ゼフィランサス
タマスダレ属 | |||||||||||||||||||||||||||
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分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Zephyranthes Herb. (1821) | |||||||||||||||||||||||||||
タイプ種 | |||||||||||||||||||||||||||
Zephyranthes atamasco (L.) Herb. |
ゼフィランサスは、ヒガンバナ科(クロンキスト体系ではユリ科)タマスダレ属[1](学名: Zephyranthes)の植物の総称。温暖な地域で生育し、土中に鱗茎を形成する多年草。
近縁のハブランサス属、クーペリア属[2]とともに、多くの種は乾燥と高温の後に雨が降って球根が潤うと花茎をのばして開花する性質があるため、ともにレインリリーと呼ばれる[3]。
属名はギリシャ語の Zephyros(西風、ゼピュロス)と anthos(花)が語源であるが、なぜそう名付けられたのかよくわかっていない。
形態・生態
[編集]10〜25cm位の草丈。
ほとんどの種が6月〜9月頃に開花する。花色は白色、桃色、黄色などがあり、種間の交配が比較的容易なことから、両親の血を受け継いだ様々な色合いのものが存在する。よく似たハブランサスとよく混同される。ハブランサスは斜め上向きに花が咲くのに対して、ゼフィランサスの花は直立して真上に花が咲く特徴がある[3]、とも言われるが、実際はそれぞれ上向きから横向きまで様々。雌しべの形に違いがあり、ハブランサスの雌しべはカブトムシの角に似る。
ヒガンバナ亜科の例にもれず、全草にリコリンを含み有毒であり、葉をニラ、鱗茎をノビルと間違えて食べて中毒を起こす例が報告されている[4]。
分布
[編集]メキシコを中心に、北米南東部、西インド諸島、中央アメリカ、南アメリカに35〜40種がある[要出典]。
人間との関わり
[編集]日本では園芸植物として広く植栽されているが、江戸時代末期から明治時代初期に渡来した、タマスダレやサフランモドキは稔性こそ低い(全く結実しないわけではない)が、鱗茎の分球による繁殖力が強く、耐暑性に優れ耐寒性もあるため、日本の気候によく順応し、人里周辺に野生化したものがよく見られる。
現在でも園芸店やホームセンターなどで球根が販売されており、容易に入手できる。多くの場合、タマスダレ、ハブランサス、サフランモドキ、キバナサフランモドキ、ゼフィブランサス(ゼフィランサスとハブランサスの属間交雑種)などの球根をミックスした状態の物がゼフィランサスの名かレインリリーの名で店頭に並ぶ。
下位分類
[編集]- Zephyranthes atamasco
- タマスダレ Zephyranthes candida - アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイのラプラタ川流域及びチリ、ペルーに分布[5]。白花。日本には1870年頃渡来。
- サフランモドキ Zephyranthes carinata(シノニム Zephyranthes grandiflora) - 中央アメリカ、西インド諸島原産。桃色の大輪花。日本には1845年頃渡来[6]。
- キバナサフランモドキ[7](ゼフィランサス・シトリナ) Zephyranthes citrina - メキシコ(ユカタン半島)原産。黄花。
- ゼフィランサス・ドゥラモンディー Zephyranthes drummondii - アメリカ合衆国(テキサス州、ニューメキシコ州)及びメキシコ原産。白色の大輪花。
- Zephyranthes minuta
- コサフランモドキ[8](ゼフィランサス・ロゼア) Zephyranthes rosea - 西インド諸島原産。桃色の小輪花。耐寒性に乏しい。
- Zephyranthes × ajax
脚注
[編集]- ^ 大場秀章編著『植物分類表』アボック社、2009年、54頁。ISBN 978-4-900358-61-4。
- ^ 近年、クーペリア属はタマスダレ属に統合されている。
- ^ a b 金田初代『大きな写真でよくわかる!花と木の名前事典』西東社、2014年、181頁
- ^ 東京都福祉保健局 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 食品医薬品情報係. “タマスダレ”. 食品衛生の窓. 2014年9月1日閲覧。
- ^ 『日本帰化植物写真図鑑』 408頁 には、「ブラジルの原産」とある。
- ^ 『日本帰化植物写真図鑑』 409頁。
- ^ 『日本帰化植物写真図鑑 第2巻』 297頁。
- ^ 『日本帰化植物写真図鑑 第2巻』 298頁。
参考文献
[編集]- 清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七編著『日本帰化植物写真図鑑 : Plant invader 600種』全国農村教育協会、2001年、408-409頁。ISBN 4-88137-085-5。
- 植村修二ほか編著『日本帰化植物写真図鑑 : Plant invader 500種 第2巻』全国農村教育協会、2010年、297-298頁。ISBN 978-4-88137-155-8。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- "(属名) Zephyranthes Herb". Germplasm Resources Information Network (GRIN) online database (英語). 2014年9月1日閲覧。
- "Zephyranthes Herb" (英語). Integrated Taxonomic Information System. 2014年9月1日閲覧。
- "Zephyranthes". National Center for Biotechnology Information(NCBI) (英語).
- "Zephyranthes" - Encyclopedia of Life
- 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “BG Plants簡易検索結果表示”. 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList). 千葉大学. 2014年9月1日閲覧。
- Bulbsociety
- Fotoplantas [リンク切れ]