ゲイリー・ピーコック
ゲイリー・ピーコック Gary Peacock | |
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ゲイリー・ピーコック(2003年7月) | |
基本情報 | |
生誕 | 1935年5月12日 |
出身地 | アメリカ合衆国 アイダホ州バーリー |
死没 | 2020年9月4日(85歳没) |
ジャンル | ジャズ、アヴァンギャルド・ジャズ、フリー・ジャズ |
職業 | ミュージシャン、作曲家、教育者 |
担当楽器 | ダブルベース |
活動期間 | 1956年 - 2020年 |
共同作業者 | ポール・ブレイ、アルバート・アイラー、菊地雅章、キース・ジャレット、ジャック・ディジョネット、ポール・モチアン、マーク・コープランド |
ゲイリー・ピーコック (Gary Peacock、1935年5月12日 - 2020年9月4日)は、主にアメリカ合衆国で活躍していたジャズ・ベーシスト。アイダホ州バーリー生まれ。
経歴
[編集]13歳からピアノを始める。1954年から2年ほど兵役に就き、この間にベースをマスターした。
除隊後、ロサンゼルスでアート・ペッパー、ハロルド・ランド、バド・シャンク等と活動。1962年にニューヨークに出てフリー・ジャズのムーブメントに身を投じポール・ブレイ、ドン・チェリー、アルバート・アイラー、サニー・マレイらと共演した。
最初の妻はアネット・ピーコックであった。
1970年から1972年までの2年間日本の京都に滞在した。その間、禅や仏教の影響を強く受け、いまでいうマクロビオティック自然食生活を送ったといわれる。一時活動を休止したがポール・ブレイのトリオで復帰し、1970年代後半はアート・ランディとのトリオで活躍。1977年にキース・ジャレット、ジャック・ディジョネットとトリオで『Tales of another』(ECM)を録音した。
1980年代、ワシントン州シアトルのコーニッシュ・カレッジで教鞭をとっていた。
1984年からキース・ジャレット、ジャック・ディジョネットとともに、トリオ(通称:スタンダーズ・トリオ)として活動し、たびたび来日公演を行っていた。
1990年からは、菊地雅章、ポール・モチアンとともに「テザード・ムーン」 (Tethered Moon)を結成。
1993年からはニューヨーク州キャッツキルに在住。多くの時間を座禅をすることにより過ごしていたという。
同年代のジャズ・ベーシストとして、ポール・チェンバース(1935年生れ)、スコット・ラファロ(1936年生れ)、レジー・ワークマン(1937年生れ)、ロン・カーター(1937年生れ)、チャーリー・ヘイデン(1937年生れ)がいる。
2020年9月4日、ニューヨーク州アップステートにて85歳で死去[1][2]。
名言集
[編集]- 「ベースを初めて手にしたとき、両の腕は正しくベースを弾きはじめ、それ以来わたくしはベースの練習というものをしたことがない」
- 「アイラーの音楽のエネルギーはどこから来てるんですか」という近藤等則の質問に対し、ピーコックは黙って、股間を指差したという。
ディスコグラフィ
[編集]リーダー・アルバム
[編集]- 『イーストワード』 - Eastward (1970年、CBS)
- 『ヴォイセズ』 - Voices (1971年、CBS)
- 『テイルズ・オブ・アナザー』 - Tales of another (1977年、ECM)
- 『12月の詩』 - December Poems (1977年、ECM)
- 『シフト・イン・ザ・ウィンド』 - Shift in the wind (1980年、ECM)
- 『一瞬の明日』 - Voice from the Past - Paradigm (1981年、ECM)
- Guamba (1987年、ECM)
- Now This (2015年、ECM)
- Tangents (2017年、ECM)
デュオ・アルバム
[編集]- ラルフ・タウナー
- 『オラクル』 - Oracle (1994年、ECM)
- 『ア・クローサー・ヴュー』 - A Closer View (1998年、ECM) ※1995年録音
- ビル・フリゼール
- 『峠の我が家』 - Just so happens (1994年、Postcards)
- ポール・ブレイ
- Partners (1991年、Owl)
- 『マインドセット』 - Mindset (1997年)
- マーク・コープランド
- What It Says (2004年、Sketch)
- Insight (2009年、Pirouet)
- マリリン・クリスペル
- Azure (2013年、ECM)
トリオ・アルバム
[編集]キース・ジャレットのいわゆるスタンダーズ・トリオ (with キース・ジャレット、ジャック・ディジョネット)
- 『ウェイヴ』 - Wave (1987年、East Wind)
- 『ウェイブII』 - Wave II (1988年、Paddle Wheel)
- 『ウェイブIII』 - Wave III (1988年、NEC Avenue)
- 『ファースト・ミーティング』 - First Meeting (1997年、Winter & Winter)
- 『テザード・ムーン』 - Tethered Moon (1992年、King/Paddle Wheel)
- 『トライアングル』 - Triangle (1993年、King/Paddle Wheel)
- 『プレイ・クルト・ワイル』 - Tethered Moon Play Kurt Weill (1995年、JMT)
- 『プレイズ・ジミ・ヘンドリックス+』 - Plays Jimi Hendrix+(1998年、Media Rings)※1997年録音。赤坂「サントリーホール」におけるライブ。
- Chansons d’Édith Piaf (1999年、Winter & Winter)
- 『エクスピリエンシング・トスカ』 - Experiencing Tosca (2004年、Winter & Winter)
参加アルバム
[編集]フランク・アムサレム
- Out a Day (1990年、OMD)
- Ghosts (1965年、Debut)
- Prophecy (1975年、ESP-Disk)
- Spiritual Unity (1965年、ESP-Disk)
- Spirits Rejoice (1965年、ESP)
- Mr. Joy (1968年、Limelight)
- Paul Bley with Gary Peacock (1970年、ECM)
- Ballads (1971年、ECM)
- Turning Point (1975年、Improvising Artists)
- Virtuosi (1976年、Improvising Artists)
- Japan Suite (1977年、Improvising Artists)
- In the Evenings Out There (1991年、ECM)
- Annette (1993年、Hat ART)
- Not Two, Not One (1998年、ECM)
ビル・キャロザーズ
- Home Row (2008年、Pirouet)
マーク・コープランド
- My Foolish Heart (1988年、Jazz City)
- All Blues at Night (1989年、Jazz City)
- At Night (1992年、Sunnyside)
- Paradiso (1995年、Soul Note)
- Softly (1998年、Savoy)
- Modinha - New York Trio Recordings Vol. 1 (2006年、Pirouet)
- Voices - New York Trio Recordings Vol. 2 (2007年、Pirouet)
マリリン・クリスペル
- Nothing Ever Was, Anyway: Music of Annette Peacock (1997年、ECM)
- Amaryllis (2000年、ECM)
ドン・エリス
- Essence (1962年、Pacific Jazz)
- Trio 64 (1963年、Verve)
クレア・フィッシャー
- First Time Out (1962年、Pacific Jazz)
- Surging Ahead (1962年、Pacific Jazz)
- Barney Kessel's Swingin' Party (1963年、Contemporary)
- The Cry! (1962年、Contemporary)
- Driekusman Total Loss (1981年、VaraJazz) ※1964年録音
- New Beginnings (1988年、Blue Note)
- Holiday in Brazil (1958年、World Pacific)
- Latin Contrasts (1958年、World Pacific)
- Slippery When Wet (1959年、World Pacific)
- New Groove (1961年、Pacific Jazz)
- Barefoot Adventure (1961年、Pacific Jazz)
- Improvisations (1962年、World Pacific)
- Adventure Playground (1991年、ECM)
- City of Eyes (1988年、ECM)
- First Encounter (1971年、RCA Victor)
- Life Time (1964年、Blue Note)
- Spring (1966年、Blue Note)
ジミー・ウッズ
- Awakening!! (1962年、Contemporary)
- Once I Loved (1992年、Verve)
- From Ton To Tom (1998年、VideoArts Music)
- 『銀界』 - silver world (1970年)
教則ビデオ
[編集]- Acouctic Bass - musicianship and improvisational techniques
脚注
[編集]- ^ “Gary Peacock, A Jazz Bassist Always Ahead Of His Time, Dies At 85”. npr music (2020年9月7日). 2020年9月8日閲覧。
- ^ “Mann in der Mitte”. Süddeutsche Zeitung (2020年9月7日). 2020年9月8日閲覧。