キューバンサンドイッチ
キューバンサンドイッチ | |
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別名 | キューバサンドイッチ、キューバンミックス、キューバンプレストサンドイッチ、クバーノ、ミクスト |
種類 | サンドイッチ |
発祥地 |
キューバ アメリカ合衆国フロリダ |
主な材料 | キューバンブレッド、ハム、ローストポーク、スイスチーズ、ピクルス、マスタード、サラミ |
派生料理 |
タンパ(サラミ入り) 南フロリダ(サラミなし) |
キューバンサンドイッチ(英語: Cuban sandwich、スペイン語: Sándwich cubano)は、ハムとチーズのサンドイッチの一種で、元々はフロリダに昔から存在している2つの移民のコミュニティーであるキーウェストとタンパのイーボーシティでキューバ人労働者に提供されていたものである[1][2][3]。その後、キューバ人亡命者や国外移住者たちがマイアミに持ちこみ、そこではキューバンサンドイッチは今もなお人気がある[3]。
キューバンサンドイッチはキューバンブレッドにハム、ローストポーク、スイスのチーズ、ピクルス、マスタードそして時にはサラミで作られる[2]。
2012年、「歴史的なタンパ・キューバンサンドイッチ」は、タンパの市議会によって「タンパ市の象徴」として指定された[4]。
歴史
[編集]キューバンブレッドと同様に、キューバンサンドイッチ(時には「キューバミックス」や「ミクスト」や「キューバ・プレスト・サンドイッチ」や「クバーノ」と呼ばれる)の起源は曖昧である[5][6]。1800年代後半から1900年代初期には、フロリダ、特にキーウェストやタンパからキューバの間の移動は容易であり、雇用、娯楽、家族の訪問の為に船で行き来していた。大量の人々及び文化、思想が絶え間なく流動していた為、このサンドイッチがいつ、どこで生まれたのかをはっきりと言う事は不可能である[7]。
1860年代からこのサンドイッチは、キューバ(特にハバナやサンティアーゴ・デ・クーバなどの大都市)の葉巻工場や砂糖工場と、そしてキーウェストの葉巻工場の両方において労働者たちの日常的な昼食であったとみられている[1]。歴史家ロイ・グレン・ウエストフォールは「キューバで生まれ、キーウエストで学んだサンドイッチである」と述べた[1]。
フロリダの葉巻産業は1880年代にタンパに移り、サンドイッチはすぐにイーボーシティで広まり、後にはウェストタンパの労働者たちのカフェに登場した。他の歴史家たちは、今あるサンドイッチがはじめて登場したのはそこであると分析している[8][9][10][11]。歴史家アンドリュー・ヒューズは 「旧来の“ミクスト”(ミックスの意)がここにおいて今日愛されるタンパ独自のキューバンサンドイッチへと結実した」と述べた[7]。
キューバでフィデル・カストロが1959年に権力を握った後、多くのキューバ系住民が流入したので、1960年代までにキューバンサンドイッチはマイアミのカフェテリアやレストランのメニューでも普通に見られるようになった[12]。共産主義革命はキューバ人在住者たちの他の地への移住の波を引き起こし、その上彼らは彼らの文化や料理をもたらした。キューバンサンドイッチとその派生料理は現在、とりわけニューヨーク、ニュージャージー、シカゴ、プエルトリコのような場所のさまざまなキューバ人国外在住者のコミュニティーで提供されている。
材料
[編集]「本当の」キューバンサンドイッチについての議論がなされたが、だいたいにおいて合意がとれている。伝統的なキューバンサンドイッチを作るには、まずキューバブレッドを準備する。それを8〜12インチ(20〜30センチ)の長さに切り、表面に軽くバターかオリーブオイルを塗り、水平方向に半分に切る。イエローマスタードをパンの上に広げる。そしてスライスしたローストポーク、グレーズドハム、スイスチーズ、そして薄く切ったディル・ピクルスが加えられる。時にポークはモホでマリネされたり、ゆっくりローストされたりする。
サンドイッチのレシピについて、主とした地域による相違点はサラミを含めるか否かである。おそらくイーボーシティでキューバ人とスペイン人に密接して生活していたイタリア人移民の影響が原因で、タンパではジェノアサラミが、伝統的に他の肉とともに重ねられる[2][8][13][14]。南フロリダでは、サラミは省かれる[15]。マヨネーズ、レタス、そしてトマトといったオプションが普段フロリダのメニューにはあるが、伝統主義者からは好まれていない[5][13][14][15][16]。
『メーソン・シティー・グローブ・ガゼット』の1934年10月18日の記事でライターのジャネット・バイヤーはタンパのキューバサンドは「とてもカリカリしてパリパリした」キューバブレッドとともにあると述べた。さらに記事に沿っていくと、サンドイッチの材料はハム、脂の少ないポーク、スイスチーズ、ソフトサラミ、ディル・ピクルス、そして「マスタードの湿潤」と列挙されている。これらの材料は27年後のThe Gasparilla Cookbook(1961)で繰り返し言われている。
材料が組み合わされると、サンドイッチはパニーニプレスに似ているが表面に溝のないプランチャと呼ばれるサンドイッチプレスでトーストされる[5]。プランチャはパンの表面がわずかにカリカリして、チーズが溶けるまで、サンドイッチを押し付けて熱する[14]。普通、提供する前に斜めに二等分に切る。
関連する料理
[編集]メディアノーチェサンドイッチ(「真夜中」を意味する)は非常によく似たサンドイッチである。名前が示唆するように、このサンドイッチは夜更けの食べものとして人気がある。メディアノーチェはキューバンサンドイッチと同じ食材をはさむが、もっと小さく、キューバンブレッドではなく黄色い卵パン(キューバンサンドイッチのパンより甘いハッラーに似たパン)を使う[17][18][19]。
メディア
[編集]2014年の映画『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』はキューバンサンドイッチの屋台を主題とした映画である。
脚注
[編集]- ^ a b c "Sink teeth into quest for best Cuban sandwich" - The Miami Herald, 15 August 2010
- ^ a b c Three Guys From Miami (n.d.). “Sandwich Cubano / Cuban Sandwich”. iCuban website. 2016年5月24日閲覧。
- ^ a b Linda Stradley (2004年). “History of Cuban Sandwich, Cubano Sandwich”. What's Cooking America website. 2016年5月24日閲覧。
- ^ Tampa names Ybor City-style Cuban as the city's signature sandwich - Tampa Bay Times
- ^ a b c Cuban Sandwich Wars Inflame Passions In Tampa And Miami | Florida Vacation, Tourism, Travel & Entertainment Information - VISITFLORIDA.com
- ^ Tampa claims the Cuban sandwich as its own, but Miami begs to differ - Tampa Bay Times
- ^ a b Andy Huse (2006年1月1日). “Welcome To Cuban Sandwich City”. Cigar City Magazine. 2016年6月5日閲覧。
- ^ a b Otto, Steve (24 October 2007). “Cuban Is Ours, Any Way You Try To Slice It”. The Tampa Tribune. 7 May 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月24日閲覧。
- ^ “Cuban Bread: A History”. Bread-Maker website. 2016年5月24日閲覧。
- ^ Sara Kennedy (14 August 2002). “Viva El Cubano”. Creative Loafing Tampa. 2016年5月24日閲覧。
- ^ "Tampa history is traced in its sandwich" - The Tampa Tribune
- ^ Enrique Fernandez (9 August 2007). “Our search for a good Cuban sandwich takes a surprising turn”. The Miami Herald. 2016年5月24日閲覧。
- ^ a b Thomas C. Tobin (18 January 2003). “To each, his own sandwich”. St. Petersburg Times. 2016年5月24日閲覧。
- ^ a b c Houck, Jeff (6 Sep 2009). “Rebuilding the perfect Cuban”. The Tampa Tribune. 2016年5月24日閲覧。
- ^ a b Stern, Jane and Michael (2009). 500 Things to Eat before It's Too Late and the Very Best Places to Eat Them. Boston: Houghton Mifflin Harcourt. ISBN 978-0-547-05907-5
- ^ Adam Rugg (11 August 2006). “Tampa Cuban Quest: La Teresita”. Eat Foo. 2016年5月24日閲覧。
- ^ Raquel Rábade Roque, The Cuban Kitchen(Alfred A. Knopf, 2011), p. 80.
- ^ Glenn M. Lindgren, Raúl Musibay & Jorge G. Castillo, Three Guys from Miami Cook Cuban(Gibbs Smith, 2004), p. 390.
- ^ Becky Mercuri, American Sandwich: Great Eats From All 50 States(Gibbs Smith, 2004), p. 31.
参考文献
[編集]- Espinosa, Jack. Cuban Bread Crumbs. Xlibris Corporation. 2008. ISBN 978-1-4257-9678-5.
- Lastra, Frank, Ybor City : The Making of a Landmark Town. University of Tampa Press. 2006. ISBN 978-1-59732-002-3.