ワータネン彗星
ワータネン彗星 46P/Wirtanen | |
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2018年12月12日に近日点を通過した際のワータネン彗星。
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仮符号・別名 | 41948 A1, 1947 XIII, 1948b 1954 R2, 1954 XI, 1954j 1961 IV, 1960m 1967 XIV, 1967k 1974 XI, 1974i 1986 VI, 1985q 1991 XVI, 1991s[1] ウィルタネン彗星[2] |
発見 | |
発見日 | 1948年1月17日 |
発見者 | カール・ワータネン |
軌道要素と性質 元期:TDB 2458465.5(2018年12月13.0日) | |
軌道長半径 (a) | 3.0927 au[1] |
近日点距離 (q) | 1.0554 au[1] |
遠日点距離 (Q) | 5.1301 au[1] |
離心率 (e) | 0.6588[1] |
公転周期 (P) | 5.44 年[1] |
軌道傾斜角 (i) | [1] | 11.748 °
近日点引数 (ω) | 356.341 °[1] |
昇交点黄経 (Ω) | [1] | 82.158 °
平均近点角 (M) | [1] | 0.012 °
前回近日点通過 | 2018年12月12日[3] |
次回近日点通過 | 2024年5月19日[3] |
最小交差距離 | 0.071 au(地球)[1] 0.169 au(木星)[1] |
ティスラン・パラメータ (T jup) | 2.818[1] |
物理的性質 | |
直径 | 1.2 km[1] |
絶対等級 (H) | 16.5(核+コマ)[1] |
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ワータネン彗星[4](ウィルタネン彗星[2]、英語: 46P/Wirtanen)は、1948年にカール・ワータネンが発見した、公転周期5.4年の周期彗星である[5]。彗星探査機ロゼッタの当初の目標だった[6]。核の直径は1.2 kmと推定されている[1]。2019年12月には宇宙望遠鏡TESSによりこの彗星のアウトバースト(急激な増光)がかなり細かく捕らえられたことが報告された[7]。
発見
[編集]ワータネン彗星は、1948年1月17日、アメリカ・カリフォルニア州のリック天文台の天文学者カール・ワータネンが写真で発見した。発見された当時は16等であった[5]。
近日点通過
[編集]2013年の回帰では観測に不向きであったためほとんど観測されず、見かけの等級も17.5等程度にしかならなかった[8]。
2018年の回帰ではワータネン彗星は地球に0.0775 auまで接近したため[1]、4等前後にまで達した[9]。また、このときの接近はこの70年間における彗星の地球への接近の中で10番目に近いものだった[10]。この回帰の際には世界的に観測を勧める運動も行われた[11]。
探査計画
[編集]ヨーロッパ宇宙機関 (ESA) の探査機ロゼッタの当初の計画では、2003年1月12日に打ち上げられ[要出典]、2011年にワータネン彗星に着陸機を降ろす予定だった[4]。しかし、2002年12月11日のアリアン5ロケット爆発事故で[要出典]打ち上げが遅延したため、目標はチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に変更された[6]。
計画変更前の2001年12月には、チリのパラナル山にあるヨーロッパ南天天文台 (ESO) の超大型望遠鏡VLT (Very Large Telescope) で、ワータネン彗星が詳細に観測された[12]。その結果、核の直径が1.2kmであること、着陸を妨げるダストが周囲にほとんどないことがわかった[4]。
また、ワータネン彗星はディスカバリー計画の1ミッションとして提案されたComet Hopper(英語版)の探査対象となった[13]。2012年にはインサイト、タイタン表層海探査とともに最後の3つにまで選ばれたが、最終的にはインサイトが選ばれた[14]。Comet Hopperはスターリング放射性同位体発電機を用いる予定だった[15]。
Comet Hopperは7.3年に及ぶ探査が計画されていた。太陽から4.5 auの位置ではワータネン彗星とランデブーし、核表面やコマから放出されるガス・ダストの描写が予定されていた。また、核の構造や地質学的な過程、コマの構造の解明なども見込まれていた[13]。
ワータネン彗星に到着した後は接近して着陸し、その後別の場所に跳ぶ。太陽に近づくのとともに何度も飛び跳ねて探索する[15]。最終的には太陽から1.5 auの地点まで探索を続ける[13]。
うお座の流星群との関連性
[編集]ロシアのMikhail Maslovは2012年の12月10日から14日の間に4回ほどワータネン彗星のダストトレイルと地球の軌道が交差すると予測した。これまでにないことであるため流星群が現れるかどうかは不明であるが1時間での出現数は30程度ではないかと推測された[16]。これについてオーストラリアでは14日に放射点がうお座の流星群が12ほど現れた[17]。
ギャラリー
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2018年の回帰におけるワータネン彗星の天球上の位置。各円の大きさは地球との距離に対応している(大きいほど近い)。
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ワータネン彗星の接近前後の軌道。黄道を横切る2018年12月16日にちょうど地球と一番近い地点になる。
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2018年12月12日に撮影されたワータネン彗星。
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ハッブル宇宙望遠鏡により2018年12月13日に撮影されたワータネン彗星。
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アルゼンチンで2018年12月16日に撮影されたワータネン彗星。
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アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計で撮影されたワータネン彗星。
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アレシボ天文台のレーダー観測により得られた画像。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q “46P/Wirtanen”. Small-Body Database Lookup. Jet Propulsion Laboratory. 2022年1月25日閲覧。
- ^ a b “アルマ望遠鏡で見たウィルタネン彗星”. 国立天文台アルマ望遠鏡 (2018年12月21日). 2022年1月29日閲覧。
- ^ a b 木下一男 (2019年6月9日). “46P/Wirtanen”. 2022年1月25日閲覧。
- ^ a b c “ワータネン彗星の核は直径1.2キロメートル”. 国立天文台. アストロアーツ (2002年2月28日). 2022年1月28日閲覧。
- ^ a b Kronk, Gary W.. “46P/Wirtanen”. cometography.com. 2022年1月25日閲覧。
- ^ a b “ROSETTA'S TARGET: COMET 67P/CHURYUMOV-GERASIMENKO”. European Space Agency (2019年9月1日). 2022年1月28日閲覧。
- ^ “NASA's exoplanet-hunting mission catches a natural comet outburst in unprecedented detail”. EurekAlart! (2019年12月3日). 2022年1月25日閲覧。
- ^ “ウィルタネン彗星 46P/Wirtanen (2013)”. 吉田誠一 (2014年9月27日). 2022年1月26日閲覧。
- ^ “ウィルタネン彗星 46P/Wirtanen (2018)”. 吉田誠一 (2021年4月4日). 2022年1月26日閲覧。
- ^ “See a Passing Comet This Sunday”. NASA Jet Propulsion Laboratory (2018年12月14日). 2022年1月26日閲覧。
- ^ “Introduction”. The Comet Wirtanen Observing Campaign. 2022年1月25日閲覧。
- ^ “ESO's VLT Helps ESA's Rosetta Spacecraft Prepare to Ride on a Cosmic Bullet”. European Southern Observatory (2002年2月26日). 2022年1月28日閲覧。
- ^ a b c Adams, Jim (2011年5月10日). “Planetary Science Division Update” (pdf). 2011年11月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月28日閲覧。
- ^ Vastag, Brian (2012年8月20日). “NASA will send robot drill to Mars in 2016”. The Washington Post. 2022年1月28日閲覧。
- ^ a b Roylance, Frank D. (2011年5月29日). “Maryland scientists vie for NASA missions”. The Baltimore Sun. 2022年1月28日閲覧。
- ^ “A New Meteor Shower in December?”. NASA science (2012年12月11日). 2022年1月29日閲覧。
- ^ “Comet Wirtanen meteors report”. ICEINSPACE (2012年12月17日). 2022年1月29日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]
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