終了後の後リレー方式で放送された。
  • 日テレジータス(巨人ビジターゲーム=対阪神戦、対広島戦=日本テレビ系列全国放送。2009年からは地上波中継の有り無しにかかわらず完全生中継を行う。)
    • 巨人ホームゲームは、試合開始から終了までの完全中継。
  • フジテレビONE神宮球場でのヤクルト対巨人戦のうち、地上波放送がテレビ朝日系列、テレビ東京系列で行われる試合。フジテレビ系列で行われる試合は地上波中継の有り無しにかかわらず完全生中継を行う。2009年以降は地上波中継担当の放送局に関係なく全試合が完全生中継となった。)
    • ※広島対巨人戦(マツダスタジアム)の場合、2004年シーズンまで、トップ&リレーナイターの放送は広島県内のケーブルテレビ局のコミュニティーチャンネルに限られ、CS各局では見ることができなかった。ところが、2005年シーズンからはCS放送「TBSニュースバード」、「日テレジータス」、「フジテレビONE」およびBS放送の「BS朝日」で広島vs巨人戦のトップ&リレーナイターの放送が始まったことで、全国で地上波放送(TBS系列はBS-TBSでの完全中継も含む)とあわせて見られるようになっただけでなく、セ・パ両リーグの全試合を地上波・BS・CSの各放送メディアによって全てカバーしたことになる。

過去の異例なリレー中継

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  • 1970年(昭和45年)頃[いつ?]、中京広域圏を放送エリアとする名古屋テレビと中京テレビは共にクロスネット状態にあったため、両局とも時間帯によって日本テレビ系列・NETテレビ(現・テレビ朝日)系列の番組を編成していた(詳細はこちらを参照)。特に日曜日のゴールデンタイムにおいては日本テレビ系列の番組が19時台に中京テレビ、20時台に名古屋テレビにネットされており、日本テレビが日曜 19:00 - 21:24 にナイター中継を組んだ場合、19:00 - 20:00が中京テレビ、20:00 - 21:24が名古屋テレビで放送されるという放送形態となっていた。これは様々な意味で視聴者への混乱を招いたが、1973年4月1日にネットワークが日本テレビ-中京テレビ(同時にNETテレビ-名古屋テレビ)に一元化されたことにより終幕した。
  • 山形県でも上述と類似したケースがあった。山形放送は開局以来日本テレビ系列であったが、1980年(昭和55年)4月1日にテレビ朝日系列にも加盟しクロスネット局となったため、日曜日のプライムタイムがほぼテレビ朝日系列の番組で編成されることになり、その煽りで同時間帯の日本テレビ系列の番組は当時フジテレビ系列であった山形テレビがネットする結果となった。当時NTV系の日曜ナイターは18:30からの『独占!!スポーツ情報』内で事前中継を行っていたが、同番組は山形放送にネットされており、その関係で山形県内では事前中継が山形放送、本中継が山形テレビという、こちらも歪な放送形態を組んでいた。しかし、1993年(平成5年)4月1日に山形テレビがフジテレビ系列を脱退してテレビ朝日系列にネットチェンジしたため(山形放送は日本テレビ系列にフルネット転換)、このねじれ現象的なリレーナイターも1992年シーズンを以って幕を下ろした(日本テレビ系列ナイター中継山形放送のみの放送となった。)。
  • 1977年(昭和52年)9月2日(金曜日)には、長崎県でも上述2例と同様のリレーナイターが放送された。当時、民放が2局しかなかった長崎県内では日本テレビ金曜20時枠の石原裕次郎主演ドラマ太陽にほえろ!』を本来ならTBS系列に属している長崎放送がネット受けしていたが(これは『太陽 - 』の前番組である日本プロレス中継のネット受けの名残)、巨人王貞治(後の福岡ソフトバンク監督→現同球団会長)が通算本塁打世界新記録(756号)に王手をかけていたため、日本テレビは同日の『太陽 - 』を休止し後楽園球場から巨人対ヤクルト戦を急遽生中継することになり(当初の予定は深夜の『11PM』枠内での録画中継であった)、この関係で長崎放送でも同試合が同時ネットされた。しかし新記録はなかなか出ないまま同枠内での中継が終了、日本テレビはニューススポットを挟んで本来の21時枠の番組を変更しナイター中継を延長したが、長崎県内では同枠はもうひとつの民放であるテレビ長崎(当時は日本テレビ系列・フジテレビ系列クロスネット局)にネットされていたため(ちなみに長崎放送は21時から宇津井健水谷豊主演のドラマ『赤い激流』〔赤いシリーズ第5作目、TBSテレビ制作〕をネット)、同県内において巨人対ヤクルト戦は結果的に長崎放送→テレビ長崎のリレーで放送された。なお、王の世界新記録(相手投手:ヤクルト・鈴木康二朗)は翌日のナイター中継の開始前に出ている。1991年からは、日本テレビ系列ナイター中継長崎国際テレビで放送。
  • 1979年6月2日の巨人対阪神は江川卓の先発初登板の試合であったが、当時はトップナイターを実施していなかったため、その代替もと全国配信を兼ねて18:30から放送されていた「NNNジャストニュース」で、その立ち上がりの箇所をニアライブ(放送映像にも「中継録画」と表示)で放送が行われた。
  • ラジオでも、1989年に文化放送と1988年10月31日に開局したFM NACK5の間でリレー中継を行っていた。当時、文化放送ライオンズナイター(月 - 金)は基本的に試合途中であっても21:30で放送を打ち切っていたため、その後を西武ライオンズ(当時)の地元であり、土・日の西武戦中継を行っているNACK5にて、文化放送と同じ実況アナウンサーとスタッフで試合終了までの西武戦リレー中継を実施していた[20]。しかし文化放送が翌1990年に最大延長制(21:50)を設けた(ちなみにこの年から通常の放送枠が21:40までとなった)ため、この年1年限りで廃止となった(その後、ライオンズナイターは1991年(平成3年)に最大延長を22:00まで拡大、1992年から2011年まで時間無制限完全中継を行っていた。なお、現在は[いつ?]最大延長が22時までに戻っている)。
  • フジテレビONEの以前のリレーナイターは独特で、『プロ野球リレーナイター』と題し、21:20 - 22:55の枠で一つのスポーツ番組のように放送していた。地上波中継終了前に、他のCS番組でも使用するスタジオからMC(中田秀作小林達彦山田透らが務めた)がゲストを紹介し、24分頃から試合終了まで実況アナ・解説者による中継。その後、残り時間はテーマに沿ったトークを繰り広げたり、取材したVTRを流したり、募集したFAXを紹介したりした。スタジオの後部には、フジテレビCSの他番組同様、番組名が掲げられていた。フジテレビCSが完全中継するようになると、この番組は終了した。
  • TBSテレビでは、2023年4月16日(日曜日)に『S☆1 BASEBALLDeNA阪神戦』を14:00 - 15:54にTBS系列全国ネットで中継したが(解説:槙原寛己、実況:初田啓介)、毎日放送のみ全国放送終了後の15:54から『タイガース全力応援宣言・MBSベースボールパーク』の番組名で自社のアナウンサーと解説者による実況(解説:亀山つとむ、実況:川地洋平)により中継を継続するという異例の形態となった。
  • 2024年6月15日放送のロッテ中日戦(セ・パ交流戦)は中日の本拠地である中京広域圏では名古屋テレビテレビ朝日系列)が『スーパーベースボール』とのタイトルで中継したが、16時30分以降は同局では『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日制作)を放送することから、同時刻以降は東海テレビフジテレビ系列)にて『ドラHOT+スペシャル』としてリレー中継を実施した[21][22]

脚注

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注釈

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  1. ^ ただし、日本テレビの試みより先に1971年6月17日にフジテレビ沖縄返還協定調印式の中継の枠内で同様のワイプ表示を使ったプロ野球中継を実施している[2][3]
  2. ^ 1976年のTVKのリレーナイター中継の放送実績は全47試合中36試合、平均放送時間は約40分であった[10]
  3. ^ なお、埼玉県に所在する独立UHF局のテレビ埼玉においても1979年の開局時からリレーナイター中継をネットしていたが[12][13]、1980年にネットを打ち切り[13]、それ以降は西武ライオンズの試合の完全中継に切り替えている[13][14]
  4. ^ 「プレイボールナイター」の番組タイトルは静岡第一テレビが考案したもの。広島テレビは静岡第一テレビがこの番組を開始した数年後から同様にネット受けを行っていた。なお余談であるが、制作局である日本テレビ自身も年に1回だが「日本テレビ開局記念シリーズ」(8月中旬か下旬に行われた日テレ冠主催の3連戦)に限り、同名タイトルで番組を制作し、東京と静岡の2局ネット(対広島戦が該当した場合は広島テレビも加わり3局ネット)で放送したことがある。また、東京ドームが完成し後楽園球場から移転した後も、静岡第一テレビでは数年間この形態での中継が続けられたが、番組タイトルは「ドームナイター」へと変更され、放送時間もNNNの夕方ニュース枠が18時台前半へと移動したことに伴い、18時35分から18時53分の時間帯へ変更された。なお、以上のトップ&リレー中継のスコアカウンター字幕について、静岡第一テレビは自社で出していた。関東独立局では送り出し局となっていたテレビ神奈川が送り出していたが、テレビ神奈川が大洋戦などを優先して放送しない場合は千葉テレビが代行として送り出していた。
  5. ^ 2019年は巨人が出場するクライマックスシリーズ中継に限り、前述の2019年4月2日までの中継方式となった。
  6. ^ 2020年6月23日の対DeNA戦から10月23日の対阪神戦までは地上波と衛星波で実況・解説が同一だった(但し、地上波と衛星波での同時放送で不可能な放送内容が含まれる場合は2019年4月2日までの放送体制に変更となった)。

出典

[編集]
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  5. ^ 「再びワイプナイターに抗議」『映画撮影』No.45、日本映画撮影監督協会、1972年1月、48頁、doi:10.11501/7954611 
  6. ^ a b c d e f g h 関谷繁男「スポーツは“参加するテレビ”の花形」『新聞経営』1975年11月号、日本新聞協会、1975年11月、33-36頁、doi:10.11501/3360851 
  7. ^ a b 田代昌史「「同時多発」とどうつきあうか ナマが生きる放送への期待」『月刊アドバタイジング』1976年2月号、電通、1976年2月、doi:10.11501/2262238 
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  9. ^ a b 「放送デスクメモ」『マスコミ市民』第95号、マスコミ市民フォーラム、1975年9月、58頁、doi:10.11501/3463756 
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関連項目

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