ラチェット (楽器)
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(クレセルから転送)
ラチェット(英: ratchet、独: Ratsche、仏: crécelle、伊: raganella、イディッシュ語: גראַגער)は、体鳴楽器のひとつ。ラットルに分類される。打楽器奏者が演奏する。
歯車と、薄い木片などの舌から成る。舌の一方を固定し、他方に歯車を合わせる。歯車が回転すると、歯車の歯が舌をはじき(ラチェット機構)、これによって音がでる。これが継続するため、大きながらがらとした音がする。
全体を手などで保持して、歯車をハンドルで回して音を出すもの(ハンドル式)と、ハンドルをつかんで全体を振り回して音を出すもの(振り回し式)がある。
ユダヤ教のプーリームの祭りでよく使われる楽器であり、この祭りでエステル記を読む時に、ハマンの名前を言いながら、この楽器を鳴らして発声をかき消す慣習がある[1]。
日本の民芸にも良く似た楽器が見られ、歌舞伎の下座音楽にも用いられている。
使用例
[編集]- アンゲラー:おもちゃの交響曲
- カール・オルフ:カルミナ・ブラーナ
- ベートーヴェン:ウェリントンの勝利 - マスケット銃の代用で使う。
- チャイコフスキー:バレエ『くるみ割り人形』 - 人形が夜中に動き出す場面で使用。
- R・シュトラウス:交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』
- レスピーギ:交響詩『ローマの松』『ローマの祭』
- ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ『おしゃべりなかわいい口』
脚注
[編集]- ^ Kaplan, Author Sybil. “Why groggers on Purim?” (英語). 2022年4月30日閲覧。