アークトメタターサル
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アークトメタターサルまたはアルクトメタターサル (Arctometatarsal) は、中央に位置する第3中足骨の近位部分が第2および第4中足骨に挟まれて狭まった、陸上脊椎動物の脚の構造である。走行に特化したある種の恐竜に共通し、1つの祖先種から受け継がれた形質ではなく複数の系統が別個に獲得した形質であると見られている。脚にかかる負荷を均等に配分する効果があった[1][2]。
ティラノサウルス科やオルニトミモサウルス類、トロオドン科に共通する形質である。ただしハルピミムス[3]などアークトメタターサルを持たない例外も存在し、ガルディミムスについてはアークトメタターサルの有無に関して諸説ある[4]。トロオドン科では前期白亜紀アルビアン期のヒプノヴェナトル[5]、ティラノサウルス上科では後期白亜紀セノマニアン期のモロス[6]がアークトメタターサルを示す最古の例とされる。
かつてはアークトメタターサルは単系統における形質とみなされており、アークトメタターサルを持つ最初の獣脚類とその子孫をまとめた アークトメタターサリア(Arctometatarsalia) という分類群が提唱されていた。後にこの分類群はオルニトミムス及びそれに鳥類よりも近縁な生物をまとめたものに変更されたが、トロオドン科とティラノサウルス上科がオルニトミモサウルス類とさほど近縁でないことが分かり、現在ではこの分類群はほとんど支持されていない。
出典
[編集]- ^ “Archived copy”. 2011年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月24日閲覧。
- ^ Snively, E. (2000). Functional morphology of the tyrannosaurid arctometatarsus. University of Calgary.
- ^ Kobayashi, Y. and Barsbold, R. (2005). "Anatomy of Harpymimus okladnikovi Barsbold and Perle 1984 (Dinosauria; Theropoda) of Mongolia." In Carpenter, K. (ed.) The Carnivorous Dinosaurs. Indiana University Press: 97-126
- ^ Kobayashi, Y. and Barsbold, R. (2005). "Reexamination of a primitive ornithomimosaur, Garudimimus brevipes Barsbold, 1981 (Dinosauria:Theropoda), from the Late Cretaceous of Mongolia." Canadian Journal of Earth Sciences, 42: 1501–1521.
- ^ Kubota, K.; Kobayashi, Y.; Ikeda, T. (2024). “Early Cretaceous troodontine troodontid (Dinosauria: Theropoda) from the Ohyamashimo Formation of Japan reveals the early evolution of Troodontinae”. Scientific Reports 14: 16392. doi:10.1038/s41598-024-66815-2 .
- ^ Zanno, Lindsay E.; Tucker, Ryan T.; Canoville, Aurore; Avrahami, Haviv M.; Gates, Terry A.; Makovicky, Peter J. (February 2019). “Diminutive fleet-footed tyrannosauroid narrows the 70-million-year gap in the North American fossil record” (英語). Communications Biology 2 (1): 64. doi:10.1038/s42003-019-0308-7. ISSN 2399-3642. PMC 6385174. PMID 30820466 .