オレンジ・ブロッサム
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オレンジ・ブロッサム | |
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基本情報 | |
作成技法 | シェイク/ビルド |
色 | 黄色 |
グラス | カクテル・グラス |
レシピの一例 | |
ベース | ジン |
材料 |
ジン …… 適量 |
オレンジジュース …… 適量 |
オレンジ・ブロッサム(英: Orange Blossom、英: Orange Blossom Cocktail[1])は、ジンとオレンジジュースを使ったカクテル。ジン・オレンジとも呼ばれる[2]。
概要
[編集]「オレンジ・ブロッサム」は「オレンジの花」の意[3][4][5]。オレンジの花の花言葉には「純粋」「花嫁の喜び」といったものがあり、オレンジが花と実を同時につけることから「愛」「豊穣」のシンボルともされるため、結婚式の披露宴でアペリティフとしてオレンジ・ブロッサムが飲まれることも多い[5]。
いわゆるアメリカ合衆国における禁酒法時代に誕生し、当時密造されていた粗悪なジンの不快な臭いをごまかしたり、消したりするのにオレンジジュースを混ぜたことが始まりとされている[3][4][6]。由来としては前述の説明が一般的であるが、禁酒法以前にもオレンジ・ブロッサムのレシピが存在した[7]。たとえば1906年発刊の"Louis' Mixed Drinks"や1914年の"Beverages de Luxe"は、ジンとオレンジジュース、それにベルモットを使ったレシピ(前者はスイート・ベルモットのみ、後者はスイート、ドライの両方)である[8][9]。
レシピの例
[編集]- 材料
- 作り方
禁酒法時代以前のレシピの一例を以下に記す。
- 材料
-
- ドライ・ジン - カクテルグラスの半量
- スイート・ベルモット - カクテルグラスの半量
- オレンジジュース - ティースプーン1杯
- 作り方
バリエーション
[編集]- フローズン・オレンジ・ブロッサム[12]
- クラッシュアイスと共にミキサーにかけてフローズンカクテルにする。
- ハワイアン[6]
- オレンジキュラソーを加えて、シェイクで作る。
- ブロンクス[13]
- ドライ・ベルモット、スイート・ベルモットを加える。
- ミモザ[14]
- ジンをシャンパンにかえる。
- スクリュー・ドライバー[14]
- ジンをウォッカにかえる。
- デザートヒーラー(Desert Healer)[14]
- チェリーブランデーを加えてビルドで作り、ジンジャーエールでグラスを満たす。
メディアでの登場
[編集]- 『長いお別れ』 - レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説。登場人物の1人、ハワード・スペンサーはジン&オレンジを「馬鹿らしい飲み物」としながらも眼がないとフィリップ・マーロウと会うときに注文する。
出典
[編集]- ^ a b (英語) The Savoy Cocktail Book. Dover Publications. (2018). p. 117. ISBN 9780486828411
- ^ a b c “オレンジ・ブロッサム レシピ”. サントリー. 2022年10月21日閲覧。
- ^ a b c 『カクテル完全ガイドうまいつくり方の方程式』(改訂版)池田書店、2021年、61頁。ISBN 978-4262130705。
- ^ a b c THE PLACE『カクテル事典』学研パブリッシング、2014年、71頁。ISBN 978-4058003206。
- ^ a b c 『カクテルの図鑑』マイナビ出版、2013年、33頁。ISBN 9784839946234。
- ^ a b c 渡辺一也『カクテル完全バイブル』ナツメ社、2012年、86頁。ISBN 978-4816353116。
- ^ Greene, Philip (2018). A drinkable feast : a cocktail companion to 1920's Paris. New York, New York. p. pp.149-150. ISBN 978-0-14-313301-8. OCLC 1032288829
- ^ a b “1906 Louis' Mixed Drinks with Hints for the Care & Serving of Wines by Louis Muckensturm”. EUVS Vintage Cocktail Books – Library. 2022年11月6日閲覧。
- ^ “Beverages de luxe : Washburne, George R. [from old catalog : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive]”. Internet Archive (2022年1月14日). 2022年11月6日閲覧。
- ^ a b 福西英三『カクテル入門』保育社、1982年、30-31頁。ISBN 978-4586505630。
- ^ 「BARのオトナなフルーツづかい」『Dancyu』2020年10月号、プレジデント社、2020年、65頁。
- ^ 福西英三『カクテル入門』保育社、1982年、47頁。ISBN 978-4586505630。
- ^ “Orange Blossom” (英語). Liquor.com (2020年9月18日). 2022年10月21日閲覧。
- ^ a b c 渡辺恵司 (2021年9月13日). “オレンジブロッサムの作り方!結婚式に好まれる理由などトリビアも!”. オリーブオイルをひとまわし. 2022年10月21日閲覧。