アルピーヌ・A106
アルピーヌ・A106 | |
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ミッレ・ミリア前部 1959年 | |
ミッレ・ミリア後部 1957年 | |
概要 | |
製造国 | フランス |
設計統括 | ジャン・レデレ |
デザイン | ジョヴァンニ・ミケロッティ(ミッレ・ミリア)/自社(キャブリオレ、グラン・ルクス) |
ボディ | |
乗車定員 | 2人 |
ボディタイプ | クーペ(ミッレ・ミリア、グラン・ルクス)/オープンカー(キャブリオレ) |
駆動方式 | RR |
パワートレイン | |
エンジン | 747cc 水冷直列4気筒OHV |
最高出力 | 48PS/6,200rpmまたは27PS/4,400rpm |
最大トルク | 5.7kgm/1,800rpm |
変速機 | 5速MT |
前 | 前:ダブルウィッシュボーン 後:スウィングアクスル |
後 | 前:ダブルウィッシュボーン 後:スウィングアクスル |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,100 mm |
全長 | 3,700 mm |
全幅 | 1,450 mm |
全高 | 1,220 mm |
車両重量 | 565 kgまたは545 kg |
アルピーヌ・A106(Alpine A106 )は、フランスの自動車メーカーであるアルピーヌが製造した自動車。
概要
[編集]プロトタイプ・スペシャル
[編集]ルノーの代理店を経営していたジャン・レデレが、ルノー・4CVをベースにFRP製の軽量小型ボディを載せたプロトタイプでレースに出場し、ガルティエ/ミッキー組のプロトタイプがミッレ・ミリアの750 cc以下クラスで優勝するなど好成績を得た。
ミッレ・ミリア
[編集]レースのノウハウを元に、ジャン・レデレは1956年からアルピーヌ最初の市販モデルとしてA106ミッレ・ミリアの製造を始めた。106とは、ルノー106系である4CV用1062型、1063型エンジンを使用していることを示す。
ボディーはスペシャルの伝統を受け継ぐFRP製で、鋼管の背骨を主体とした強固なシャシに載せられた。レースの中で試行錯誤してできたスペシャルを元にジョヴァンニ・ミケロッティがデザインした。
足回りは4CVから強化され、前がダブルウィッシュボーンの独立懸架、後がコイルばねを用いたスイングアクスルとされた。4CV用15インチホイール、ヘッドライト、テールライト、ウィンドシールド等もルノーの既存パーツから流用されていた。
エンジンは当初から多数のバリエーションが用意された。基本モデルはソレックス22ICTキャブレターを装着した圧縮比7.25の4CV用747cc OHVエンジンをそのまま使い出力は 21hp/4,000rpm、最大トルクは 4.6kgm/2,000rpm となっていたが、むしろキャブレターをソレックス35PAAIやウェーバー36DCLD3に交換し、圧縮比を9.0や9.5に上げるなどで43hp/6,200rpmとしたチューンの方が多数であった。
トランスミッションは4CVが3速MTだったのに対し5速MTとなり、ギア比は4種から選択が可能だった。
重量は500kgと軽量化されており、43hpエンジン、トランスミッションのファイナル段ギア比4.71の仕様で最高速度は153km/hに達した。
ルノーからの部品・販売等サポートを受け、自国スポーツカーに飢えていたフランスのアマチュアドライバーに支持されて当時としては成功したモデルとなり、1962年まで生産された。
キャブリオレ
[編集]1958年、オープンカーの「キャブリオレ」が追加された。シャシはミッレ・ミリアと共通だが、ボディー形状は全く異なる自製デザインとなった。1960年まで生産された。
グラン・ルクス
[編集]1960年、キャブリオレに屋根をつけたクーペ、「グラン・ルクス」を追加。すぐにA108に移行したためこの年のみの少数生産に終わった。
ツール・ド・フランス
[編集]1961年、プロトタイプの市販モデルとして発売され1962年まで生産された。このボディーデザインはアルピーヌの基本形として長い間継承された。
参考文献
[編集]- 大川悠『世界の自動車-11 シムカ マートラ アルピーヌ その他』二玄社