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Daymare: 1998

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デイメア: 1998から転送)
Daymare: 1998
ジャンル サバイバルホラー
開発元 Invader Studios
発売元 Destructive Creations
All in! Games
ディレクター アレッサンドロ・デ・ビアンキ
ミケーレ・ジャンノーネ
ティツィアーノ・ブッチ
人数 1人
発売日 Microsoft Windows
世界の旗 2019年9月17日
PlayStation 4
世界の旗 2020年4月28日
Xbox One
世界の旗 2020年4月28日
対象年齢 CEROZ(18才以上のみ対象)
エンジン Unreal Engine 4
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Daymare: 1998』は、Invader Studiosが開発し、GamesDestructive CreationsとAll in! Gamesにより発売されたコンピュータゲーム

概要

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本作の制作には変わった経緯があり、元々『バイオハザード2』(カプコン)のリメイクを独自に制作していた、『バイオハザードシリーズ』のファングループを主体に開発されている。『バイオハザード2』は、後にカプコン自身が公式なリメイク『バイオハザード RE:2』を作ることになり、ファンリメイクは中止されたが、その代わりに本作が制作されることになった。

本作のゲームシステムはサードパーソン・シューティング (TPS) 形式となっているが、初期の『バイオハザードシリーズ』のように、限られた弾薬をやりくりしながら進めるサバイバル要素が強い。

本作では、特殊部隊H.A.D.E.S.(Hexacore Advanced Division For Extraction and Search / ハデス)のエリート兵士のリーヴ、空軍パイロットのレイヴン、キーンサイトの森林レンジャーのサミュエル・ウォーカーの、3つの視点から物語が語られる。

『バイオハザード2』で主人公の1人であるレオン・S・ケネディの声を担当していたポール・ハダド英語版が、本作では語り手の科学者であるクリーナー役を担当している。ハダドは2020年4月15日に居住地であるカナダで死去したため、本作は生涯最後の出演作品となった[1]

ストーリー

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1998年8月20日、ワシントン州の沖合にあるノースフォール群島の一つ、ノースブルーツー島に建設された政府の秘密施設「イージス研究所」から始まる。その後、広大な森に囲まれたアイダホ州の小さな町、キーンサイトに舞台は移る。長い歴史と伝統を持つこの町は、バイオ企業「ヘキサコア バイオジェネティクス」と共に歩み、平和で穏やかな時を刻んできた。しかし、ある日をきっかけにこの町は突如として恐怖の地へと変貌する。

開発

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ローマ近郊の田舎町オレーヴァノ・ロマーノを中心に[注 1]Unreal Engineを用いて『バイオハザード2』の非公式リメイクを制作している有志のグループがあった。彼らが制作したPC用の『Resident Evil 2 Reborn』は、2015年7月にデモ映像をYouTubeで公開すると、そのクオリティの高さから話題となった。すると、2015年にカプコンから連絡があり、本社のある大阪に招待された。カプコンは彼らにゲームの開発中止を求め、その結果、ゲーム制作はキャンセルされた[3][4][2]

ミケーレ・ジャンノーネによると、カプコンは彼らを「ファン」ではなく「プロ」として扱ったと振り返っている。未発表の『バイオハザード7 レジデント イービル』や『RE:2』の、極秘の初期ビルドを見せてもらったりもしたという[2]。それどころか、彼らに作品のフィードバックまで求めたといい、「おそらく、カプコンも我々から何かを得たのだろう」とも語っている[3]。その後、カプコンのプロデューサーからの提案もあり、オリジナルIP作品を制作することになった。それが後の『Daymare: 1998』である[4]

最初に行ったのがスタジオ設立で、大阪へ招待された翌年の2016年初頭に融資や書類の提出などを行い、会社設立に至ったのは同年7月だった。同時にプロトタイプの制作も進めていた。本作がインディースタジオにしては大規模なものになると分かっており、それを10人程度のメンバーで完成させられるか、融資する側やパブリッシャ相手に説得する必要があった。パブリッシャとの交渉時には、コンテンツの70~80%は作り上げており、融資を受けるまでは自費で制作していたという[2]

バイオハザード3 LAST ESCAPE』のディレクター、青山和弘がアソシエイトプロデューサーとしてプロジェクトに参加することになり、ゲームデザインに対する助言をもらった。『バイオハザード CODE:Veronica』に関わったクリエイター中井覚もチームに参加し、クリーチャーのデザインに力を貸してもらったのは助かったという[3][4][2]。本作の情報は2016年9月12日に正式に発表され、資金調達のため、Kickstarterを通じたキャンペーンと、2017年2月15日には「Daymare Challenge」と呼ばれる特別なPCデモが発表された。資金は確保できなかったものの、このキャンペーンにより『Daymare: 1998』のプロジェクトはより一般に知られるようになった。プロトタイプの制作から1年以上の時間をかけてアルファ版を作り、2017年から2018年にかけてパブリッシャと交渉し、地元の投資銀行から資金を得るに至った[注 2]

2年4ヶ月の制作期間を経て、本作は2019年9月17日にSteamGOG.comで、日本では2020年2月20日にPlayStation 4とPCで、その他の地域では2020年4月28日にPlayStation 4とXbox Oneで正式リリースされることになった。

日本ではDMM gamesから発売されたが、世界ではDestructive Creationsが家庭用機で発売し[5][6]、All in! GamesがSteamで配信している[7]

ダウンロードコンテンツ

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2019年11月22日、PC版専用の無料アップデートが配信された。エクストラモード「H.A.D.D.E.S. Dead End」では、H.A.D.D.E.S.の兵士リーヴとなり、各エリアにある3つのランダムな目標を達成することで、容赦ない敵の大群を生き延びることが目的となる。

現在、「Sacred Heart Hospital」、「The Sewers」、「Downtown Keen Sight」、「Lair Dam」の4つのシナリオが用意されている。開始時の装備が異なる「Scout」「Heavy」「Assault」「Medic」の4つのクラスがある。また、経験値に影響を与えるランダムなゲームチェンジャーを発動させることも可能。

評価

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評価
集計結果
媒体結果
MetacriticPC: 62/100[8]
PS4: 53/100[9]
XONE: 68/100[10]

レビュー収集サイトMetacriticで本作は「賛否両論または平均的なレビュー」を受けた。IGN Italyでは10点満点中6.8を与え、「注目に値するアイディアはありながら、開発者の野心に応えきれず、しばしば評価点を上回る問題点がある」としている。ただ、「今後彼らがいい仕事をしてくれることを信じている」とも語っている[11]

Multiplayer.itでは、「『Daymare: 1998』はよくできたサバイバルホラーゲームで、制限の大きい制作体制に苦しみながらも、サバイバルホラーの黄金時代にまでさかのぼり、このジャンルのファンを確実に魅了するだろう」と評価している。一方で、ボスに対しては「あまり記憶に残るものではない」とも語っている[12]

Eurogamerイタリア版では10点満点中7点の評価を得ており、「本作はバイオハザードが追求するホラーのハードコアなファンに焦点を当てたものであり、そういうファンには満足できるだろうが、本作からホラーに挑戦する人には困難が大きすぎる」としている[13]

続編

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2021年5月25日、本作の続編『Daymare: 1994 Sandcastle』が発表された[14][15]。タイトルから分かるように本作より前の時代が舞台となり、主人公はH.A.D.E.S.隊員のダリラ・レイズとなり、本作の起源となる物語が語られるという[16]

脚注

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注釈

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  1. ^ 本作の10人ほどの中心メンバーの殆どが、この村か近郊の出身者で、子供の頃からの知り合いという[2]
  2. ^ 投資した銀行は、これまでワイナリーなどの農業関係の投資が多く、ゲーム会社への投資は、設立からおよそ60年で初の出来事だった[2]

出典

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  1. ^ “『バイオハザード2』でレオンを演じた俳優ポール・ハダド氏が亡くなる”. ファミ通.com (KADOKAWA Game Linkage). (2020年4月18日). https://www.famitsu.com/news/202004/18196963.html 2020年4月22日閲覧。 
  2. ^ a b c d e f 「バイオハザード」へのリスペクト溢れるサバイバルホラーはこうして生まれた。「デイメア: 1998」開発会社のInvader Studiosにインタビュー”. 4Gamer.net (2020年2月20日). 2021年3月6日閲覧。
  3. ^ a b c Robson, Daniel (February 20, 2020). “Surviving Capcom: How a Fan-Made Resident Evil 2 Remake Led to Horror Game Daymare: 1998”. IGN. July 12, 2020閲覧。
  4. ^ a b c Peel, Jeremy (January 2, 2017). “Making it in Unreal: how a phone call from Capcom stopped Resident Evil 2 Reborn and started Daymare: 1998”. PCGamesN. July 12, 2020閲覧。
  5. ^ https://game-insider.com/2020/04/28/daymare-1998-releases-today-on-ps4-and-xbox-one-with-new-launch-trailer/
  6. ^ http://invaderstudiosofficial.com/site/the-something-special-about-daymare-1998-is-out/
  7. ^ https://www.gamasutra.com/view/pressreleases/340931/Daymare_1998__the_thrilling_thirdperson_survival_horror_game_that_pays_homage_to_the_classics_of_the_90s_reveals_the_first_Story_Teaser_and_ahead_of_a_PC_launch_in_Summer_2019.php
  8. ^ Daymare: 1998 for PC Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. August 26, 2020閲覧。
  9. ^ Daymare: 1998 for PlayStation 4 Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. August 26, 2020閲覧。
  10. ^ Daymare: 1998 for Xbox One Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. August 26, 2020閲覧。
  11. ^ Borgonovo, Alessandra (September 17, 2019). “Daymare: 1998 - Recensione”. IGN Italy. July 12, 2020閲覧。
  12. ^ Tagliaferri, Simone (September 17, 2019). “Daymare: 1998, la recensione58”. Multiplayer.it. July 12, 2020閲覧。
  13. ^ Arlotta, Lara (September 17, 2019). “Daymare 1998 - recensione”. Eurogamer Italy. July 12, 2020閲覧。
  14. ^ Daymare: 1994 Sandcastle is here!”. Twitter (2021年5月25日). 2021年6月3日閲覧。
  15. ^ Daymare 1994: Sandcastle - Exclusive Official Announcement Trailer”. YouTube (2021年5月25日). 2021年6月3日閲覧。
  16. ^ Daymare: 1994 Sandcastle Announced”. IGN (2021年5月26日). 2021年6月3日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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