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シャチブリ目

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シャチブリ科から転送)
シャチブリ目
オオシャチブリ属の1種 Ijimaia plicatellus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : シャチブリ上目 Ateleopodomorpha
: シャチブリ目 Ateleopodiformes
: シャチブリ科 Ateleopodidae
下位分類
本文参照

シャチブリ目学名Ateleopodiformes)は、硬骨魚綱の分類群()の一つ。シャチブリ科1科のみで構成され、4属のもとに12または13種を含む[1]。所属する魚類の多くは深海魚である。

分布・生態

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シャチブリ目の魚類はすべて海水魚で、カリブ海から大西洋東部、インド洋から西部太平洋、およびパナマコスタリカ沖の東部太平洋に分布する[1]。ほとんどのは、深海海底付近に生息する底生魚である[2]。日本近海からはこれまでに6種が知られ、底曳網などでまれに漁獲される[3][4]

形態

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シャチブリ目の魚類はソコダラギンザメの仲間に似た、尻すぼみの細長い体型をもつ[3]。頭部は大きく丸みを帯び、最大で全長2 mに達する[1]。体は全体的に軟らかく、特に(口先)はゼラチン質でぶよぶよしており、英語名「Jellynose fish」の由来となっている[1][3]

に棘条をもたない[3]背鰭の基底は短く、軟条は3-13本[1]。腹鰭は喉に位置し、成魚では1本の鰭条が糸状に細長く伸びる[1]。尾鰭は退化的で、ヒョウモンシャチブリ属以外では長い臀鰭と連続する[1]。臀鰭の軟条は70本以上[1]骨格の大半は軟骨で構成され、鰓条骨は7本[1]

分類

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シャチブリ目は単独でシャチブリ上目 Ateleopodomorpha を構成する[1]。シャチブリ科はかつてアカマンボウ目に含められ、ハダカイワシ目とも近い関係にあることが指摘されていた[5]。しかし、2000年代以降に実施された多くの分子系統解析は、シャチブリ類は他のすべてのNeoteleostei(新真骨類:円鱗上目=ヒメ目以降のすべての真骨類を含むグループ)の姉妹群であることを示唆している[1]

シャチブリ科

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シャチブリAteleopus japonicus)。日本の太平洋岸から東シナ海にかけて分布する[6]
ヒョウモンシャチブリ属の1種(Guentherus altivela)の液浸標本

シャチブリ科 Ateleopodidae にはNelson(2016)の体系において4属12または13種が認められているが[1]、本科の分類には不確実な部分が多く、さらなる検討が必要とされている[4]中新世中期の地層から、耳石化石が見つかっている[3]

Kaga et al. (2015) は解剖学的特徴、DNA分析などを用いAteleopus schlegelii, タナベシャチブリ A.tanabensis およびムラサキシャチブリ A. purpureus の3種はいずれもシャチブリ A. japonicusシノニムであると認めた[7]。一方で、Kaga (2016) によってシャチブリ属の新種として、シログチシャチブリ Ateleopus edentatus記載されている[8]。また Ateleopus natalensisA. japonicus のシノニムであるとKaga (2017) により認められた。

出典・脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l 『Fishes of the World Fifth Edition』 p.265
  2. ^ Ateleopodidae”. FishBase. 2016年5月1日閲覧。
  3. ^ a b c d e 『新版 魚の分類の図鑑』 pp.70-71
  4. ^ a b 『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』 pp.410-411,1845-1846
  5. ^ 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.212-213
  6. ^ 『日本の海水魚』 p.109
  7. ^ Kaga T, Van Oijen MJP, Kubo Y, Kitagawa E (2015). “Redescription of Ateleopus japonicus Bleeker 1853, a senior synonym of Ateleopus schlegelii van der Hoeven 1855, Ateleopus purpureus Tanaka 1915, and Ateleopus tanabensis Tanaka 1918 with designation of a lectotype for A. japonicus and A. schlegelii (Ateleopodiformes: Ateleopodidae)”. Zootaxa 4027 (3): 389-407. doi:10.11646/zootaxa.4027.3.4. 
  8. ^ Kaga T (2016). “A new jellynose, Ateleopus edentatus, from the western Pacific Ocean (Teleostei: Ateleopodiformes: Ateleopodidae)”. Zootaxa 4083 (4): 562-568. doi:10.11646/zootaxa.4083.4.6. 

参考文献

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外部リンク

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