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インディアン・プレミアリーグ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
インディアン・プレミアリーグ (IPL)
開始年 2008年
主催 インドクリケット管理委員会
開催期間 3月下旬 - 5月中旬
チーム数 10チーム
前回優勝 コルカタ・ナイトライダーズ
最多優勝 ムンバイ・インディアンス(5回)
公式サイト
iplt20.com
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インディアン・プレミアリーグ英語: Indian Premier League、略称:IPL)は、インドトゥエンティ20方式のプロクリケットリーグ。

概要

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収容人数13万2000人で世界最大のスタジアムであるナレンドラ・モディ・スタジアム

インディアン・プレミアリーグ(以下、IPL)は2008年に発足。参加チーム数は10であり、シーズンは3月又は4月に開幕し、5月に閉幕する7週間程度の期間である。全74試合であり、レギュラーシーズンは各10チームがAとBの2グループに分かれ、同じグループの4チームとは1回戦総当たり、別グループのチームとはホーム・アンド・アウェーの2回戦総当りで試合を計14試合行ない、上位4チームがプレーオフに進出する。プレーオフは変則トーナメントであり、レギュラーシーズン上位2チーム同士が対戦し、勝者が優勝決定戦に出場する。敗者はレギュラーシーズンで3位と4位の対戦で勝利したチームと敗者復活戦を行い、その試合に勝利したチームが優勝決定戦に出場する。現在はタタ・グループが冠スポンサー。本部はムンバイに所在。

クリケットのプロリーグとして世界最大の興行規模を有する。アメリカ経済誌フォーブスの算定によると、2022年時点のIPLの1チーム平均資産価値は10億4000万ドルであり[1]北米4大プロスポーツリーグの一つであるNHLを上回った。また、2023年にはIPLの事業価値が154億ドル、ブランド価値が32億ドルを算出されている[2]インドクリケット管理委員会は、2023年から5年間の放映権料が総額4839億ルピー(約8470億円[3])という巨額の取引が成立したと発表した[4]。1試合当たりの放映権料は約11億4000万ルピー(約20億円)であり、プレミアリーグなどを上回り、世界のプロスポーツリーグでNFLに次ぐ2位となった[4]

IPLは1試合当たり放映権料がNFLに次ぐ世界2位のプロスポーツリーグに成長した[4]

レギュラーシーズンは平日に毎日1試合ずつ、土日に2試合ずつ行われる。平日の試合はインド標準時の20時に開始され、1日の中で視聴率が高くなる時間帯であるプライムタイムに連日中継される[5]。2015年シーズンの観客動員数は約171万人であり、1試合当たりの平均観客動員数は約2万8500人である[6]

チーム総年俸の上限金額を規定する制度であるサラリーキャップを導入しており、2023年シーズンでは9億5000万ルピーである[7]。2023年シーズンの最高年俸はサム・カランの1億8500万ルピーである[8]。選手は原則7週間程度のシーズン期間のみの短期雇用契約となっている。イギリスのスポーティング・インテリジェンス社による2018年のプロスポーツリーグの年俸調査によると、IPLの平均年俸は約505万ドルとなっているが、これはIPLの雇用期間が7週間しかないため、それを1年換算の比例で推計し、実際の7倍以上にした数字である[9]

2009年シーズンは総選挙の配慮から、南アフリカで開催された。2014年シーズンも同様で、シーズン序盤はアラブ首長国連邦で開催。プレーオフの決勝進出チームにはチャンピオンズリーグ・トゥエンティ20の出場権が与えられていた。しかし八百長問題が発覚し、ロイヤルズとスーパーキングスは2016シーズンと2017シーズンの2年間の出場停止処分[10]。代わりにプネーとラージコートに期間限定チームが結成された[11]

2018年からは女子クリケットの普及を目指し、女子のエキシビションマッチを開始し[12]、2019年にはプレイオフの日程の間を埋める形で、3チームによるリーグ戦のエキシビションマッチが開催されている[13]

2021年8月にBCCIは2022年シーズンから新たに2つのフランチャイズがリーグに参加することを発表[14][15]。10月25日に行われた非公開入札では、RPSGグループとCVCキャピタルが2チームを落札した。RPSGはラクナウに7千万インドルピー(8億8000万ドル)、CVCはアーメダバードに5200万インドルピー(6億6000万ドル)を支払った[16][17]。新たに参入する2チーム名はラクナウ・スーパージャイアンツグジャラート・タイタンズと発表され、2022シーズンから10チームでスタートした。

加盟チーム

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現在のチーム
チーム 保護地域 本拠地球場 設立年
チェンナイ・スーパーキングス タミル・ナードゥ州チェンナイ M. A. チダンバラム・スタジアム英語版 2008年
デリー・キャピタルズ デリー連邦直轄地ニューデリー アルン・ジェートリー・スタジアム英語版 2008年
パンジャーブ・キングス パンジャーブ州モーハーリー英語版 PCAスタジアム英語版 2008年
コルカタ・ナイトライダーズ 西ベンガル州コルカタ イーデン・ガーデンズ 2008年
ムンバイ・インディアンス マハーラーシュトラ州ムンバイ ワンケード・スタジアム英語版 2008年
ラージャスターン・ロイヤルズ ラージャスターン州ジャイプル サルダール・パテール・スタジアム 2008年
ロイヤル・チャレンジャーズ・バンガロール カルナータカ州ベンガルール M. チナズワミー・スタジアム英語版 2008年
サンライザーズ・ハイデラバード テランガーナ州ハイデラバード ラジーヴ・ガンディー・インターナショナル・クリケット・スタジアム英語版 2012年
ラクナウ・スーパージャイアンツ ウッタル・プラデーシュ州ラクナウ BRSABVエカナ・クリケット・スタジアム英語版 2021年
グジャラート・タイタンズ グジャラート州アフマダーバード ナレンドラ・モディ・スタジアム 2021年
消滅したチーム
チーム 保護地域 本拠地球場 活動シーズン
コーチ・タスカーズ・ケーララ
ケーララ州コーチ ジャワハルラール・ネルー・スタジアム 2011年
デカン・チャージャーズ
テランガーナ州ハイデラバード ラジーヴ・ガンディー国際クリケット・スタジアム 2008年-2012年
プネー・ウォリアーズ・インディア
マハーラーシュトラ州プネー マハーラーシュトラ・クリケット協会スタジアム 2011年-2013年
期間限定チーム(2年間の出場停止2チームに対する暫定措置)
チーム 保護地域 本拠地球場 活動シーズン
グジャラート・ライオンズ グジャラート州ラージコート サウラーシュトラ・クリケット協会スタジアム 2016年-2017年
ライジング・プネー・スーパージャイアント マハーラーシュトラ州プネー マハーラーシュトラ・クリケット協会スタジアム 2016年-2017年

歴代決勝戦結果

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開催年 決勝 チーム
会場 優勝チーム 結果 準優勝チーム
2008 DYパティル・スタジアム
マハーラーシュトラ州ナビムンバイ
ラージャスターン・ロイヤルズ
164 for 7 (20 overs)
3ウィケット差
Scorecard
チェンナイ・スーパーキングス
163 for 5 (20 overs)
8
2009 ワンダラーズ・スタジアム
ハウテン州ヨハネスブルグ
デカン・チャージャーズ
143 for 6 (20 overs)
6ラン差
Scorecard
ロイヤル・チャレンジャーズ・バンガロール
137 for 9 (20 overs)
8
2010 DYパティル・スタジアム
マハーラーシュトラ州ナビムンバイ
チェンナイ・スーパーキングス
168 for 5 (20 overs)
22ラン差
Scorecard
ムンバイ・インディアンス
146 for 9 (20 overs)
8
2011 M. A. チダンバラム・スタジアム
タミル・ナードゥ州チェンナイ
チェンナイ・スーパーキングス
205 for 5 (20 overs)
58ラン差
Scorecard
ロイヤル・チャレンジャーズ・バンガロール
147 for 8 (20 overs)
10
2012 M. A. チダンバラム・スタジアム
タミル・ナードゥ州チェンナイ
コルカタ・ナイトライダーズ
192 for 5 (19.4 overs)
5ウィケット差
Scorecard
チェンナイ・スーパーキングス
190 for 3 (20 overs)
9
2013 イーデン・ガーデンズ
西ベンガル州コルカタ
ムンバイ・インディアンス
148 for 9 (20 overs)
23ラン差
Scorecard
チェンナイ・スーパーキングス
125 for 9 (20 overs)
9
2014 M. チナズワミー・スタジアム
カルナータカ州バンガロール
コルカタ・ナイトライダーズ
200 for 7 (19.3 overs)
3ウィケット差
Scorecard
パンジャーブ・キングス
199 for 4 (20 overs)
8
2015 イーデン・ガーデンズ
西ベンガル州コルカタ
ムンバイ・インディアンス
202/5 (20 overs)
41ラン差
Scorecard
チェンナイ・スーパーキングス
161/8 (20 overs)
8
2016 M. チナズワミー・スタジアム
カルナータカ州バンガロール
サンライザーズ・ハイデラバード
208/7(20 overs)
8ラン差
Scorecard
ロイヤル・チャレンジャーズ・バンガロール
200/7(20 overs)
8
2017 ラジーヴ・ガンディー
国際クリケット・スタジアム

テランガーナ州ハイデラバード
ムンバイ・インディアンス
129/8 (20 overs)
1ラン差 ライジング・プネー・スーパージャイアント
128/6 (20 overs)
8
2018 ワンケデ・スタジアム チェンナイ・スーパーキングス
181/2 (18.3 overs)
8ウィケット差
(Scorecard)
サンライザーズ・ハイデラバード
178/6 (20 overs)
8
2019 ラジーヴ・ガンディー
国際クリケット・スタジアム
(テランガーナ州ハイデラバード)
ムンバイ・インディアンス
149/8 (20 overs)
1ラン差 チェンナイ・スーパーキングス
148/7 (20 overs)
8
2020 ドバイ ムンバイ・インディアンス[18]
157/5 (18.4 overs)
5ウィケット差
(Scorecard)
デリー・キャピタルズ[18]
156/7 (20 overs)
2021 ドバイ[19] チェンナイ・スーパーキングス[19]
192/3 (20 overs)
27ラン差
(Scorecard)
コルカタ・ナイトライダーズ[19]
165/9 (20 overs)
2022 ナレンドラ・モディ・スタジアム
グジャラート州アフマダーバード[20]
グジャラート・タイタンズ[20]
133/3 (18.1 overs)
7ウィケット差
(Scorecard)
ラージャスターン・ロイヤルズ[20]
130/9 (20 overs)
10[21]
2023
Details
Chennai Super Kings
171/5 (15 overs/DLS)
Won by 5 wickets Gujarat Titans
214/4 (20 overs)
2024 M. A. Chidambaram Stadium, Chennai コルカタ・ナイトライダーズ
114/2 (10.3 overs)
KKR won by 8 wickets

(scorecard)

Sunrisers Hyderabad
113/10 (18.3 overs)
Sunil Narine (KKR)

通算記録

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ラン(得点)

[編集]
通算最多ラン記録保持者であるヴィラット・コーリ

2024年シーズン終了時点[22]

順位 選手名 通算ラン
1 ヴィラット・コーリ 8,004
2 シカール・ダワン 6,769
3 ロヒット・シャルマ 6,628
4 デビッド・ワーナー 6,565
5 スレシュ・ライナ 5,528

テレビ放送

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インド国内ではソニー・エンターテインメント・テレビジョン(Set Max)がWorld Sport Groupとの独占的に放映されており[23]、2008年からの10年契約で総額870億ルビーを交わしていた。

2018年シーズンからはスターが5年契約総額1634億7500万ルビーで契約。スターはテレビ・ストリーミング・国際放映権を保有することになる[24][25][26]

2023年シーズンには、DAZNでもイギリス・アイルランド地域にて全試合をライブ配信[27]を実施したほか、日本でも一部の試合のみ配信された。

翌2024年からはインドを本拠に置くスポーツ動画配信サービス、YuppTVが日本を含む世界70の国と地域(シンガポール、マレーシア、香港を除く)でIPL全試合のライブ配信[28] [29]を行うほか、イギリス・アイルランド地域はSky Sportsにて全試合を独占中継する[30]

脚注

[編集]
  1. ^ Indian Premier League Valuations: Cricket Now Has A Place Among World’s Most Valuable Sports Teams Forbes.com 2023年8月20日閲覧。
  2. ^ IPL brand value reaches $3 billion in 2023, up by 80%: Report Business Today 2023年8月20日閲覧。
  3. ^ 1ルピーを1.75円と換算した場合
  4. ^ a b c IPL media rights sold for Rs 48,390 crore for a 5 year period: BCCI Secretary Jay ShahThe Economic Times 2023年8月18日閲覧。
  5. ^ results IPL公式サイト 2019年7月18日閲覧。
  6. ^ 2015 IPL contributed 11.5 billion to India's GDP: BCCIIndia today 2015年12月6日閲覧。
  7. ^ IPL 2024: 100 Crores! IPL Franchises To Get Higher Salary Cap in Next Auction- Reports Cricket Addictor 2023年8月18日。
  8. ^ Top 20 highest-paid cricketers in IPL 2023 The National News.com 2023年8月18日閲覧。
  9. ^ GLOBAL SPORTS SALARIES SURVEY 2018 sportingintelligence 2019年6月28日閲覧。
  10. ^ “IPL scandal: Chennai Super Kings and Rajasthan Royals suspended”. BBC. (14 July 2015). http://www.bbc.com/news/world-asia-india-33517583 28 December 2015閲覧。 
  11. ^ “Pune, Rajkot to host new IPL franchises”. ESPN CricInfo. (8 December 2015). http://www.espncricinfo.com/india/content/story/949987.html 28 December 2015閲覧。 
  12. ^ NDTVSports.com. “IPL 2018: Women's T20 Challenge Match To Be Played Before Qualifier 1 In Mumbai – NDTV Sports” (英語). NDTVSports.com. https://sports.ndtv.com/cricket/ipl-2018-womens-t20-challenge-match-to-be-played-before-qualifier-1-in-mumbai-1852567 2018年5月22日閲覧。 
  13. ^ Cricbuzz. “BCCI confirms three-team Women's T20 challenge” (英語). Cricbuzz.com. https://www.cricbuzz.com/cricket-news/107679/bcci-confirms-three-team-womens-t20-challenge 24 April 2019閲覧。 
  14. ^ Gollapudi, Nagraj (31 August 2021). “IPL to become 10-team tournament from 2022”. Cricinfo. 20 September 2021時点のオリジナルよりアーカイブ21 September 2021閲覧。
  15. ^ Tagore, Vijay (14 September 2021). “New IPL team auction likely on October 17 through closed bids”. Cricbuzz. 21 September 2021時点のオリジナルよりアーカイブ21 September 2021閲覧。
  16. ^ RPSG, CVC Capital win bids for Lucknow, Ahmedabad IPL teams”. Cricbuzz. 25 October 2021時点のオリジナルよりアーカイブ25 October 2021閲覧。
  17. ^ Lucknow and Ahmedabad become home to the two newest IPL franchises”. ESPNcricinfo. 25 October 2021時点のオリジナルよりアーカイブ25 October 2021閲覧。
  18. ^ a b Full Scorecard of Delhi Capitals vs Mumbai Indians Final 2020 - Score Report | ESPNcricinfo.com” (英語). www.espncricinfo.com. 2020年11月10日閲覧。
  19. ^ a b c CSK v KKR | Final, IPL 2021 Match Centre” (英語). IPLT20. 16 April 2021閲覧。
  20. ^ a b c Final, IPL 2022 Match Centre” (英語). IPLT20. 16 April 2021閲覧。
  21. ^ IPL 2022 squads”. ESPN Cricinfo. 18 May 2022閲覧。
  22. ^ IPL Stats IPL公式サイト 2024年9月23日閲覧。
  23. ^ “Sony and World Sports Group bag IPL television rights”. ESPNcricinfo. (14 January 2008). http://content-usa.cricinfo.com/ipl/content/current/story/330881.html 12 April 2008閲覧。 
  24. ^ Reuters (2017年9月4日). “IPL television and broadcast rights sold for massive £1.97bn to Star India” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077. https://www.theguardian.com/sport/2017/sep/04/ipl-rights-sold-star-india-cricket-twenty-20 2017年9月4日閲覧。 
  25. ^ “Star India wins IPL rights for US $2.55 billion”. ESPNcricinfo. http://www.espncricinfo.com/story/_/id/20570244/star-india-wins-ipl-rights-us-255-billion 2017年9月4日閲覧。 
  26. ^ “Five stand-out numbers from the IPL media rights sale”. ESPNcricinfo. http://www.espncricinfo.com/story/_/id/20571204/five-stand-numbers-ipl-media-rights-sale 2017年9月4日閲覧。 
  27. ^ DAZN TO BROADCAST IPL IN THE UK AND IRELAND”. DAZN Group. 2023年3月24日
  28. ^ YuppTV、70カ国以上でTATA IPL 2024のデジタル放映権を獲得”. YuppTV・PRNewswire. 2024年3月20日
  29. ^ YuppTVでの中継は2022年シーズン以来2年ぶりとなる。
  30. ^ Sky Sports agrees new deal to broadcast IPL and WPL”. The Cricketer. 2024年3月20日

外部リンク

[編集]