オルバーン・ジェルジュ
オルバーン・ジェルジュ | |
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基本情報 | |
生誕 |
1947年7月12日 ルーマニア マロシュヴァーシャールヘイ |
学歴 | コロジュヴァール音楽学校 |
ジャンル | クラシック音楽 |
職業 | 作曲家 |
オルバーン・ジェルジュ(ハンガリー語: Orbán György([ˈorbɑ̈ːn ˌɟørɟ])、1947年7月12日 - )は、ルーマニア出身でハンガリー在住のセーケイ人作曲家である。母語はハンガリー語。
経歴
[編集]1947年、パリ条約でルーマニア領となったトランシルヴァニアのセーケイ地方のマロシュヴァーシャールヘイ市に生まれた。トランシルヴァニアのハンガリー人の中心都市コロジュヴァール音楽学校(現在のゲオルゲ・ディマ音楽アカデミー)で、作曲をシギスムンド・トドゥツァ (Sigismund Toduţă)、エイシコヴィチ・ミハーイ(Eisikovits Mihály)、ヤガマシュ・ヤーノシュ(Jagamas János)の各師に師事。1973年の卒業後、同校にて音楽理論を教えた。
1979年にハンガリーへ移住。ブダペストのリスト音楽院で、作曲と音楽理論の指導にあたった。
合唱における国際的デビューは、1996年に行われた第4回世界合唱シンポジウムで、新しく発表した“Octavo”や更に広範囲なその他の作品がジョン・ラター(John Rutter)によって紹介されたことから、国際的な評価を受けた。近年、日本のみならず、世界各国の合唱界においても、その作品は広く知られるようになり、親しまれている。
日本においては、作曲家・合唱指揮者の松下耕がオルバーンの合唱作品を演奏、録音、楽譜の校訂、委嘱などをし紹介したことが、その人気の要因ひとつと言える。"ミサ第9番"、"ミサ第11番"、"Mettimi"は松下耕とその合唱団のために書かれた曲である。
家族・親族
[編集]最初の妻はセーケイ人民俗学者のシャラモン・アニコー (Salamon Anikó)。現在の妻は経済学者のオルバーンネー=ナジ・マーリア (Orbánné Nagy Mária) 。
親交
[編集]- コロジュヴァール出身のハンガリー人作曲家シェルメツィ・ジェルジュ (Selmeczi György)
- ハンガリー語で執筆するルーマニア人詩人・作家・映像作家でコロジュヴァール国立トランシルヴァニア交響楽団 (Orchestra Filarmonicii de Stat „Transilvania” din Cluj-Napoca / Kolozsvári Állami „Transilvania” Filharmónia Szimfonikus zenekara / “Transylvania” State Philharmonic Orchestra) の理事長でもあるマリウス・タバク (Marius Tabacu) らと親交がある。
作曲作品とその作風
[編集]中世・バロックの流れを汲んだ曲から、ジャズ風のリズムやミニマル的要素を含む曲まで作風は幅広い。作風は調性、旋法に立脚した作品が多く、前衛音楽的な手法は用いない。 合唱作品においての一番の特徴は、単語、或いは短い文をミニマル風に執拗に繰り返す手法にあり、演奏頻度の高い"Daemon Irrepit Callidus"や"Pange lingua"、"Lauda Sion"などはその代表例である。合唱作品はラテン語の宗教曲と、ハンガリー語のテキストによるものがほとんどである。
作曲作品
[編集]- 合唱曲
- Audi Voces (われらの声を聴き給え)-女声-
- Mundi Renovatio (世界の更新)-混声/女声/男声-
- Ludvércz (鬼火)-女声-
- Daemon Irrepit Callidus (忍びよる悪魔)-混声/女声/男声-
- Lauda Sion (シオンよ、救い主をたたえよ)-女声-
- Nobis Natus (我らのために生まれし)-女声-
- Caeli cives -女声-
- Dei Matris -女声-
- Ave Verum (めでたし、まことのお体)-混声-
- Ave Maria in D -混声-
- Ave Maria in A -混声-
- Ave Maria -女声、ピアノ-
- Ave Regina(幸いあれ、天の女王よ)-混声-
- Noli Flere (泣かないで)-女声-
- Pange lingua (舌よ、歌え)-女声/混声-
- O Gloriosa (おお、栄光の)-女声-
- Pater Noster(天にましますわれらの父よ)-混声-
- De vitae vanitate -混声/女声-
- Juxta crucem (十字架にかけられ)-女声-
- Stabat Mater(1987)(悲しみの聖母)-混声-
- Stabat Mater in F (悲しみの聖母)-混声-
- Salve Regina (めでたし、女王よ)-混声-
- Veni Creator Spiritus(来れ,創造主たる聖霊よ)-混声-
- Cor Mundum -Psalms 50,11 -混声-
- Te lucis ante terminum(一日が終わる前、汝に) -混声-
- Timor et tremor (怯えと恐怖)-混声-
- Nunc dimittis(今や、主よ) -混声-
- Sicut cervus desiderat (泉を求める鹿のごとく)-女声-
- Horae-Mater innocentiae (時間-けがれなき母)-女声-
- Kóruskönyv S.A. Emlékére(S.A.[1]追悼合唱曲集) -混声-
- Második Kóruskönyv I Vegyeskarra(混声合唱のための第二作品集I)-混声-
- Medaliak Konyve(ブック・オブ・ロケット)-混声-
- O Pan -混声-
- Farewell -混声、ピアノ-
- Dramolett -混声-
- Orpheus With His Lute -混声-
- O, Mistress Mine!(おお、私の恋人よ) -混声-
- Come Away -混声-
- Ad nocturnum(夜の歌に)-混声-
- Gágogó(ガアガアガア)-女声-
- Hajnalban(夜明に)-女声-
- Fülemüle, fülemüle...(小夜啼鳥)-女声-
- Mettimi(あなたの心に私を刻みつけてください)-混声-
- Agnus Dei (神の子羊)-混声、オルガン-
- Mass No.1 in C(ミサ 第1番)-混声、(ピアノ)-
- Mass No.2(ミサ第2番)-混声-
- Missa Quinta(ミサ 第5番)-混声、クラリネット、コントラバス-
- Missa Sexta(ミサ 第6番)-女声、ピアノ-
- Missa Nona(ミサ 第9番)-女声、ピアノ-
- MIssa Nr.11(ミサ第11番)-混声、Sop.solo、弦楽オーケストラ-/混声、Sop.solo、フルート、オルガン-
- 器楽曲
- Wind Quintet -木管アンサンブル-
脚注
[編集]- ^ 亡くなった元妻の Salamon Anikó(シャラモン・アニコー)を指す。