ミルクチョコレート
ミルクチョコレート (milk chocolate) は粉乳を使用したチョコレート。原料メーカーによってはショコラ・オ・レと呼称する場合もある[1]。
概要
[編集]ミルクチョコレートはチョコレートのうち乳製品を混ぜ入れたものを言う。乳製品とは脱脂粉乳、全脂粉乳、クリーム粉乳などを指すが、クリーム粉乳を使用している場合はクリームチョコレートと呼称する場合もある。ビターチョコレートと比べて濃厚な甘みとクリーミーさがあり、舌触りが滑らかな特徴を持つ。
現代においてチョコレートの材料や配合は、国際規格(コーデックス規格)や国内規格でその定義が決められている場合が多く、日本では日本チョコレート・ココア協会によって1971年(昭和46年)に設定された「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」によって定義付けがなされている[2]。ミルクチョコレートはその中で「チョコレートのうちチョコレート生地の乳固形分が14%以上のもの」として定められている。
歴史
[編集]現在ミルクチョコレートと呼ばれる食べ物の歴史は19世紀のスイスにさかのぼる事ができる。それ以前もミルクチョコレートと呼ばれるものは存在したが、チョコレート・ドリンクに牛乳を加えたものを指すのが一般的であった[3]。
フィリップ・スシャールがカカオと砂糖を混ぜる攪拌器を発明したのをきっかけとして1847年、イギリスでそれまで飲み物だったチョコレートを食べ物へと変化する技術革命が起こった[3]。
その後、当時薬剤師であったアンリ・ネスレが粉乳を開発したのを受けて、1876年にスイスのショコラティエであるダニエル・ペーターによって初めて固形のミルクチョコレートとして売り出された[4][5]。ペーターによるミルクチョコレートの発明は、ロドルフ・リンツのコンチング法やコンラート・ヴァン・ホーテンのココアパウダーの発明、ジョセフ・フライによる食べるチョコレートの発明などとともに「チョコレートの4大技術革命」のひとつにしばしば挙げられる[6][7]。
日本では1918年(大正7年)に森永製菓が発売したものが初となっている[8]。
脚注
[編集]- ^ 小椋 2010, p. 91.
- ^ 日本チョコレート・ココア協会 - チョコレート類の表示に関する公正競争規約
- ^ a b 小椋 2010, p. 74.
- ^ 小椋 2010, p. 59.
- ^ リンツ・チョコレート - チョコレートの歴史
- ^ ROYCE' - チョコレートの歴史
- ^ 日本チョコレート・ココア協会 - チョコレートの4大革命
- ^ MORINAGA - 会社案内
参考文献
[編集]- 小椋三嘉『ショコラが大好き!』新潮社、2004年。ISBN 4-10-465601-1。
- 小椋三嘉『高級ショコラのすべて』PHP研究所〈PHP新書〉、2010年。ISBN 978-4-569-77724-5。
- モート・ローゼンブラム 著、小梨直 訳『チョコレート - 甘美な宝石の光と影』河出書房新社、2009年。ISBN 978-4-309-22499-2。