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グンネラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グンネラ属から転送)
グンネラ
サンフランシスコ植物園で栽培のGunnera tinctoria
サンフランシスコ植物園で栽培のGunnera tinctoria
分類APG III
: 植物界
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: グンネラ目 Gunnerales
: グンネラ科 Gunneraceae
: グンネラ属 Gunnera
学名
Gunnera L. [1]

本文参照

グンネラ (Gunnera) は被子植物の属の一つで草本である。エングラーアリノトウグサ科に含めたが、クロンキストAPGでは独立のグンネラ科とする。葉柄の長さが1m以上、葉の直径が大きなものでは2m近く、草丈3mほどになるオニブキ G. manicata は「地上で最も巨大な葉を持つ植物」と称して、大阪と浜名湖で開かれた花博で日本に紹介された。

特徴

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40-50種を含む。

葉の大きさが様々で、ブラジル南部のセーハ・ド・マール山脈に自生するオニブキがおそらく最大の種で、1.5-2m幅が普通のサイズである葉は、3.4mもの長さになる肉質の葉柄につき、時には2.5mの長さになる。非常に湿潤だが濡れていない環境で、22 - 29度でよく発芽する。

それよりやや小振りの種が G. masafuerae で、チリ沖のファン・フェルナンデス諸島に生育する。葉は大きいもので幅2.9m、長さ1.5mで太さ11cmの葉柄につくという。アレハンドロ・セルカーク島英語版には G. peltata があり、直立した高さ5.5m、太さ25-30cmの茎には2mになる葉がつく。コロンビアのアンデスに見出される G. magnifica の葉芽は植物で最大のもので、長さ60cmで太さは40cmになる。多肉質の葉柄は長さ2.7mに達する。巨大な花序は小型で赤みを帯びた花をつけ、長さ2.3mで重さ13kgになる。他の巨大なGunneraの種は新熱帯ハワイに産する。

葉の長さがわずか1 - 2cmである、G. albocarpa をはじめとする小型の種がいくつかニュージーランドから知られている。また、南米のグンネラ・マゲラニカ G. magellanica が葉の幅5 - 9cmで葉柄の長さ8 - 15cmである。

オニブキ(栽培株)
Gunnera insignis(コスタリカ)

この属はノルウェーの植物学者ヨハン・エルンスト・グンネルス献名されている。

主な種

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藍藻との共生

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自生では、グンネラは窒素固定をする藍藻、種としてはほぼNostoc punctiformeのみ、と共生をしている。藍藻は葉柄基部の腺から植物内部に侵入し[5]細胞内共生を開始する。固定窒素と固定炭素の交換をしていると考えられている。この形の細胞内共生は被子植物では唯一のもので、固定窒素の不足している土壌での窒素供給に洞察をもたらすと期待される。

利用

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クラントにつかわれるグンネラの葉

チリ南部とアルゼンチンのコウモリガサソウ G. tinctoria (nalcas) の葉柄は食用となる。生食が主な利用法だが、サラダやリカー、マーマレードにも使われる。この種の葉はチリの伝統料理クラントスペイン語版を包むのに使われる。

G. perpensa は南アフリカで伝統医薬の材料となる。

観賞用としての栽培法

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イギリスの種苗店などから、オニブキを含めた3 - 4種の種子が購入できる。タネが売られている種は、いずれも耐寒性多年草で、地植えの観葉植物として栽培される。果実が液果なので、取り播きがのぞましいが、作りたい場合はなるべく2月前半までに注文し、送られてきたタネは冷蔵庫の野菜室で保管して、春分の頃に播くといい。半日陰のやや湿った埴壌土がよい。

ギャラリー

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脚注および参考文献

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  1. ^ "Plant Name Details for Gunnera L." International Plant Names Index (IPNI). International Organization for Plant Information (IOPI). 2012年7月24日閲覧
  2. ^ 林弥栄、古里和夫 監修『原色世界植物大圖鑑』北隆館、1986年、825頁。
  3. ^ a b 熱帯植物研究会 編『熱帯植物要覧』(第4版)養賢堂、1996年、371頁。ISBN 4-924395-03-X 
  4. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info (2019年3月15日).
  5. ^ Bergman, B.; Johansson, C.; Soderback, E. (1992). “The Nostoc-Gunnera symbiosis”. New Phytologist 122 (3): 379. doi:10.1111/j.1469-8137.1992.tb00067.x. 

外部リンク

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