ケネディ島
ケネディ島(ケネディとう、英語: Kennedy Island)は、ソロモン諸島のニュージョージア諸島にある面積1.17ヘクタールの無人島である。ソロモン諸島西部州の州都であるギゾからボートで15分の位置にある。島名は、第二次世界大戦中にアメリカ海軍に所属していたジョン・F・ケネディが後述する事件に巻き込まれた際にこの島に漂着したことに由来する。地元民から呼ばれていた元々の名称はカソロ島 [Kasolo Island] であり、プラム・プディング島 [Plum Pudding Island]という別名がある[1]。
歴史
[編集]PT-109の沈没事故
[編集]この島が有名になったのは、第二次世界大戦の太平洋戦域で活動した魚雷艇「PT-109」がこの付近で沈没し、その艇長が後のアメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディ(当時中尉)だったことによるものである。
1943年8月、PT-109が日本海軍の駆逐艦「天霧」に衝突され沈没した。この事故で2人のアメリカ人水兵が死亡した。ケネディを始めとする生存者は、泳いでこの島にたどり着いた[3]。その後ケネディは乗員の一人を近くのオラサナ島まで泳がせ[4]、PT-109の沈没の様子を見ていたコースト・ウォッチャーのアーサー・レジナルド・エヴァンズから派遣された島民のビウク・ガサとエロニ・クマナにより救助された。
この島には、エロニ・クマナによって建てられた、ケネディを祀る小さな祠が建てられている[5][6]。
近況
[編集]この島は今なお無人島であるが、観光名所となっている[7]。2003年には、ケネディの泳ぎを再現する水泳のレースが行われた[4]。2023年、ケネディの娘で駐オーストラリア大使のキャロライン・ケネディが、父を偲んで付近を遠泳した[8]。
以前は公有地であったが、2004年に当時の西部州首相クレメント・ベースの顧問だったジョセフ・ダグラスが7000ソロモン諸島ドル(950米ドル)で購入した[7][9]。売却の合法性に対して法的な異議申し立てが行われた[7][9]。2009年、ダグラスはケネディ島を、オーストラリア人のシェーン・ケネディが保有するギゾ・ホテルに売却した[10]。その1年後、兄のダン・ケネディがケネディ島の近くのムババンガ島にあるリゾートホテルを買収した[11]。
脚注
[編集]- ^ “Solomon Islands: In Kennedy's footsteps”. The New Zealand Herald (12 February 2016). 22 June 2018閲覧。
- ^ “Map of PT-109 Wreck Site (Kennedy)”. National Geographic News (2002年). 3 May 2014閲覧。
- ^ “John F. Kennedy and PT109”. John F. Kennedy Presidential Library and Museum. 6 August 2014閲覧。
- ^ a b “JFK's epic Solomons swim”. BBC. (30 July 2003) 6 August 2014閲覧。
- ^ Brown, Rob (6 August 2014). “The Solomon Islanders who saved JFK”. BBC 6 August 2014閲覧。
- ^ “John F Kennedy and Solomon Islands”. Solomon Airlines. 22 June 2018閲覧。
- ^ a b c Szetu, Robertson (10 March 2005). “Kennedy Island Sale To Be Challenged In Solomons”. Pacific Islands Report. オリジナルの11 October 2014時点におけるアーカイブ。 6 August 2014閲覧。
- ^ “ケネディ元大統領長女の駐豪大使、父従軍のソロモン近海で追悼の遠泳” (2023年8月31日). 2023年11月27日閲覧。
- ^ a b Jones, Lloyd (13 June 2005). “JFK's island back in the wars”. The Age 6 August 2014閲覧。
- ^ “Solomon Islands Island named after JFK has a new owner”. RNZ. Radio New Zealand (18 March 2009). 2023年11月27日閲覧。
- ^ “Solomons resort has new owner”. Thorn Tree forum. Lonely Planet (6 Nov 2009). 2018年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月27日閲覧。