ジョン・ベイツ・クラーク賞
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(ジョン・ベーツ・クラーク賞から転送)
ジョン・ベイツ・クラーク賞(John Bates Clark Medal)は、1947年以降アメリカ経済学会が授与している経済学賞である。賞の名前は、アメリカにおける近代経済学の創始者であるジョン・ベイツ・クラーク(コロンビア大学教授、1895-1913)に因む。対象となるのは40歳以下のアメリカの経済学者であり、かつては隔年且つ生涯に一度しか授与されなかったことから、アメリカの経済学者にとっては、ノーベル経済学賞より受賞が難しいとも言われている(ただし、2010年からは毎年授与されるようになっている)。
2024年9月現在で、受賞者総数46名中15名(32.6%)が後に、ノーベル経済学賞を受賞していることから、数ある経済学賞の中でも最もノーベル賞に近い賞とされている。経済学における最高の賞の一つである。
第1回受賞者のポール・サミュエルソン以下、ミルトン・フリードマン、ゲーリー・ベッカー、比較的最近の例ではジョセフ・E・スティグリッツ、ジェームズ・ヘックマンといった面々が受賞している。 同賞受賞からノーベル賞受賞までの最短記録は、ケネス・アローの15年で、最長記録は、ジェームス・トービンとロバート・ソローの26年である。平均は、22年である。ポール・サミュエルソンは、同賞(32歳)最年少受賞記録保持者である。
2007年には、初の女性受賞者が誕生した。
過去の受賞者
[編集]年 | 受賞者[1] | 所属(受賞時) | 出身 (博士号) | 国籍 | ノーベル賞 |
---|---|---|---|---|---|
1947 | ポール・サミュエルソン | マサチューセッツ工科大学 | ハーバード大学 | アメリカ合衆国 | 1970 |
1949 | ケネス・E・ボールディング | ミシガン大学 | オックスフォード大学 | アメリカ合衆国 | |
1951 | ミルトン・フリードマン | シカゴ大学 | コロンビア大学 | アメリカ合衆国 | 1976 |
1955 | ジェームズ・トービン | イェール大学 | ハーバード大学 | アメリカ合衆国 | 1981 |
1957 | ケネス・アロー | スタンフォード大学 | コロンビア大学 | アメリカ合衆国 | 1972 |
1959 | ローレンス・クライン | ペンシルバニア大学 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ合衆国 | 1980 |
1961 | ロバート・ソロー | マサチューセッツ工科大学 | ハーバード大学 | アメリカ合衆国 | 1987 |
1963 | ヘンドリック・ハウタッカー | ハーバード大学 | アムステルダム大学 | オランダ | |
1965 | ツヴィ・グリリカス | ハーバード大学 | シカゴ大学 | イスラエル | |
1967 | ゲーリー・ベッカー | シカゴ大学 | シカゴ大学 | アメリカ合衆国 | 1992 |
1969 | マーク・ナーラブ | イェール大学 | ジョンズ・ホプキンズ大学 | アメリカ合衆国 | |
1971 | デール・ジョルゲンソン | ハーバード大学 | ハーバード大学 | アメリカ合衆国 | |
1973 | フランクリン・M. フィッシャー | マサチューセッツ工科大学 | ハーバード大学 | アメリカ合衆国 | |
1975 | ダニエル・マクファデン | カリフォルニア大学バークレー校 | ミネソタ大学 | アメリカ合衆国 | 2000 |
1977 | マーティン・フェルドシュタイン | ハーバード大学 | オックスフォード大学 | アメリカ合衆国 | |
1979 | ジョセフ・E・スティグリッツ | プリンストン大学 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ合衆国 | 2001 |
1981 | マイケル・スペンス | ハーバード大学 | ハーバード大学 | アメリカ合衆国 | 2001 |
1983 | ジェームズ・ヘックマン | シカゴ大学 | プリンストン大学 | アメリカ合衆国 | 2000 |
1985 | ジェリー・A・ハウスマン | マサチューセッツ工科大学 | オックスフォード大学 | アメリカ合衆国 | |
1987 | サンフォード・J・グロスマン | プリンストン大学 | シカゴ大学 | アメリカ合衆国 | |
1989 | デイヴィッド・クレプス | スタンフォード大学 | スタンフォード大学 | アメリカ合衆国 | |
1991 | ポール・クルーグマン | マサチューセッツ工科大学 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ合衆国 | 2008 |
1993 | ローレンス・サマーズ | 世界銀行 | ハーバード大学 | アメリカ合衆国 | |
1995 | デヴィッド・カード | カリフォルニア大学バークレー校 | プリンストン大学 | カナダ | 2021 |
1997 | ケビン・M・マーフィー | シカゴ大学 | シカゴ大学 | アメリカ合衆国 | |
1999 | アンドレ・シュライファー | ハーバード大学 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ合衆国 | |
2001 | マシュー・ラビン | カリフォルニア大学バークレー校 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ合衆国 | |
2003 | スティーヴン・レヴィット | シカゴ大学 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ合衆国 | |
2005 | ダロン・アセモグル | マサチューセッツ工科大学 | ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス | トルコ・アメリカ合衆国 | 2024 |
2007 | スーザン・エイシー | スタンフォード大学 | スタンフォード大学 | アメリカ合衆国 | |
2009 | エマニュエル・サエズ | カリフォルニア大学バークレー校 | マサチューセッツ工科大学 | フランス | |
2010 | エスター・デュフロ | マサチューセッツ工科大学 | マサチューセッツ工科大学 | フランス | 2019 |
2011 | ジョナサン・レビン | スタンフォード大学 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ合衆国 | |
2012 | エイミー・フィンケルスタイン | マサチューセッツ工科大学 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ合衆国 | |
2013 | ラジ・チェティ | ハーバード大学 | ハーバード大学 | アメリカ合衆国 | |
2014 | マシュー・ジェンツコウ | シカゴ大学 | ハーバード大学 | アメリカ合衆国 | |
2015 | ローランド・G・フライヤー・Jr | ハーバード大学 | ペンシルベニア州立大学 | アメリカ合衆国 | |
2016 | ユリ・サニコフ | プリンストン大学 | スタンフォード大学 | ウクライナ | |
2017 | デイブ・ドナルドソン[2] | スタンフォード大学 [3] | ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス | カナダ | |
2018 | パラグ・パサク[4] | マサチューセッツ工科大学 | ハーバード大学 | アメリカ合衆国[5] | |
2019 | エミ・ナカムラ[6] | カリフォルニア大学バークレー校 | ハーバード大学 | アメリカ合衆国・カナダ | |
2020 | メリッサ・デル[7] | ハーバード大学 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ合衆国 | |
2021 | イサイア・アンドリュース[8] | ハーバード大学 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ合衆国 | |
2022 | オレグ・イツコキ[9] | カリフォルニア大学ロサンゼルス校 | ハーバード大学 | ロシア・アメリカ合衆国 | |
2023 | ガブリエル・ズックマン | カリフォルニア大学バークレー校 | パリ経済学院 | フランス | |
2024 | フィリップ・シュトラック | ボン大学 | イェール大学 | ドイツ |
脚注
[編集]- ^ “American Economic Association”. www.aeaweb.org. 2019年6月26日閲覧。
- ^ “A trade economist wins the John Bates Clark medal”. 2019年6月26日閲覧。
- ^ “Professor Dave Donaldson awarded the 2017 John Bates Clark Medal – Economics”. economics.stanford.edu. 2019年6月26日閲覧。
- ^ “Parag Pathak, Clark Medalist 2018”. American Economic Association. 20 April 2018閲覧。
- ^ “Parag Pathak, 2003”. P.D. Soros Fellowship for New Americans. 20 April 2018閲覧。
- ^ “Emi Nakamura, Clark Medalist 2019”. American Economic Association. 2019年6月26日閲覧。
- ^ “Melissa Dell, Clark Medalist 2020”. American Economic Association. 2020年6月19日閲覧。
- ^ “Isaiah Andrews, Clark Medalist 2021”. American Economic Association. 2022年1月29日閲覧。
- ^ “Isaiah Andrews, Clark Medalist 2022”. American Economic Association. 2022年9月8日閲覧。
関連項目
[編集]- ヨーロッパ経済学会が授与している経済学賞