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コネクシウィスパエラ・カリダ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コネクシウィスパエラ・カリダ
分類
ドメイン : 古細菌 Archaea
: "タウム古細菌門"
"Thaumarchaeota"
: コネクシウィスパエラ綱
Conexivisphaeria
: コネクシウィスパエラ目
Conexivisphaerales
: コネクシウィスパエラ科
Conexivisphaeraceae
: コネクシウィスパエラ属
Conexivisphaera
: C. カリダ
C. calida
学名
Conexivisphaera calida
kato et al. 2021[1]

コネクシウィスパエラ・カリダConexivisphaera calida)は、2019年に報告された好熱性古細菌である。16S rRNA配列より、タウム古細菌門に属すものの、綱レベルで既知の種とは異なるとされる[2]。他の多くのタウム古細菌がアンモニア酸化(亜硝酸菌)を行うのに対し、本古細菌は嫌気性で、従属栄養的に増殖することが異なっている[2]

三価のを加えた培地を用い、栃木県塩原温泉(57℃、pH2.2)より分離された[3]。この古細菌は難培養微生物であり、その生育条件は60~70℃(最適65℃[4])、pH4.5~5.5(最適pH5.0)と狭い[3]。この研究グループは以前培地に鉄を加えることで、同じ温泉からテルモトガ門の難培養微生物を記載したことがあり、培地に鉄を加え、様々な温度・pH条件を試行することで培養を可能とした[2]。その他の性質としては、0.5~0.8μmの不規則な形をした球菌で、運動性は無く、鞭毛や繊毛は観察されなかった[3]。偏性嫌気性で、炭素源及びエネルギー源として酵母エキスペプトン、最終電子受容体として三価の鉄のほか元素硫黄チオ硫酸を利用する[3]。ゲノムサイズは1,593,902bpで、推定遺伝子領域は1608ヶ所[3]。本種の硫黄還元能力は、クレン古細菌から遺伝子の水平伝播により獲得した形跡があるという[3]

脚注

[編集]
  1. ^ Shingo, Kato, et al. (2021). “Conexivisphaera calida gen. nov., sp. nov., a thermophilic sulfur- and iron-reducing archaeon, and proposal of Conexivisphaeraceae fam. nov., Conexivisphaerales ord. nov., and Conexivisphaeria class. nov. in the phylum Thaumarchaeota”. Int J Syst Evol Microbiol . 7 (1). doi:10.1099/ijsem.0.004595. 
  2. ^ a b c 難培養アーキア(古細菌)の分離培養に成功 -「微生物ダークマター」の一端を解明-”. 理化学研究所. 2019年7月6日閲覧。
  3. ^ a b c d e f Shingo, Kato, et al. (2019). “Isolation and characterization of a thermophilic sulfur- and iron-reducing thaumarchaeote from a terrestrial acidic hot spring”. ISME J.. doi:10.1038/s41396-019-0447-3. 
  4. ^ 推定では66℃