酸化イットリウム(III)
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酸化イットリウム(III) | |
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yttrium(III) oxide. | |
別称 Yttria diyttrium trioxide yttrium sesquioxide | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 1314-36-9 |
RTECS番号 | ZG3850000 |
特性 | |
化学式 | Y2O3 |
モル質量 | 225.81 g/mol |
外観 | 白色固体 |
密度 | 5.010 g/cm3, 固体 |
融点 |
2425 ℃ |
沸点 |
4300 ℃ |
水への溶解度 | 難溶 |
アルコール 酸への溶解度 |
可溶 |
構造 | |
結晶構造 | 蛍石型構造 |
空間群 | Ia-3, No. 206 |
配位構造 | 八面体形 |
危険性 | |
EU分類 | なし |
Rフレーズ | なし |
Sフレーズ | S24/25 |
関連する物質 | |
その他の陽イオン | 酸化スカンジウム(III) 酸化ランタン(III) |
関連物質 | イットリウムバリウム銅酸化物 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
酸化イットリウム(さんかイットリウム、英: yttrium oxide)は空気中で安定なイットリウムの酸化物で、その組成式は Y2O3 である。白色の固体で、無機化学や物質科学において出発物質としてよく使われる。
天然にはイットリアアイト(Yttriaite)という希産鉱物として産出する(日本では未発見のため、和名は未定)。
用途
[編集]物質科学
[編集]イットリウム化合物の最も重要な用途は、YVO4 ユウロピウムや Y2O3 ユウロピウム蛍光体であり、これはブラウン管テレビの赤色を作るのに使われる。酸化イットリウム(III)はイットリウム・鉄・ガーネットを作るのにも使われ、これはマイクロ波フィルタとして役に立つ。
は 1-2-3 として知られる高温超伝導体 を作るのに使われ、金属の組成は次に示される。
この合成は800 ℃で起こりやすい。
酸化イットリウム(III)の熱伝導率は27 W/(m・K)である[1]。
無機合成
[編集]酸化イットリウム(III)は無機化合物合成の出発物質として重要である。例えば、これを濃塩酸と塩化アンモニウムのもとで反応させると YCl3 になる。この化合物は有機金属化学で重要である。
レーザー
[編集]Y2O3 セラミックスは将来性のある固体レーザー物質である。特に、イッテルビウムがドープされているレーザーでは無変調連続波[2]やパルス状領域[3]の効率的な操作を可能にする。
出典
[編集]- ^ P. H. Klein and W. J. Croft (1967). “Thermal conductivity , Diffusivity, and Expansion of Y2O3, Y3Al5O12, and LaF3 in the Range 77-300 K”. J. Appl. Phys. 38: 1603. doi:10.1063/1.1709730.
- ^ J. Kong; D.Y.Tang, B. Zhao, J.Lu, K.Ueda, H.Yagi and T.Yanagitani (2005). “9.2-W diode-pumped Yb:Y2O3 ceramic laser”. Applied Physics Letters 86: 161116. doi:10.1063/1.1914958.
- ^ M.Tokurakawa; K.Takaichi, A.Shirakawa, K.Ueda, H.Yagi, T.Yanagitani, and A.A. Kaminskii (2007). “Diode-pumped 188 fs mode-locked Yb3+:Y2O3 ceramic laser”. Appl.Phys.Lett. 90: 071101. doi:10.1063/1.2476385.