コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

スタートレック:エンタープライズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スタートレック:エンタープライズ
別名 Enterprise
原案 リック・バーマン
ブラノン・ブラーガ
出演者 スコット・バクラ
ジョン・ビリングズリー
ジョリーン・ブラロック
ドミニク・キーティング
アンソニー・モンゴメリー
リンダ・パーク
コナー・トリナー
作曲

デニス・マッカーシー
ジェイ・チャタウェイ
ブライアン・タイラー
ジョン・フライゼル
マーク・マッケンジー
デヴィッド・ベル
ヴェルトン・レイ・バンチ
ケヴィン・キナー

ポール・ベイラージェオン
オープニング Faith of the Heart
国・地域 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
シーズン数 4
話数 98(各話リスト)
各話の長さ 42/44分
製作
製作総指揮 リック・バーマン
ブラノン・ブラーガ
マニー・コト
製作 パラマウント・テレビジョン
ブラーガ・プロダクションズ
リック・バーマン・プロダクションズ
配給 CBSテレビジョン・ディストリビューション
放送
放送チャンネルUPN
映像形式1080p (HDTV版)
720p (HDTV版)
放送期間2001年9月26日 (2001-09-26) - 2005年5月13日 (2005-5-13)
Star Trek: Enterprise|Star Trek
番組年表
前作スタートレック:ヴォイジャー
次作スタートレック:ディスカバリー
関連番組宇宙大作戦
まんが宇宙大作戦
新スタートレック
スタートレック:ディープ・スペース・ナイン
テンプレートを表示

スタートレック:エンタープライズ』(: Star Trek: Enterprise、略称 ENT)は、アメリカSFテレビドラマシリーズ。『スタートレックメディア・フランチャイズの5番目のテレビドラマ作品。全98話。

あらすじ

[編集]

2063年異星人(バルカン人)とのファーストコンタクトからおよそ90年が経過した2151年、地球のオクラホマ、ブロークンボゥにクリンゴン人の宇宙船が何者かに追われて墜落する。

地球連合宇宙艦隊ジョナサン・アーチャー大佐は完成したばかりの人類初の深宇宙探査船「エンタープライズ NX-01」を使用してクリンゴン領に生存者を送り届けることにするが、それによって数世紀の時をまたぐ「時間冷戦」に巻き込まれることになる。

舞台設定

[編集]

2001年9月から、UPN系列で全米での放送を開始した。『宇宙大作戦』で描かれたカーク船長の5年間の探査ミッションの約100年前、惑星連邦成立前の22世紀を舞台に、ジョナサン・アーチャー船長指揮する地球初の深宇宙探査船「エンタープライズ NX-01」とそのクルーの活躍を描く。スタートレック世界の時間軸で、映画『ファーストコンタクト』から『宇宙大作戦』までの期間を直接描いた初めての作品となる。

時間冷戦

[編集]

時間協定により歴史改変を禁止しようとした惑星連邦などの勢力に対してカバルや球体創造者など、異なる時代の複数の勢力が自己に有利なように歴史改変を行おうとして生じた対立。

第3シーズンまでのストーリーのおおまかな軸となっていたが最終的に複数の勢力が入り乱れ複雑な構造となり、後述する制作側の混乱により第4シーズン序盤で時間冷戦に関するエピソードは終りを迎え、その全貌が明かされることは無かった。

時間冷戦の参加勢力

[編集]
カバル(22世紀)
スリバン人の組織。28世紀からの指示で動く。
球体創造者(21世紀~22世紀もしくは25世紀)
別宇宙から来た種族で、限定的に未来視やタイムトラベルができる。22世紀のズィンディを配下に置く。
ナクール(29世紀)
惑星連邦(31世紀)
時間協定を主導した勢力。ダニエルスを22世紀に派遣。アーチャー一行に協力的。

製作

[編集]

本作以前の『スタートレック』は、シリーズを通しての設定や別の作品のストーリーを前提とした話も多かったが、本作はシリーズ第一作である『宇宙大作戦』以前の時代を舞台とし、そうした設定をいったん白紙の状態に戻した事で、予備知識を持たない人も楽しむことができるようになっている。また、他作品のエピソードの前日譚も随所に織り込まれている。

本国アメリカではシリーズで初めてタイトルに「Star Trek」の名を冠しないで放送された。アメリカでの番組タイトルは、第1・第2シーズンの放送時は Enterprise で、第3シーズンから日本版と同じく、Star Trek: Enterprise に変更。

本作のテーマ曲「Where My Heart Will Take Me」はスタートレックシリーズでは初となる歌詞付きで、歌手はイギリス出身のラッセル・ワトソン(原曲はロッド・スチュワートの「Faith of the Heart」)。なお、第3シーズンからの番組名変更にともない、主題歌も新アレンジで再録音された。

しかし、放送開始当初から視聴率的には低迷し、過去のシリーズに登場したキャラクターや俳優を出演させるなど様々なテコ入れが試されたが、視聴率は地を這う一方で、2005年2月3日(現地時間2日)に第4シーズン・フィナーレを最後に打ち切りされることが正式に発表された。そして、同年5月中旬、「最後のフロンティア[1]」が最終エピソードとして放送され、全4シーズン・98話を以って終了した。最終話には『新スタートレック』のウィリアム・T・ライカー副長役のジョナサン・フレイクスとカウンセラー・ディアナ・トロイ役のマリーナ・サーティスが特別ゲスト出演した(内容としても新スタートレック第164話『難破船ペガサスの秘密』と関連づいている)。

スタートレック』シリーズはその時点で、1966年の『宇宙大作戦』開始から40年近くが経過していた。1987年に始まった『新スタートレック』からは15年以上にわたり途切れなくテレビ放送が続いており、そのうち7年は2つのシリーズが並行して放送されていた。『新スタートレック』開始以降だけでも3本のテレビシリーズ(合計500話以上)と6本の映画が製作される中、『スタートレック・ヴォイジャー』の第4シーズン終了時~第6シーズン初期にかけて、『新スタートレック』時代からシリーズを構築、支え続けていたスタッフのマイケル・ピラーロナルド・D・ムーアジェリ・テイラーらが連続して離脱し、それ以降はリック・バーマンとブラノン・ブラーガの2トップ体制が続いた結果、実質ワンマン体制による脚本の質の大幅な低下や、それに伴うレギュラーメンバー描写の偏りが目立つようになり、最終的に本作においてTOS以来の打ち切りという終わり方を招く事になった。

『新スタートレック』以降のテレビシリーズや劇場作品で製作陣の中枢にあり、本作の最終話を含む数多くの脚本も執筆していたリック・バーマンとブラノン・ブラーガは、打ち切りと言う結果を招いた事もあり、シリーズから完全に退くことになった。

元々この2人は第4シーズン開始時に製作陣からは外されており、マニー・コトが後を引き継いでからは、過去シリーズとのつながりも矛盾のないものとなり、また補完が行われるなどストーリーの質も大幅に回復した。マニー・コトらにはシーズン5への意欲もあり、実現していれば更にいくつかの新しい要素の追加や、過去シリーズ(劇中では未来)の要素について語られる計画があった。

・初期のストラートへの訪問

・ベレンガリア7号星における、初の宇宙基地建設について

・ロミュラン戦争と、それに伴うロミュランへスパイとして潜入していたトゥポルの父親について

ボーグクイーンの起源について

・シュランのレギュラー化(『氷窟の民』での本人のセリフと関連し、エンタープライズの乗員として)

・エンタープライズの大規模改装(第二船体の追加。『スタートレック・ピカード』シーズン3にて、艦隊ミュージアムにて展示されているものが映像として確認出来るようになり、正史として拾われた形となった。)

しかし最終話の脚本を再びリック・バーマンとブラノン・ブラーガが担当しており、第4シーズンで積み重ねてきたタッカーとトゥポルの関係を特に理由もなくリセットさせていたり、俳優自身も疑問を呈するほどの必然性の無い死に方をタッカーにさせたため、多数の視聴者から抗議や疑問の声があがり、打ち切り後に出版されたいくつかの小説で、タッカーのその後を描かれた理由の一つにもなった。

タッカーの扱いについて、多くのファンから糾弾されたブラノン・ブラーガは、タッカーを死なせたことについて後悔はない等と発言した。その後スタートレックシリーズの「パロディ」ドラマである宇宙探査艦オーヴィルに参加している。

なお、日本語吹き替え版は当初「船長」ではなく、「艦長」と当てられていたが、『宇宙大作戦』との整合性をとるために、第1話『夢の旅立ち』のアフレコ終了後に変更され、第1話自体も録り直されている。

登場人物

[編集]

※ 演の括弧内は日本語吹き替え。

レギュラー

[編集]

その他の登場人物

[編集]
  • 未来人
    • 演 - ジェームズ・ホーラン森田順平
    • 遺伝子操作されたスリバン人で構成される工作組織「カバル」を操る時間冷戦の当事者。種族や性別は不明で、常にシルエットのみで登場。
  • ケルビー
    • 演 - デレク・マジャル髙階俊嗣
    • タッカー少佐の部下の機関部員。階級は大尉。地球人男性。タッカーが姉妹船コロンビアに転出した後に機関部長を引き継ぎ少佐に昇進したが、タッカーがエンタープライズに復帰すると元の大尉に戻った。

サブタイトル

[編集]

シーズン1

[編集]
番号 原題(英語) 日本語版題名
1 Broken Bow 夢への旅立ち(前編)
2 Broken Bow 夢への旅立ち(後編)
3 Fight or Flight 死のファースト・コンタクト
4 Strange New World 風が呼んだエイリアン
5 Unexpected 予期せぬ侵入者
6 Terra Nova 植民星テラ・ノヴァの謎
7 The Andorian Incident 汚された聖地
8 Breaking the Ice 彗星は去り行くとも
9 Civilization 狙われた星アカーリ
10 Fortunate Son 復讐の連鎖
11 Cold Front 時を見つめる男
12 Silent Enemy 言葉なき遭遇
13 Dear Doctor 遥かなる友へ
14 Sleeping Dogs 名誉に生きる者
15 Shadows of P'Jem 恩讐を越えて
16 Shuttlepod One 引き裂かれたクルー
17 Fusion 果てなき心の旅
18 Rogue Planet 幻を狩る惑星
19 Acquisition 獲物たちの罠
20 Oasis 閉ざされたオアシス
21 Detained テンダーの虜囚
22 Vox Sola 漂流生命体の叫び
23 Fallen Hero 追放された者への祈り
24 Desert Crossing 幻影の戦士
25 Two Days and Two Nights 楽園での出来事
26 Shockwave, Part I 暗黒からの衝撃波(前編)

シーズン2

[編集]
番号 原題(英語) 日本語版題名
27 Shockwave, Part II 暗黒からの衝撃波(後編)
28 Carbon Creek スプートニクの飛んだ夜に
29 Minefield 許されざる越境
30 Dead Stop 謎の自律浮遊基地
31 A Night in Sickbay 小さな生命の灯
32 Marauders 招かれざる訪問者
33 The Seventh 封印された記憶
34 The Communicator 危険なコンタクト
35 Singularity 三重星系の誘惑
36 Vanishing Point 転送空間の恐怖
37 Precious Cargo 眠る女の謎
38 The Catwalk 嵐を告げる男達
39 Dawn 熱き夜明け
40 Stigma 消せない汚名
41 Cease Fire 戦場の絆
42 Future Tense 沈黙の漂流船
43 Canamar 地獄への護送船
44 The Crossing 光の意志
45 Judgment 反逆の法廷
46 Horizon 兄弟の地平
47 The Breach 理由なき憎しみ
48 Cogenitor 第3の性
49 Regeneration 覚醒する恐怖
50 First Flight 運命の飛行
51 Bounty 狙われた首
52 The Expanse 帰還なき旅

シーズン3

[編集]
番号 原題(英語) 日本語版題名
53 The Xindi トレリウムD
54 Anomaly オサーリア人の襲撃
55 Extinction 突然変異
56 Rajiin 美しき潜入者
57 Impulse 幽霊船
58 Exile 孤独な亡命者
59 The Shipment 兵器工場潜入
60 Twilight 留められない記憶
61 North Star ウエスタン
62 Similitude ライサリア砂漠幼虫
63 Carpenter Street デトロイト2004
64 Chosen Realm 選ばれし領域
65 Proving Ground アンドリア人の協力
66 Stratagem 策略
67 Harbinger 新たなる脅威の兆し
68 Doctor's Orders フロックス船長の孤独
69 Hatchery トゥポルの反乱
70 Azati Prime 爬虫類族の攻撃
71 Damage 球体創造者
72 The Forgotten デグラの決断
73 E2 エンタープライズ2
74 The Council 評議会の分裂
75 Countdown 地球攻撃10時間前
76 Zero Hour 最終決戦

シーズン4

[編集]
番号 原題(英語) 日本語版題名
77 Storm Front, Part I 時間冷戦(前編)
78 Storm Front, Part II 時間冷戦(後編)
79 Home ヒーローたちの帰還
80 Borderland ボーダーランド
81 Cold Station 12 コールド・ステーション
82 The Augments 野望の果て
83 The Forge 狙われた地球大使館
84 Awakening 陰謀の嵐
85 Kir'Shara バルカンの夜明け
86 Daedalus 亜量子転送
87 Observer Effect 死の観察者
88 Babel One バベル1号星
89 United ロミュランの陰謀
90 The Aenar 氷窟の民
91 Affliction クリンゴンの苦境
92 Divergence 優生クリンゴン
93 Bound 誘惑の甘い罠
94 In a Mirror, Darkly, Part I 暗黒の地球帝国(前編)
95 In a Mirror, Darkly, Part II 暗黒の地球帝国(後編)
96 Demons テラ・プライム(前編)
97 Terra Prime テラ・プライム(後編)
98 These Are the Voyages... 最後のフロンティア

その他

[編集]

ラッセル・ワトソンが歌うオープニング曲「ホェア・マイ・ハート・ウィル・テイク・ミー」 (Where my heart will take me) は、映画『パッチ・アダムス』のエンディングで流れるロッド・スチュワートが歌う「フェイス・オブ・ザ・ハート」 (Faith of the Heart) に若干のアレンジを施したものである。ヴォーカルの入った曲が、スタートレックのシリーズのテーマ曲に使われたのは、初めてである。

最終話では「宇宙、それは最後のフロンティア...(Space, the final frontier…)」に始まるシリーズお馴染みのナレーションをジャン=リュック・ピカードパトリック・スチュワート)、ジェームズ・T・カークウィリアム・シャトナー)、ジョナサン・アーチャースコット・バクラ)が語り繋ぐ演出がとられた。原語版ではピカードとカークの台詞はオリジナルからのアーカイブ音声。日本語吹替版ではスーパー!ドラマTV放映時はアーチャー役の谷口節が単独で担当していたが、DVDではピカードとカークのオリジナルキャストである麦人矢島正明[2]が起用され録り直しが行われた。

脚注

[編集]
  1. ^ These Are the Voyages...(ズィーズ・アー・ザ・ボイェジーズ)
  2. ^ 宇宙大作戦』当時のナレーターは若山弦蔵

外部リンク

[編集]

公式

[編集]

非公式

[編集]