クロタル
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クロタル、クロテイルは体鳴楽器に分類される打楽器の一種。欧米語では「鉄のカスタネット」とも呼ばれる。直径数cmの小さな一対のシンバル(フィンガーシンバル)を、曲げた針金かパンばさみのようなものの先に取り付け、片手で演奏できるようにしたものである。古代ギリシャ・ローマ時代にさかのぼる楽器である。
古代ギリシャや他の地域においては、コリュバンテス等の宗教舞踏に用いられた[2][3]。
各言語の表記
[編集]- 英:Crotal
- 米:Crotale
- 独:Metallkastagnetten
- 仏:Castagnettes de fer
- 伊:Castagnette di ferro
- 希: 古代ギリシア語: κρόταλον krotalon[4]
- ラテン語:crotalum
ギリシャ神話において、ヘーラクレースがステュムパーロスの鳥を驚かすのに、ヘーパイストスが作った青銅製のクロタラムを使用した記述がある[5][6]。
krotalonという語は、やかましい人の暗喩として使用された[7]。
誤解
[編集]モーリス・ラヴェルがアンティークシンバルのことを“クロタル”と呼んだため、アンティークシンバルをクロタルもしくはクロテイルと呼ぶことも多いが、クロタルとアンティークシンバルは別の楽器である。
エジプトの宗教楽器シストラムと、しばしば混同される。
参考資料
[編集]『打楽器事典』61頁、音楽之友社、網代景介・岡田知之著、1981年
出典
[編集]- ^ Spon's Miscellanea sec. i art. vi fig. 43
- ^ この記事には現在パブリックドメインとなった次の出版物からの記述が含まれています。Porter, Noah [in 英語], ed. (1913). "Crotalum". Webster's Dictionary (英語). Springfield, Massachusetts: C. & G. Merriam Co.
- ^ "crotalum". Oxford English Dictionary (3rd ed.). Oxford University Press. September 2005. (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。)
- ^ κρόταλον. Liddell, Henry George; Scott, Robert; A Greek–English Lexicon at the Perseus Project.
- ^ Pausan. Arcad. lib. viii
- ^ Wilkinson, John Gardner (1878). The Manners and Customs of the Ancient Egyptians. Vol 1. London: John Murray. p. 494.
- ^ この記事には現在パブリックドメインである次の出版物からのテキストが含まれている: Smith, William, ed. (1870). "Crotalum". Dictionary of Greek and Roman Antiquities (英語). London: John Murray.