サリュソフォーン
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サリュソフォーン(sarrusophone)は、木管楽器の一種。金属製で、ダブルリードを用いる。
概要
[編集]ピエール=ルイ・ゴートロによって1856年に特許が取得された。この楽器の名は、フランス陸軍の軍楽隊長を務めていたピエール=オギュスト・サリュス(1813年 - 1876年)によって命名された。ゴートロは当時アドルフ・サックスとライバル関係にあったため、サクソフォーンを意識して開発した。
この楽器は、屋外でのバンドの演奏に必要なパワーを欠いていた、吹奏楽団におけるオーボエおよびファゴットを置き換えることを目指していた。そのため、ソプラニーノから3種のコントラバスまで、9種類の音域の管が作られた。しかし、現在サリュソフォーンを製造しているのはイタリアのオルジー社[1]とドイツのベネディクト・エッペルスハイム社[2]であり、実際に使用されるのはコントラバスの管がほとんどである。
フランスではオーケストラにおいてもしばしば用いられたが、現在ではコントラファゴットで演奏される。かつては逆に、フランスの地方のオーケストラなどにおいて、コントラファゴットのパートをサリュソフォーンで代用することも行われていた。
サリュソフォーンを使用する楽曲
[編集]吹奏楽
[編集]- フローラン・シュミット:『ディオニソスの祭り』
- 武満徹:『室内協奏曲~13人の奏者のための~』
管弦楽
[編集]- ジュール・マスネ:オペラ『エスクラルモンド』
- モーリス・ラヴェル:『シェエラザード』序曲、『スペイン狂詩曲』、オペラ『スペインの時計』
- ポール・デュカス:交響詩『魔法使いの弟子』
- クロード・ドビュッシー:バレエ音楽『遊戯』
- フレデリック・ディーリアス:『レクイエム』
- アッリーゴ・ボーイト:オペラ『ネローネ』
- イーゴリ・ストラヴィンスキー:『トレニ』
- フローラン・シュミット:バレエ音楽『サロメの悲劇』
参考文献
[編集]- マイケル・シーゲル/ 諸岡敏行 訳 『サキソフォン物語 悪魔の角笛からジャズの花形へ』青土社、2010年5月。 ISBN 978-4-7917-6540-9.
- ZOOM UP 「吹ける化石」サリュソフォーンを見た/p7~9
- Sarrusophones
- Sarrusophone fingering guide