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タル・アファル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タッル・アファルから転送)
タル・アファル

تلعفر
都市
タル・アファル城(英語版)
タル・アファルの位置(イラク内)
タル・アファル
タル・アファル
タル・アファルの位置
座標:北緯36度22分27秒 東経42度26分36秒 / 北緯36.37417度 東経42.44333度 / 36.37417; 42.44333
イラクの旗 イラク
ニーナワー県
標高
410 m
人口
 • 合計 167,200人

タル・アファル(アラビア語: تلعفر‎, IPA: [talˈʕafar])は、イラク北部のニーナワー県第2の都市。 県都モースルの63km西、シンジャールの52km東、キルクークの200km北西に位置する。 2015年7月1日の人口は16万7200人で、その殆どがトルクメン人である。 同国でトルクメン人が多数派の都市はここだけである。 宗教は75%がイスラム教スンナ派、25%が同教シーア派である[2]アラビア語アゼルバイジャン語チュルク語族言語が主に用いられる[3]

歴史

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紀元前7000年紀元前4500年頃、タル・アファルの南西10kmのヤリム・テペ英語版の丘のテル・ハスーナ英語版遺跡では、ハラフ文化英語版ウバイド文化が栄えた[4][5]

紀元前25世紀紀元前7世紀にはアッシリアの一部だった。

聖書にはテラッサル英語版として登場した。 当時はアッシリアのセンナケリブ王が治めており、「エデンの園の子供達」が暮らすとされた[6]

1837年ハフィズ・アフメド・パシャ英語版が探検した時には、タル・アファルはトルコ兵に占拠され、シンジャール東部のヤジディ教徒を牽制する拠点になっていた。

1867年オースティン・ヘンリー・レヤードが「ニネヴェとその遺跡」を出版した。

1880年、独立単位になった[7]

オスマン帝国はトルクメン兵をこの砦に配置し、彼らは後に砦周辺に町を築き最初の住民となる。

1920年イギリス委任統治領メソポタミアに編入され、イラク人の反イギリス運動への対策拠点とされる[8]

ニーナワー県の地区。タル・アファルは橙色。

1970年代サッダーム・フセイン大統領が進めるアラブ化英語版政策によって、多くのスンナ派バアス党員が入植した。

2006年2月3日、市内を警戒するアメリカ軍のM1エイブラムス戦車
アメリカ軍の第416民事大隊とトルコ軍が、警察官とインフラへの損傷について話している。

2003年のイラク侵攻でタル・アファル城は増築され、市長住居兼市役所兼警察本部になった。

2004年9月9日9月12日、アメリカ軍とイラク治安軍は「黒い台風」作戦を実行した。 反政府軍は撤退し、58人のトルクメン人が殺害され、500人のアメリカ兵が残った。

2005年3月、反政府軍が奪還した。 シーア派とスンナ派の間で衝突が発生した。 9月~10月、5000人のイラク兵と3500人のアメリカ兵が「光の回復」作戦を実行した。 反政府軍は157人が殺害され、683人が捕虜になった。 また、12人のイラク兵が殺害された。 この時アメリカ軍が塩素系の毒ガスを使ったと訴えられた。

2006年3月、アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領はこの作戦を「イラクで初めて成功した反攻作戦」と称賛した。

2007年1月時点で、最大の雇用先はイラク内務省英語版で、約2250人の警察官が雇われていた。 2番目はアメリカ政府で、第101空挺師団第3旅団戦闘団が駐留していた[9]2月10日、軍の検問所で自動車が爆発し、イラク兵が1人殺害された。 2月22日、家に仕掛けられた罠が爆発し、警察官1人を含む4人が殺害された。 3月24日、市場で車が爆発し、8人が殺害された。 3月27日、シーア派地域で2台のトラックが爆発し、152人が殺害された。 4月14日、狙撃手が女性を射殺した。 6月11日、ロケット砲で2人が爆殺された。 6月19日、2人が轢き殺された。 7月12日、結婚式で自爆テロが発生し、7人が殺害された。 7月15日、道端の爆弾で2人が殺害された。 8月6日、自動車爆弾で27人が殺害された。 8月22日、道端の爆弾で2人が殺害された。 9月22日、爆弾を製造していた反政府軍が誤って爆発させ、1人が死亡した。 9月24日、トラック爆弾で6人が殺害された。 10月4日、市場で自動車が爆発し、3人が殺害された。 10月10日、ロケット砲が住宅に着弾し、5人が殺害された。 12月29日、警察は5人の反政府軍を殺害した。

2008年1月3日、アメリカ軍が2人の市民を殺害した。 2月15日、2件の自爆テロで3人が殺害された。 2月20日、自動車が爆発し2人が殺害された。 3月2日、銃撃戦が発生し、13人の反政府軍と2人の警察官が殺害された。 4月14日、シーア派の祭りで自爆テロが発生し、4人が殺害された。 5月27日、市場で自動車が爆発し、4人が殺害された。 7月8日、スンナ・アラブ・イラク・イスラム党の党員が1人殺害された。 7月12日、2日前に誘拐された7人の遺体が発見された。 7月17日、市場で自動車が爆発し、20人が殺害された。 7月31日、道端の爆弾で警察官が1人殺害された。 8月8日、市場で自爆テロが発生し、25人が殺害された。 8月29日、警察はモスクに入ろうとしていた自爆テロ犯を殺害した。 9月6日、自動車が爆発し6人が殺害された。 9月20日、自動車が爆発し2人が殺害された。 11月15日、自動車が爆発し10人が殺害された。 12月2日、検問所で自動車が爆発し5人が殺害された。

2009年2月6日、車からの乱射で2人が殺害された。 3月23日、自爆テロで1人が殺害された。 7月9日、自爆テロが2件発生し、33人が殺害された。 9月17日、検問所で自爆テロが発生し、3人が殺害された。 9月28日、反政府軍が2人殺害された。 10月6日、スンナ派モスクで乱射が発生し、15人が殺害された。

機動兵

2010年5月14日、サッカー場で自爆テロが発生し、10人が殺害された。 事前にイラクのイスラム国英語版の戦争大臣がシーア派に対して宣戦布告をしていた。

2014年6月16日、2日間の戦闘の後、ISISがタル・アファルを占領した[10]。 12月、ISISはタル・アファル城の大部分を爆破した[11]。 多くのトルクメン人が南に追放され、その多くがイラク軍に入隊し、ISISと戦った[12]

2017年8月20日、イラク軍はタル・アファルをISISから奪還すると宣言した[13]8月27日、イラク軍が奪還した[14]8月31日、ISISは完全に排除された。

経済

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農業分野では、オリーブの生産が活発であったが、生産基盤はISISの占領下で徹底的に破壊された。2019年現在、農民が元の農地に戻りつつあり復興が進められている[15]

脚注

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  1. ^ title=City Population閲覧日:2017年11月15日
  2. ^ “Description of Tal'Afar”. Department of Behavioral Sciences & LeadershipUnited States Air Force Academy, Colorado Springs. (January 8, 2008). オリジナルのAugust 16, 2010時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100816195952/http://www.strategicstudiesinstitute.army.mil/pdffiles/of-interest-9.pdf April 22, 2011閲覧。 
  3. ^ ISIS control of Iraq spreads with major northern city capture
  4. ^ Encyclopedia of Prehistory, by Peter N. Peregrine, Melvin Ember, Inc., Human Relations Area Files, Pg 149.
  5. ^ Dictionary of the Ancient Near East By Piotr Bienkowski, A. R. Millard, Yarim Tepe, 2000, Pg 326
  6. ^ The People's Bible Encyclopedia By Charles Randall Barnes, Telas'sar or Thela'sar, 1910, pg 1085
  7. ^ The Other Kurds: Yazidis in Colonial Iraq By Nelida Fuccaro, 1999, pg 33.
  8. ^ A History of Iraq By Charles Tripp, Pg. 40
  9. ^ Tal Afar Airbase
  10. ^ Iraqi city of Tal Afar falls to Isis insurgents Martin Chulov, The Guardian, June 16, 2014.
  11. ^ “Extremist IS militants damage ancient citadel, two shrines in Iraq's Nineveh”. Xinhua News Agency. (31 December 2014). オリジナルの13 January 2015時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150113075719/http://news.xinhuanet.com/english/world/2014-12/31/c_133890461.htm 
  12. ^ Turkey Pulse article on situation of the Turkmen
  13. ^ IS conflict: Iraq launches ground offensive in Tal Afar
  14. ^ https://www.ft.com/content/91d0e2ee-8b4d-11e7-9084-d0c17942ba93
  15. ^ オリーブの消えた町 イラク・タルアファル、ISの爪痕”. AFP (2019年1月31日). 2019年2月1日閲覧。

外部リンク

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座標: 北緯36度22分27秒 東経42度26分36秒 / 北緯36.37417度 東経42.44333度 / 36.37417; 42.44333