ストリートボード
ストリートボード (Streetboard) または、スネークボード (Snakeboard) とは、3枚の板を直列に組み合わせたものに車輪が付いた、スケートボードの新種。
概要
[編集]外観はスケートボードに似ているが、一般のスケートボードとは下記の点が異なる。
・3枚の板がヒンジにより稼動するため、一枚板である一般のスケートボードより挙動は複雑となる。
・バインディングを使用して足をボードに固定することが可能で、[
呼称について
[編集]ストリートボードは1989年の発明当初、「スネークボード」と命名されたが、1998年にSnakeboard USA社が、「スネークボード」という呼称を独占し、参入する他社の製品を「スネークボード」と呼ぶことを禁じた。これにより呼称変更を余儀なくされた各社は「ストリートボード」という呼称を考案した。よって、「スネークボード」と「ストリートボード」という呼称を使い分ける場合、Snakeboard USA社の製品を「スネークボード」と呼び、他社の製品を「ストリートボード」と呼ぶことが正しい。しかしながら、近年においては「ストリートボード」という呼称が主流であり、注釈なく「スネークボード」と言った場合、旧型のスネークボードを指す場合が多い。
ちなみに、「ストリートボード」とは、「ストリートでできるスノーボード」の意。また、「ストリートボード」以外に提案された呼称として「swingboard(スイングボード)」「pivotboard(ピボットボード)」なども挙がった。
なお近年、キャスターボードをスネークボードと呼ぶ者が散見されるが、前述の通りスネークボードとは、Snakeboard USA社の製品または旧型のスネークボードを指すものであり、キャスターボードをスネークボードと呼ぶことは誤りである。
歴史
[編集]- 1989年
- ・ヨハネスブルグ(南アフリカ)在住の3人の学生たち(James Fisher、Oliver Macleod-Smith、Simon King)が、スケートボード、サーフィング、スノーボード、スキーなどからインスパイアされ、スネークボードを発明し、Skatex International (Pty) Ltdを設立した。[1]
- ・Snakeboard USA社(米国)が設立され、Skatex International (Pty) Ltdよりスネークボードのライセンスを購入し、スネークボードの製造と販売を開始した。まもなく、スネークボードはスポーツとして認知された。
- 1990年
- ・PMS社(英国)がSkatex International (Pty) Ltdよりライセンスを購入し、スネークボード界に参入。PMS社は"Sydewynder"をリリースし、ヨーロッパで5万点以上を販売するヒットとなった。
- 1994年
- ・イギリスのガーンジーにて初めての世界大会が行われた。以後、1998年を除き、世界大会は毎年行われている。
- 1998年
- ・MV SPORT社(イギリス)がスネークボード関連の企業を買収。同時にSnakeboard USA社以外の関連企業は全て一旦撤退した。
- ・MV SPORT社は3種類のスネークボード(Sydewynder、Viper、Spacedeck)をリリースしたが、おもちゃとして売り出されたスネークボードがヒットには至ることはなかった。
- ・Snakeboard USA社が、呼称としての「snakeboard」を独占し、参入する他社の製品を「snakeboard」と呼ぶことを禁じた。これにより「snakeboard」という呼称を使用できなくなったライダーたちが「streetboard」と呼称を改め、Anderson Streetboards USA社(米国)を設立した。さらにAnderson Streetboards USA社は、スネークボード(以下、ストリートボード)の設計を大幅に改良し、スケートボードに近いデザインに改めた。
- 2001年
- ・FlipsideUSA社(米国、設立者:Kara Guire)が設立され、ストリートボード界に参入。新製品とアパレルの販売を始めた。
- 2002年
- ・Dimension Streetboards社(米国、設立者:Brinton Gunderson 、Josh Mick 、Victor Murstig)が設立され、ストリートボード界に参入した。
- ・GrossO Boards社(ブエノスアイレス、設立者:Pipo Grosso、Martin Hernandez Elizalde)が設立され、ストリートボード界に参入した。
- 2004年
- ・Highland Streetboards社(スコットランド)が設立され、ストリートボード界に参入した。
- ・Dimension Streetboards社が日本の企業と契約し、日米間の販売ルートが確立された。
- 2006年
- ・SnakeboardUSA社が旧タイプのボードの販売を終了した。
- 2007年
- ・日本で、JSO(Japan Streetboarding Organization)が設立された。[2]
- 2011年
- ・第1回全日本ストリートボード選手権大会が東京都足立区で行われた。
- 2012年
- ・第2回全日本ストリートボード選手権大会が東京都足立区で行われた。
- 2013年
- ・第3回全日本ストリートボード選手権大会が東京都江東区で行われた。
- 2014年
- ・第4回全日本ストリートボード選手権大会が東京都板橋区で行われた。
- 2015年
- ・第5回全日本ストリートボード選手権大会が東京都板橋区で行われた。
ストリートボードのトリック
[編集]滑走中にジャンプなどの動き織り交ぜることを「トリック(または技)」と言う。ストリートボードのトリックは、スケートボードやスノーボードからインスパイアされていることから、スケートボードやスノーボードに近い、或は同じトリックが少なくない。
- マニュアル
- 前輪を浮かせ、後輪のみで走行する。または、後輪を浮かせ、前輪のみで走行する。
- オーリー
- バインディングで足をストリートボードに固定し、走行しながらジャンプする。
- 180
- オーリーしながら180度回転する。
- 360
- オーリーしながら360度回転する。
- グラインド
- オーリー後、段差や手すり等の上に乗り、車輪を使わずにトラックの部分で滑走する。
- スライド
- オーリー後、段差や手すり等の上に乗り、車輪を使わずにボードの部分で滑走する。
- パワースライド
- ドリフト走行のように、ボードごと横滑りする。
- フィーバーポーズ
- 滑走中に片手を斜めに上げ、人差し指を立てる。
ストリートボードの競技種目
[編集]- フラット
- 障害物のない平地で繰り出すトリックの難易度や、オーリーの高度を競う。
- ランプ
- 「ランプ」と呼ばれるU字型の建造物を往復しながら滑走し、繰り出すトリックの難易度やジャンプの高度を競う。
- レール
- 水平に設置したレール(鉄パイプ)でグラインドやスライドを行い、その距離と難易度を競う。
- スラローム
- 均等に設置されたパイロン(カラーコーン)を交互によけながら滑走し、その正確さとスピードを競う。
- ダウンヒル
- 坂道を下りながら繰り出すトリックの難易度や、滑走スピードを競う。
-
ランプ
-
競技用のレール
-
スラローム用に並べられたパイロン
ストリートボードの用語
[編集]ストリートボードに使用される用語は、スケートボードやスノーボードと共通するものが多い。ここでは、スケートボードやスノーボードで用いられることのない、ストリートボード独特の用語のみを解説する。
- スタンス
- 2つのピボットの間の長さを呼ぶ。50cm~56cmが主流。
- センターバー
- 2枚のフットプレートをつなぐパーツ。
- トラック
- ウィール(車輪)をフットプレートに固定するための金属パーツ。
- バインディング
- スノーボードのように、足をストリートボードに固定するもの。
- ピボット
- センターバーとフットプレートをつなぐベアリング。
- フットプレート
- ストリートボードのパーツのうち、足をのせる箇所。
-
センターバー
-
バインディングを取り付けたストリートボード
脚注
[編集][1]http://www.snakeboarder.com/story.html
[2]http://www.streetboarding.jp/jso/
[3]https://m.facebook.com/St.Bes/
- ^ a b http://www.snakeboarder.com/story.html [1],
- ^ a b http://www.streetboarding.jp/jso/ [2],
- ^ St.B=es[3]