コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

チーズはどこへ消えた?

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

チーズはどこへ消えた?』(チーズはどこへきえた、英語原題:Who Moved My Cheese?)は、アメリカ合衆国医学博士心理学者であるスペンサー・ジョンソン英語版が著した童話、ビジネス書[1]

1998年にアメリカで出版される。2009年時点で全世界で累計2400万部[2]、2019年時点で2800万部を超えるベストセラーとなっている[3]

日本版

[編集]

日本では、2000年扶桑社から訳書が発売された。ピーク時には1度の重版で50万部を増刷したこともあったが、それでも書店注文に生産が追い付かないほどだった[4]。2015年時点で累計400万部のロングセラーとなっている[5]。2020年12月現在では105刷・408万部[4]

日本版出版に際しては、ハードカバーの本家・アメリカ版ではなく、軽いタッチのイギリス版が参考にされた[3]。挿画は、イラストレーターの長崎訓子が担当している[6]。マーケティングライターの牛窪恵は、「新しい価値観を探して行動を起こすことの大切さを教えてくれる本」と評価している[7]

出版プロデューサーの平田静子によってプロデュースされる[8]。平田が「年末年始に企業のトップが訓示をするときのネタになる」と踏んで、上場企業100社の社長に手紙を添えて献本したところ、大手メーカーの社長が年始のあいさつで紹介したことで火が付いたという[8]

関連作品

[編集]
バターはどこへ溶けた?
2001年には、本作のパロディとされる『バターはどこへ溶けた?』(ディーン・リップルウッド著)が道出版より出版されている[9]
チーズは探すな!
2011年には、本作を称えつつも、異論を唱える『チーズは探すな!』(ディーパック・マルホトラ著)がディスカヴァー・トゥエンティワンより出版されている[10]
迷路の外には何がある?
著者のジョンソンは2017年に逝去したが、本作の続編原稿が残されていることが明らかになった[3]。『チーズはどこへ消えた?』本編で変化に対応できずに取り残された小人を主人公に据えた作品で、日本では2019年に『迷路の外には何がある?』の題で扶桑社から出版された[3]

書誌情報

[編集]
  • Spencer Johnson (1998-3). Who Moved My Cheese?. Putnam's. ISBN 0-399-14446-3 
    • スペンサー・ジョンソン『チーズはどこへ消えた?』門田美鈴訳、扶桑社、2000年11月。ISBN 459403019X 
  • Spencer Johnson (2018-11). Out of the Maze: A Simple Way to Change Your Thinking & Unlock Success. Vermilion. ISBN 978-1785042119 
    • スペンサー・ジョンソン『迷路の外には何がある?『チーズはどこへ消えた?』その後の物語』門田美鈴訳、扶桑社、2019年2月。ISBN 9784594081652 

脚注

[編集]
  1. ^ 「チーズはどこへ消えた?」プロデュース 平田静子さんが初の自著 後輩へエール「キャリアの道はいつからでも始められる」(3/3ページ)”. 産経ニュース (2015年8月14日). 2019年5月18日閲覧。
  2. ^ 『チーズはどこへ消えた?』著者最新作が好調”. 日経トレンディネット (2009年10月5日). 2019年5月18日閲覧。 “Internet Archiveによる2016年6月23日時点のアーカイブページ。”
  3. ^ a b c d 大嶋辰男 (2019年3月12日). “「チーズはどこへ消えた?」はなぜ売れた? 平成のベストセラー、著者が書き残した続編が登場”. 好書好日. 朝日新聞社. 2019年5月18日閲覧。
  4. ^ a b 本の雑誌』2021年3月号、28頁。
  5. ^ ほんをうえるプロジェクト 発売15年のロングセラー「チーズはどこへ消えた?」を新展開”. ニュースリリース. 株式会社トーハン (2015年9月13日). 2019年5月18日閲覧。
  6. ^ 長崎訓子が描く、奇妙でカワイイ名作文学『marble ramble 名作文学漫画集』刊行のお知らせ|株式会社パイ インターナショナルのプレスリリース
  7. ^ 『チーズはどこへ消えた?』『夢をかなえるゾウ』…ヒットした自己啓発本には必ず売れる理由があった!【5つの事例】 | ダ・ヴィンチニュース
  8. ^ a b 「チーズはどこへ消えた?」プロデュース 平田静子さんが初の自著 後輩へエール「キャリアの道はいつからでも始められる」(1/3ページ) - 産経ニュース
  9. ^ パロディワーキングチーム 報告書 - 文化庁
  10. ^ 注目の新刊 『チーズは探すな! 他の誰かの迷路の中でネズミとして生きることを拒んだ人たちへ』 ダ・ヴィンチ2012年2月号 | ダ・ヴィンチニュース

外部リンク

[編集]