ジベルばら色粃糠疹
ジベルばら色粃糠疹 | |
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Pityriasis rosea on human back and front | |
概要 | |
診療科 | 皮膚科学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | L42 |
ICD-9-CM | 696.3 |
DiseasesDB | 24698 |
MedlinePlus | 000871 |
eMedicine | derm/335 emerg/426 ped/1815 |
Patient UK | ジベルばら色粃糠疹 |
MeSH | D017515 |
ジベルばら色粃糠疹(ジベルばらいろひこうしん、Pityriasis rosea Gibert)は、皮膚の炎症性角化症の一つ。粃糠疹(ひこうしん)とは、細かい落屑が発疹に付着したものをいい、この疾患の特徴である。
症状
[編集]数mmから数cm程の淡い紅色(ばら色)の斑点に乾燥した皮膚(落屑)が付着しているのが特徴的な発疹で、これが散在して出現する。腹部・背中に多く、手足の先端や顔には発疹が出ない。また、発疹は皮膚のしわ方向に沿って出現するため、クリスマスツリー様となることがある。痒みなどの自覚症状はある程度出るが、それほど強くない場合が多い。治癒には約1~2か月を要する。
初発疹
[編集]症状が出る前の数日から数週間ほど前に、同じ発疹が1つだけ体のどこかに出現することがある。痒みがあまりないため発見されることが少ない。この初発疹をヘラルドパッチ (Herald patch) と呼ぶ。
頻度・疫学
[編集]比較的多くみられる疾患である。比較的年齢の若い10代から30代に多い[1]。感染力は弱く、家族内感染も普通は見られない。
鑑別診断
[編集]健康食品などの薬疹でも同じような症状を生じることがある。また、乾癬・類乾癬・梅毒(2期疹・ばら疹)との鑑別も必要である。
治療
[編集]特に治療しなくても自然治癒する[1]。痒みが強い場合は、抗アレルギー薬を使用することがある。自然治癒する疾患であるため、ステロイド外用剤は用いないことが多いが、痒みが強いときには使用する。紫外線照射(UVB療法)や日光浴を勧める医者もいる。
注意点
[編集]入浴は通常問題ないが、こすりすぎると皮膚に傷ができやすい。ウイルス感染症の可能性が言われているが、周りの人への感染については、ほとんど心配する必要がない。学校への登校も問題ない。
妊婦の感染によって胎児には影響しない。
食事面では、お酒・チョコレート・唐辛子などの香辛料を摂ると広がりやすい。
トピックス
[編集]1860年にカミーユ=メルシオール・ジベールが世界で最初に発見したためこの名前がついた。
最近[いつ?]、HHV-7というヘルペスウイルスとの関連が研究されており、ウイルスによる感染症ではないか、と言われている。なかなかステロイド外用剤に反応しないことや、普通の湿疹と誤診されやすいという理由で、多数の医療機関を駆け回る(ドクターショッピング)患者が度々みられる。
脚注
[編集]関連項目
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