ウオヤドリエビ綱
ウオヤドリエビ綱 | ||||||||||||||||||
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Armillifer armillatus(舌形亜綱)
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Ichthyostraca Zrzavý, Hypša & Vlášková, 1997[1] | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
ウオヤドリエビ綱[2] | ||||||||||||||||||
亜綱 | ||||||||||||||||||
ウオヤドリエビ綱(ウオヤドリエビこう、学名:Ichthyostraca)は、甲殻類の一グループ[2]。鰓尾亜綱(さいびあこう、Branchiura)と舌形亜綱(ぜっけいあこう、Pentastomida)が分類され、寄生性の甲殻類として知られている。
変遷
[編集]この分類群は元来は全く縁がないと考えられていた2つの群をまとめたものである。 その一つ、鰓尾類(エラオ類)は魚類の体表に寄生する甲殻類で、日本ではチョウが金魚や鯉の害虫としてよく知られてきた。その形は独特で、頭部と第1胸節に由来する部分が円盤状に広がり、この部分で魚類に体表に吸着し、それに続く円筒形の胴体には遊泳用の附属肢があり、自由に泳ぐことが出来る。その分類的な位置は議論が多く、カイアシ類に含めたこともあるが、のちに顎脚類に含め、他群とは独立の群(綱)とされることが多かった。
もう一つの群が舌虫類(舌形類)で、これは様々な脊椎動物の鼻腔や肺に寄生する蠕虫様の動物である。成体では体の先端に口があり、その後方左右に2対の鉤を持つ。これを口に見立てて五口動物と呼ばれたこともある。その系統関係は長く不明であったが、節足動物に似た特徴が多く、そのために側節足動物に位置づけられたり、あるいは独自の動物群とされてきた。
そんな中、舌虫類が細部の構造や分子系統解析などから著しく特化した甲殻類の節足動物であると判明し、鰓尾類との類縁性も指摘されるようになった[3][4]。その上で顎脚類が分子系統の情報から多系統と見なされるようになったこと、その上でこの二群が近縁で一つの群をなすとの判断から立てられたのがこの分類群である。
分類
[編集]分類はWorld Register of Marine Species (Walter & Boxshall, 2022) にしたがった[5]。
- ウオヤドリエビ綱 Ichthyostraca
- 鰓尾亜綱[2][6](エラオ亜綱[7]) Branchiura
- 舌形亜綱[6](舌虫亜綱[2][7]) Pentastomida
- ケファロバエナ目[6](ケファロベナ目[8]) Cephalobaenida
- Cephalobaenidae (科)
- ポロケファルス目[6](シタムシ目[8]、舌虫目[7]) Porocephalida
- Linguatuloidea (上科)
- シタムシ科[7] Linguatulidae
- Subtriquetridae (科)
- Porocephaloidea (上科)
- Nettorhynchidae (科)
- Porocephalidae (科)
- Armilliferinae (亜科)(=アルミリファー科 Armilliferidae[7])
- Porocephalinae (亜科)
- セベキア科 Sebekidae
- Diesingiinae (亜科)
- Leiperiinae (亜科)
- Samboninae (亜科)
- Sebekinae (亜科)
- Linguatuloidea (上科)
- ライリエチエラ目[9] Raillietiellida
- ライリエティエラ科 Raillietiellidae
- レイガルディア目[9] Reighardiida
- レイガルディア科 Reighardiidae
- ケファロバエナ目[6](ケファロベナ目[8]) Cephalobaenida
脚注
[編集]- ^ Zrzavý, J.; Hypša, V. & Vlášková, M. (1997). “Arthropod phylogeny: taxonomic congruence, total evidence and conditional combination approaches to morphological and molecular data sets”. In: Fortey, R.A. & Thomas, R.H. (eds.) Arthropod Relationships. The Systematics Association Special Volume Series, Volume 55. Chapman & Hall, Pages 97-107.
- ^ a b c d 大塚攻、田中隼人「顎脚類(甲殻類)の分類と系統に関する研究の最近の動向」『タクサ:日本動物分類学会誌』第48巻、日本動物分類学会、2020年、49–62頁、doi:10.19004/taxa.48.0_49。
- ^ Riley, J.; Banaja, A. A.; James, J. L. (1978-08-01). “The phylogenetic relationships of the pentastomida: The case for their inclusion within the crustacea” (英語). International Journal for Parasitology 8 (4): 245–254. doi:10.1016/0020-7519(78)90087-5. ISSN 0020-7519 .
- ^ Lavrov, Dennis V.; Brown, Wesley M.; Boore, Jeffrey L. (2004-03-07). “Phylogenetic position of the Pentastomida and (pan)crustacean relationships”. Proceedings of the Royal Society of London. Series B: Biological Sciences 271 (1538): 537–544. doi:10.1098/rspb.2003.2631. PMC 1691615. PMID 15129965 .
- ^ Walter, T.C.; Boxshall, G. (2022). World of Copepods Database. Ichthyostraca. Accessed through: World Register of Marine Species at: https://www.marinespecies.org/aphia.php?p=taxdetails&id=845958 on 2022-12-07.
- ^ a b c d e 大塚攻・駒井智幸「甲殻亜門分類表」石川良輔編『節足動物の多様性と系統』〈バイオディバーシティ・シリーズ〉6、岩槻邦男・馬渡峻輔監修、裳華房、2008年、421-422頁。
- ^ a b c d e f g 日本寄生虫学会用語委員会(2021年3月)「新寄生虫和名表」、2022年12月7日閲覧。
- ^ a b c 文部省・日本動物学会 編「動物分類名」『学術用語集 動物学編(増訂版)』丸善、1988年、1060-1100頁。
- ^ a b 国立天文台 編「動物分類表」『理科年表 2022』第95冊、丸善出版、2021年、908-918頁。