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バサースト伯爵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アプスリー男爵から転送)
バサースト伯爵

紋章記述

Sable, two bars ermine, in chief three crosses pattée or.
創設時期1772年8月27日
創設者ジョージ3世
貴族グレートブリテン貴族
初代初代伯アレン・バサースト
現所有者9代伯アレン・クリストファー・ベートラム・バサースト英語版
推定相続人アプスリー男爵ベンジャミン・バサースト
相続資格初代伯の嫡出直系男子
付随称号バサースト男爵
アプスリー男爵
現況存続
邸宅サイレンセスター・パーク英語版
モットーTien Ta Foy
(Keep thy fait)

バサースト伯爵(Earl Bathurst)は、グレートブリテン貴族伯爵位。トーリー党の政治家の初代バサースト男爵アレン・バサーストが1772年に叙されたのに始まる。

歴史

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伯爵家の邸宅であるサイレンセスター・パーク
第3代バサースト伯爵ヘンリー・バサースト

バサースト家はノルマン・コンクエスト以前からサセックスで暮らす旧家であるといわれる[1]1695年に富裕な政治家だったベンジャミン・バサースト英語版は、息子アレン・バサーストのためにサイレンセスターに当時オークリー・グローブ(Oakley Grove)と呼ばれていた荘園を購入した[2]

後に初代バサースト伯爵となるこのアレンは父の購入したこの荘園を相続し、カントリー・ハウスサイレンセスター・パーク英語版を建設した。アレンは1705年にサイレンセスター選挙区英語版から選出されてトーリー党所属の庶民院議員となり、1712年1月1日にはグレートブリテン貴族爵位ベッドフォード州におけるバトレスデンのバサースト男爵(Baron Bathurst, of Battlesden in the County of Bedford)に叙されて貴族院議員に転じた。熱心なトーリーとしてウォルポール政権への強硬な反対者だった。ウォルポール辞任後の1742年に枢密顧問官に列するとともに儀仗衛士隊隊長に就任し、1744年まで務めた。そして晩年の1772年8月27日にグレートブリテン貴族爵位サセックス州におけるバサーストのバサースト伯爵(Earl Bathurst, of Bathurst in the County of Sussex)に叙された[1][3][4]

その息子で2代伯を継承するヘンリー・バサーストは、襲爵前にサイレンセスター選挙区選出のトーリー党所属の庶民院議員を務めるとともに、皇太子フレデリック・ルイスや皇太子妃オーガスタ・オブ・サクス=ゴータの法務総裁(Attorney-General to the Prince of Wales and to the Dowager Princess of Wales)、民訴裁判所裁判官(Justice of the Common Pleas)を歴任し、1771年1月24日大法官就任とともにグレートブリテン貴族爵位サセックス州におけるアプスリーのアプスリー男爵(Baron Apsley, of Apsley in the County of Sussex)に叙せられた。そして1775年に父の死とともに第2代バサースト伯爵を継承した。その後1779年から1782年にかけては枢密院議長を務めている[1][3][5]

その息子で3代伯を継承したヘンリー・バサーストは、トーリー党の政治家として歴代当主の中でも特に出世し、小ピットからウェリントン公までの歴代のトーリー党政権で商務庁長官(在職1804年-1806年)、外務大臣(在職1809年)、陸軍・植民地大臣(在職1812年-1827年)、枢密院議長(在職1828年-1830年)などの重要閣僚職を歴任した[1][3][6]。長きにわたり植民地を所管したため、オーストラリアニューサウスウェールズ州にあるバサースト郡英語版およびバサースト市[7]ノーザンテリトリー(北部準州)にあるバサースト島英語版[8]カナダニューブランズウィック州にあるバサースト[9]ヌナブト準州にあるバサースト島[10]ガンビアの首都バンジュールの旧名バサースト[11]など、彼の名前を付けられた地名は世界中に数多い。

彼の死後も彼の男系男子によって継承が続いている。2019年現在の当主は第9代バサースト伯爵アレン・バサースト英語版である[3]。本邸は現在でもサイレンセスター・パークである[3]

現当主の保有爵位

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現当主アレン・バサースト英語版は以下の爵位を保有している[3]

  • サセックス州におけるバサーストの第9代バサースト伯爵 (9th Earl Bathurst, of Bathurst in the County of Sussex)
    (1772年8月27日の勅許状のグレートブリテン貴族爵位)
  • ベッドフォード州におけるバトレスデンの第9代バサースト男爵 (9th Baron Bathurst, of Battlesden in the County of Bedford)
    (1712年1月1日の勅許状によるグレートブリテン貴族爵位)
  • サセックス州におけるアプスリーの第8代アプスリー男爵 (8th Baron Apsley, of Apsley in the County of Sussex)
    (1771年1月24日の勅許状によるグレートブリテン貴族爵位)

歴代当主

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バサースト男爵 (1712年-現在)

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バサースト伯爵 (1772年–現在)

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脚注

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  1. ^ a b c d  この記事にはアメリカ合衆国内で著作権が消滅した次の百科事典本文を含む: Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Bathurst, Earls". Encyclopædia Britannica (英語). Vol. 3 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 520.
  2. ^ A name enshrined in history” (英語). The Bathurst Estate. 2019年9月12日閲覧。
  3. ^ a b c d e f Heraldic Media Limited. “Bathurst, Earl (GB, 1772)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2019年9月12日閲覧。
  4. ^ Lundy, Darryl. “Allen Bathurst, 1st Earl Bathurst of Bathurst” (英語). thepeerage.com. 2019年9月9日閲覧。
  5. ^ Lundy, Darryl. “Henry Bathurst, 2nd Earl Bathurst of Bathurst” (英語). thepeerage.com. 2019年9月9日閲覧。
  6. ^ Lundy, Darryl. “Henry Bathurst, 3rd Earl Bathurst of Bathurst” (英語). thepeerage.com. 2019年9月9日閲覧。
  7. ^ "Bathurst". Encyclopædia Britannica Online. 2010. 2010年12月4日閲覧
  8. ^ "Bathurst Island". Encyclopædia Britannica Online. 2010. 2010年12月4日閲覧
  9. ^ Glendenning, Burton. "Bathurst". In James H. Marsh (ed.). The Canadian Encyclopedia. The Historica Dominion Institute. 2010年12月4日閲覧
  10. ^ Finlayson, Doug. "Bathurst Island". In James H. Marsh (ed.). The Canadian Encyclopedia. The Historica Dominion Institute. 2010年12月4日閲覧
  11. ^ History of Banjul” (英語). Access Gambia (2009-2010). 2010年12月5日閲覧。

関連項目

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