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カルトリンクス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カルトリンカスから転送)
カルトリンクス
生息年代: 前期三畳紀, Spathian,
248.41 Ma
三畳紀前期
復元
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : ?広弓亜綱 Euryapsida
?双弓亜綱 Diapsida
階級なし : ナソロストラNasorostra
: カルトリンクスCartorhynchus
学名
Cartorhynchus
Motani et al, 2014
  • C. lenticarpus

カルトリンクス[1][2]学名:Cartorhynchus)またはカートリンカス[3]は魚竜類の祖先に近い初期の海洋爬虫類。

名称

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属名はギリシア語のκαρτός(kartos)とῥύγχος(rhynchos)、種小名はラテン語のlentusとcarpusの合成語で[4]「短い吻と柔軟な手首」を意味する[1]

形態

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人間の手との大きさの比較

保存された標本の大きさは約21.4cm。藻谷らは近縁種と同程度の長さの尾を持っていたと仮定し、全長40cm、体重2kgと推定した[4] [5] 。 2021年、サンダーらは藻谷らの推定よりはるかに軽く237gと見積もった[6]

歯は三列で、上顎骨にはそれぞれ7、5、(おそらく)1本の歯を持ち、歯骨にはそれぞれ10、7、4本の歯を持っていた[7]

生態

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ウミガメのような鰭脚を持っていたため、陸上での活動も可能であった[1]。短い胴体、短い吻、バラストの役割を果たす太い肋骨を持っているため水陸両生の生活を送っていたと考えられる[4]

食性

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記載時、藻谷らは狭い吻に圧力を集中させることで捕食する吸引捕食者と推測した。舌骨およびその周囲の堅牢性、歯がないと(誤って)考えられていたことに由来する[4]。歯の発見後の2020年、Huangらはカルトリンクスが殻を持った動物を捕食した可能性を指摘し、同時にこれがかつての吸引捕食説とも矛盾しないことを示した[8]

脚注

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  1. ^ a b c 深海の美しき怪物「魚竜」 | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio”. www.natureasia.com. 2023年2月17日閲覧。
  2. ^ 『学研の図鑑LIVE(ライブ) 恐竜 新版』学研、2022年6月23日、209頁。ISBN 978-4-05-205184-5 
  3. ^ 安田峰俊 (2021年3月8日). “果たして魚竜の起源は?…どんどん見つかる怪しい水生爬虫類化石”. ブルーバックス. 講談社. 2023年2月18日閲覧。
  4. ^ a b c d Motani, R.; Jiang, D.-Y.; Chen, G.-B.; Tintori, A.; Rieppel, O.; Ji, C.; Huang, J.-D. (2014). “A basal ichthyosauriform with a short snout from the Lower Triassic of China”. Nature 517 (7535): 485–488. Bibcode2015Natur.517..485M. doi:10.1038/nature13866. PMID 25383536. 
  5. ^ Perkins, Sid (2014年). “How the ichthyosaur got its fins”. Science. May 8, 2020閲覧。
  6. ^ Sander, P.M.; Griebeler, E.M.; Klein, N.; Juarbe, J.V.; Wintrich, T.; Revell, L.J.; Schmitz, L. (2021). “Early giant reveals faster evolution of large body size in ichthyosaurs than in cetaceans”. Science 374 (6575): eabf5787. doi:10.1126/science.abf5787. PMID 34941418. 
  7. ^ Zhou, M.; Jiang, D.-Y.; Motani, R.; Tintori, A.; Ji, C.; Sun, Z.-Y.; Ni, P.-G.; Lu, H. (2017). “The cranial osteology revealed by three-dimensionally preserved skulls of the Early Triassic ichthyosauriform Chaohusaurus chaoxianensis (Reptilia: Ichthyosauromorpha) from Anhui, China”. Journal of Vertebrate Paleontology 37 (4): e1343831. doi:10.1080/02724634.2017.1343831. 
  8. ^ Huang, J.-D.; Motani, R.; Jiang, D.-Y.; Ren, X.-X.; Tintori, A.; Rieppel, O.; Zhou, M.; Hu, Y.-C. et al. (2020). “Repeated evolution of durophagy during ichthyosaur radiation after mass extinction indicated by hidden dentition”. Scientific Reports 10 (1): 7798. Bibcode2020NatSR..10.7798H. doi:10.1038/s41598-020-64854-z. PMC 7210957. PMID 32385319. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7210957/.