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ウォルター・アイザックソン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウォルター・アイザックソン
Walter Isaacson
アイザックソン(2012年、ニューヨークにて)
アメリカ合衆国放送管理委員会英語版委員長
任期
2010年7月2日 – 2012年1月27日
前任者ジェイムズ・グラスマン
後任者ジェフ・シェル
個人情報
生誕 (1952-05-20) 1952年5月20日(72歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ルイジアナ州ニューオーリンズ
配偶者Cathy Wright Isaacson[1]
子供Betsy Isaacson
Irwin Isaacson
Betty Isaacson
住居アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ルイジアナ州ニューオーリンズ
出身校ハーバード大学
オックスフォード大学ペンブルック・カレッジ英語版
職業アナリスト、伝記作家、ジャーナリスト、大学教授
受賞ベンジャミン・フランクリン・メダル (ロイヤル・ソサエティ・オブ・アーツ) (2013)

ウォルター・アイザックソン(Walter Isaacson、1952年5月20日 - )[2]は、アメリカ合衆国ジャーナリスト伝記作家、大学教授である。ワシントンD.C.に本拠を置く超党派の政策研究機関であるアスペン研究所英語版の所長兼CEO、CNNの会長兼CEO、『タイム』誌の編集長などを歴任している。

主な著書に『レオナルド・ダ・ヴィンチ』(2017年)、『スティーブ・ジョブズ』(2011年)、『アインシュタイン その生涯と宇宙』(2007年)、などがある。

アイザックソンは、テュレーン大学の教授であり、ニューヨークの金融サービス会社であるペレラ・ワインバーグ・パートナーズ英語版の顧問パートナーでもある[3]ハリケーン・カトリーナからの再建を監督したルイジアナ復興局英語版の副局長、ボイス・オブ・アメリカを運営する政府委員会の議長、国防革新委員会委員なども務めた。

若年期と教育

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アイザックソンは、ルイジアナ州ニューオーリンズで生まれた[4][5]

ハーバード大学で歴史と文学を専攻し、1974年に卒業した。その後、ローズ奨学制度によりオックスフォード大学ペンブルック・カレッジ英語版に留学し、哲学・政治学・経済学(PPE)を学び、First Class Honoursで卒業した[1][2]

キャリア

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メディア

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アイザックソンは、ロンドンの『サンデー・タイムズ』紙でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせた。その後、『ニューオリンズ・タイムズ=ピカユーン』紙に勤務した。1978年に『タイム』誌の編集部員となり、同誌の政治特派員、ナショナル・エディター、ニューメディア・エディターを経て、1996年に同誌の第14代編集長に就任した[6][7]

アイザックソンは2001年7月にトム・ジョンソン英語版の後任としてCNNの会長兼CEOに就任した。そのわずか2か月後にアメリカ同時多発テロ事件が発生し、CNNの事件報道を先導することとなった[8][9]。アイザックソンは、CNNに就任して間もなく、CNNが共和党員や保守派に不公平な内容を放送しているという批判について、アメリカ議会の共和党指導者たちの意見を求めたことで注目を集めた。『ロール・コール英語版』誌によれば、アイザックソンは、「私は、CNNの共和党員への取材がオープンではないと感じている多くの共和党員に接触しようとしていたし、彼らの懸念を聞きたかった」と述べた。このCEOの行動は、Fairness & Accuracy In Reporting(FAIR)という団体から、アイザックソンの「迎合的」行動が保守派政治家にCNNに対する権力を与えている、と批判された[10][11]

2003年1月、アイザックソンは、CNNの社長を退任してアスペン研究所英語版の所長に就任することを発表した[9]

2018年、テュレーン大学の歴史学教授とニューヨークの金融サービス会社・ペレラ・ワインバーグ・パートナーズ英語版の顧問パートナーになるために、アスペン研究所の所長兼CEOを退任することを発表した[3]

2017年3月、アイザックソンはデル・テクノロジーズと共同で、テクノロジーがビジネスに与える影響をテーマにしたポッドキャスト"Trailblazers"を開始した[12]。2018年、アイザックソンは、『チャーリー・ローズ・ショー英語版』に代わるPBSとCNNの新番組、『アマンプール・アンド・カンパニー英語版』(Amanpour & Company)の共同司会者に指名された[13]

著述業

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著書に、『アメリカン・スケッチ』(2009年)、『アインシュタイン その生涯と宇宙』(2007年)、『ベンジャミン・フランクリン英語版』(Benjamin Franklin: An American Life、2003年)、『キッシンジャー英語版』(Kissinger: A Biography、1992年)などがある。また、エヴァン・トーマス英語版との共著に『ザ・ワイズ・メン』(The Wise Men、1986年)がある[1][14]

スティーブ・ジョブズの死の直後の2011年10月24日、アイザックソンはApple社から公認されたジョブズの伝記『スティーブ・ジョブズ』を出版した。同書は世界的なベストセラーとなり、伝記本の販売記録を塗り替えた。この本は、ジョブズが亡くなる直前までの2年間に行われた40回以上のインタビューと、起業家の友人や家族、ビジネス上のライバルとの会話に基づくものである[15][16][17][18][19]。2015年に、この本を原案とした映画『スティーブ・ジョブズ』が公開された。

2014年10月、アイザックソンは『イノベーターズ英語版』(The Innovators: How a Group of Inventors, Hackers, Geniuses, and Geeks Created the Digital Revolution)を出版した。この本は、デジタル革命における顕著で重要な技術革新、特にコンピュータインターネットの並行した発展の歴史を取り上げたものである。この本は、『ニューヨーク・タイムズ』紙のベストセラーとなった[20]。ジャネット・マスリンは、『ニューヨーク・タイムズ』紙に掲載された書評において、アイザックソンは、この本に書かれた空想家やオタクたちと同族の精神を持っていると評した[21]

アイザックソンによるレオナルド・ダ・ヴィンチの伝記『レオナルド・ダ・ヴィンチ』が2017年10月17日に出版され、批評家から好意的な評価を得た[22][23]。2017年8月、パラマウント・ピクチャーズは、アイザックソンのダ・ヴィンチの伝記を映画化する権利をめぐって、ユニバーサル・ピクチャーズとの入札競争に勝利した。同社は、レオナルド・ディカプリオのアッピアン・ウェイ・プロダクションズとの契約に基づいて権利を購入し、ディカプリオを主役にした映画を製作する予定であると発表した[24]。『アビエイター』『グラディエーター』などの脚本家ジョン・ローガンが脚本を担当することになった[25]

公職

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2008年に行われた国務省のブリーフィングでのアイザックソン

2005年10月、ルイジアナ州知事キャスリーン・ブランコ英語版は、ハリケーン・カトリーナからの復興のための支出を監督するルイジアナ復興局英語版の副局長にアイザックソンを任命した。2007年12月には、ジョージ・W・ブッシュ大統領から、パレスチナ自治区における経済・教育機会の創出を目的とした「アメリカ・パレスチナ・パートナーシップ」の議長に任命された[26]。また、ヒラリー・クリントン国務長官からは、イスラム圏への民間投資やパートナーシップを促進するパートナーズ・フォー・ニュー・ビギニング英語版の副議長に任命された[27]

また、枯葉剤に関する米越対話英語版の共同議長を務め、2008年1月には、アメリカがダナンの空軍基地に残したダイオキシンを封じ込めるプロジェクトの完了と、被災地での保健所やダイオキシン研究所の建設計画を発表した[28]。2008年、アメリカ国立衛生研究所の諮問委員に任命された。2009年、バラク・オバマ大統領より、ボイス・オブ・アメリカラジオ・フリー・ヨーロッパなどのアメリカ政府の国際放送を運営するアメリカ合衆国放送管理委員会英語版の議長に任命され、2012年1月まで務めた[29]

2014年、ミッチ・ランドリュー英語版・ニューオリーンズ市長より、2018年に300周年を迎えるニューオリンズ市の記念事業を計画する「ニューオリーンズ三百周年委員会」の共同議長に任命された[30]。2015年、オバマ大統領の反貧困と若者の機会に関するイニシアチブの実行を目指す"My Brother's Keeper Alliance"の役員に任命された[31]。2016年、ミッチ・ランドリュー市長から任命され、市議会で承認されて、ニューオリンズ市計画委員会委員に就任した[32]。また、国防総省の防衛イノベーション諮問委員会英語版委員でもある。

その他の役職

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アイザックソンは、金融サービス会社・ペレラ・ワインバーグ・パートナーズ英語版の顧問パートナーである。ティーチ・フォー・アメリカの名誉会長であり、ユナイテッド航空ハリバートン研究所、『ニューオリンズ・タイムズ=ピカユーン』紙、ブルームバーグ・フィランソロフィー英語版ロックフェラー財団カーネギー研究所アメリカ歴史家協会英語版の理事を務め、2012年にはアメリカ歴史家協会会長を務めた[33]

アイザックソンはテュレーン大学の教授であり、History Of the Digital Revolution(デジタル革命の歴史)というコースを教えている。

賞と栄誉

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アイザックソンは、起業家の人生を描いた著書『スティーブ・ジョブズ』で、2012年のジェラルド・ローブ賞英語版を受賞した[34]

2012年には、世界で最も影響力のある人物を選出する「タイム100」の一人に選ばれた[35]。アイザックソンはロイヤル・ソサエティ・オブ・アーツのフェローであり、2013年には同協会のベンジャミン・フランクリン・メダルを受賞した[36][37]。また、アメリカ芸術科学アカデミーアメリカ哲学協会の会員である。

2014年、全米人文科学基金は、アイザックソンを人文科学分野での業績に対するアメリカ連邦政府の最高の栄誉であるジェファーソン・レクチャー英語版に選出した。アイザックソンの講義のタイトルは"The Intersection of the Humanities and the Sciences"(人文科学と科学の交差点)だった[38]

著書

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映像外部リンク
Booknotes interview with Isaacson on Kissinger, September 27, 1992, C-SPAN
Louisiana Legends interview with Isaacson by Gus Weil, April 5, 1998, LDMA
Presentation by Isaacson on Benjamin Franklin, July 22, 2003, C-SPAN
Interview with Isaacson on Benjamin Franklin, October 4, 2003, C-SPAN
Presentation by Isaacson on Benjamin Franklin's legacy, May 11, 2016, C-SPAN
Presentation by Isaacson on Einstein, April 12, 2007, C-SPAN
Presentation by Isaacson on Einstein, November 10, 2007, C-SPAN
Presentation by Isaacson on Einstein, September 27, 2008, C-SPAN
Presentation by Isaacson on American Sketches, December 1, 2009, C-SPAN
Presentation by Isaacson on Steve Jobs, December 13, 2011, C-SPAN
Presentation by Isaacson on Steve Jobs, September 22, 2012, C-SPAN
Interview with Isaacson on The Innovators, May 30, 2014, C-SPAN
Interview with Isaacson on The Innovators, October 14, 2014, C-SPAN
Presentation by Isaacson on The Innovators, November 22, 2014, C-SPAN
Presentation by Isaacson on Leonardo da Vinci, November 18, 2017, C-SPAN

脚注

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  1. ^ a b c Robin Pogrebin, "At Work and at Play, Time's Editor Seeks to Keep Magazine Vigorous at 75", New York Times, March 9, 1998.
  2. ^ a b Ball, Millie (11 December 2011). “Steve Jobs' biographer is hometown son Walter Isaacson”. The Times-Picayune. オリジナルの12 February 2012時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120212154631/http://www.nola.com/books/index.ssf/2011/12/steve_jobs_biographer_is_homet.html 
  3. ^ a b Neibauer, Michael (15 March 2017). “Walter Isaacson leaving the Aspen Institute”. Washington Business Journal. オリジナルの15 March 2017時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170315160000/https://www.bizjournals.com/washington/news/2017/03/15/walter-isaacson-leaving-the-aspen-institute.html 
  4. ^ Skinner, David. “AWARDS & HONORS: 2014 JEFFERSON LECTURER: Walter Isaacson”. National Endowment for the Humanities. 16 May 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。30 August 2016閲覧。
  5. ^ Family of Sid Salinger”. Sid Salinger (19 August 2013). 1 February 2015時点のオリジナルよりアーカイブFebruary 1, 2015閲覧。
  6. ^ William C. Skinner (4 May 2016). “Q&A with Walter S. Isaacson”. The Harvard Crimson. 18 September 2016時点のオリジナルよりアーカイブ5 July 2016閲覧。
  7. ^ Paul D. Colford (15 November 2000). “Moving up the Ladder Big Time”. New York Daily News. 5 July 2016閲覧。
  8. ^ Cook, John (January 21, 2003). “CNN's turmoil continues over identity, ratings”. The Chicago Tribune. オリジナルの19 March 2020時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200319022842/https://www.chicagotribune.com/news/ct-xpm-2003-01-21-0301210060-story.html March 17, 2016閲覧。 
  9. ^ a b “CNN: Head of news network to step down”. The Chicago Tribune. (January 14, 2003). オリジナルの19 March 2020時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200319023056/https://www.chicagotribune.com/news/ct-xpm-2003-01-14-0301140255-story.html March 17, 2016閲覧。 
  10. ^ New CNN Chief Trying to Please GOP Elite”. FAIR (Fairness & Accuracy In Reporting). Fairness & Accuracy In Reporting (15 August 2001). 8 December 2012時点のオリジナルよりアーカイブ18 January 2015閲覧。
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  14. ^ Walter Isaacson”. Author page. Simon & Schuster. 2 November 2019時点のオリジナルよりアーカイブ19 May 2017閲覧。
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  20. ^ The Innovators: How a Group of Hackers, Geniuses, and Geeks Created the Digital Revolution by Walter Isaacson”. Maroon Weekly. Campus Press LP (29 October 2014). 3 September 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。18 January 2015閲覧。
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外部リンク

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