単純接触効果
表示
(ザイアンスの法則から転送)
この記事は英語版の対応するページを翻訳することにより充実させることができます。(2024年5月) 翻訳前に重要な指示を読むには右にある[表示]をクリックしてください。
|
単純接触効果(たんじゅんせっしょくこうか、英: mere exposure effect)は、(閾下であっても)繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果。1968年、アメリカ合衆国の心理学者ロバート・ザイアンスが論文 Zajonc (1968) にまとめ、知られるようになった[1]。
ザイアンスの単純接触効果、ザイアンスの法則、ザイアンス効果[2]などとも呼ばれる。対人関係については熟知性の原則と呼ばれる[3]。
概要
[編集]はじめのうちは興味がなかったものも、何度も見たり聞いたりするうち、次第に良い感情が芽生えてくるという効果。たとえば、よく会う人や、何度も聞いている音楽は、好きになっていく。これは、見たり聞いたりすることで作られる潜在記憶が、印象評価に誤って帰属されるという、知覚的流暢性誤帰属説(misattribution of perceptual fluency)で説明されている。また、潜在学習や概念形成といったはたらきもかかわっているとされる。
図形や文字、衣服、味やにおいなど、いろいろなものに対して起こる。広告・宣伝の効果も、単純接触効果によるところが大きい。CMでの露出が多いほど単純接触効果が起きて、よい商品だと思ったり欲しいと思うようになる。
後の研究により、10回からは効果が低減することが分かっている[4]。また対象に興味が無い段階では好感度が高まるが、一度嫌悪感を抱くと逆効果となることも分かっている[4]。
出典
[編集]参考文献
[編集]- Zajonc, Robert B. (1968). “Attitudinal effects of mere exposure”. Journal of Personality and Social Psychology 9 (2, Pt.2): 1–27. doi:10.1037/h0025848. ISSN 1939-1315.
- 生駒, 忍 (2005). “潜在記憶現象としての単純接触効果”. 認知心理学研究 3 (1): 113–131. doi:10.5265/jcogpsy.3.113.
- 宮本聡介・太田信夫編著『単純接触効果研究の最前線』北大路書房、2008年。ISBN 9784762826016。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- こころについて語るとき我々の語ること「ただ目にするだけで」 - 京都大学 こころの未来研究センター