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オルトケイ酸テトラエチル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オルトケイ酸テトラエチル
識別情報
CAS登録番号 78-10-4 チェック
PubChem 6517
特性
化学式 SiC8H20O4
モル質量 208.33
外観 無色透明の液体
密度 0.94
融点

-77 °C

沸点

166-169 °C

への溶解度 分解
危険性
主な危険性 有毒
引火点 45 °C
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

オルトケイ酸テトラエチル(オルトケイさんテトラエチル)は、化学式Si(OC2H5)4である化合物であり、英語名のTetraethyl orthosilicateを略して、TEOS(テオス)とも呼ばれる。IUPAC名は、テトラエトキシシラン (: tetraethoxysilane) である。この分子は中心のSiO4−
4
イオン(オルトケイ酸イオン)にエチル基が4つついた構造をしている。溶液中のイオンとしてはオルトケイ酸イオンは存在せず、TEOSはオルトケイ酸(Si(OH)4)のエチルエステルであるとも解釈できる。消防法による第4類危険物 第2石油類に該当する[1]

TEOSは正四面体構造をとる。類縁体が数多く存在するが、たいていは四塩化ケイ素アルコールによる加溶媒分解により合成される。

ここでRはメチル基エチル基などのアルキル基

利用

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TEOSは主に、シリコーン樹脂の架橋剤として用いられている。また、カーペットなどのコート剤として用いられるほか、エアロゲルを作るのにも使われる。これらの用途は、Si-OR結合の反応性を利用している[2]

その他の反応

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二酸化ケイ素とエタノールが反応しても、TEOSが生ずる[3]。 また、TEOSは簡単に二酸化ケイ素へと変化させることができるが、この反応は水の付加によって起こる。

この加水分解反応はゾルゲル法の一例でもあり、エタノールが副生成物である。この反応は、鉱物のようにSi-O-Si結合を持った固体へとTEOS分子が変化し、沈殿する形で進んでいく。反応速度は、触媒として働く酸や塩基の存在によって大きく変化する。

600℃以上の高温下では、TEOSはジエチルエーテルを生成して二酸化ケイ素へと変化する[4][5]

出典・参考文献

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  1. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
  2. ^ Lutz Rösch, Peter John, Rudolf Reitmeier "Silicon Compounds, Organic" Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 2002, Wiley-VCH, Weinheim. doi:10.1002/14356007.a24_021. Article Online Posting Date: June 15, 2000
  3. ^ 化学大辞典編集委員会 編集 『化学大辞典 (縮刷版) 9』 p.654(左下部) 共立出版 1964年3月15日発行 ISBN 4-320-04023-6
  4. ^ C. McGuinness, R.L. Byer, E. Colby, B.M. Cowan, R.J. England, R.J. Noble, T. Plettner, C.M. Sears, R. Siemann, J. Spencer, D. Waltz (2008-09). “Woodpile Structure Fabrication for Photonic Crystal Laser Acceleration” (PDF). AIP Conference Proceedings (American Institute of Physics) 1086 (1). doi:10.1063/1.3080965. https://www.slac.stanford.edu/pubs/slacpubs/13250/slac-pub-13414.pdf. 
  5. ^ 特許 US8058138 - Gap processing -”. 2017年6月10日閲覧。