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アバクロンビー (モニター・2代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
艦歴
発注 1941年4月4日
起工 1941年4月26日
進水 1942年3月31日
就役 1943年5月5日
退役
その後 1954年12月24日にスクラップとして廃棄
除籍
性能諸元
排水量 7,850トン
全長 373.25 ft (113.77 m)
全幅 89.75 ft (27.36 m)
吃水 11 ft (3.4 m)
機関 パーソンズ式蒸気タービン、2軸推進、4,800 hp
最大速 12.5ノット (14.4 mph)
乗員 350名
兵装

アバクロンビー (HMS Abercrombie, F109) はイギリス海軍モニターロバーツ級艦名はジェームズ・アバークロンビー将軍に因む。[要出典]この名を持つモニターとしては2隻目。

艦歴

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第二次世界大戦中、モニター「テラー」は北アフリカの陸軍支援に従事し、1941年2月に戦没した。その働きが良かったため代艦が建造された[1]。それがこの「アバクロンビー」である。設計は「ロバーツ」のものをもとに、近接兵器の増加、弾薬、清水などの搭載量増加、発電能力の強化、居住空間の拡充などの変更がなされている[2]

ニューカッスルのヴィッカース・アームストロング社で建造[3]。1941年5月26日起工[4]。1942年3月31日進水[4]。主砲塔は「フューリアス」の予備砲塔が改修されて搭載された[2]。その改修作業に時間がかかったことなどから、竣工は1943年5月5日となった[5]

ハスキー作戦シチリア島侵攻)参加のため「アバクロンビー」は1943年7月4日にチュニスに到着した[6]。「アバクロンビー」の担当はアメリカ軍の上陸支援であった[6]。「アバクロンビー」は上陸の行われた10月10日から10月15日まで砲撃を行った[7]

続いてベイタウン作戦に参加したが、この作戦では「アバクロンビー」は砲撃を行う機会はなかった[8]。次の作戦はアヴァランチ作戦サレルノ上陸)で、「アバクロンビー」の任務はアメリカ軍のサレルノ湾南端への上陸支援であった[9]。上陸は9月9日に行われ、「アバクロンビー」は砲撃を実施[9]。同日、艦中央部右舷側のバルジの下で機雷が爆発[9]。船体内部への被害はバルジによってほぼ食い止められたが、若干の浸水の他、15インチ砲の方位盤が落下するなどの被害があり、1名が負傷した[9]。修理はイタリアとの休戦後にタラントで行われ、10か月を要した[10]

修理が完了した「アバクロンビー」は1944年8月15日にマルタ島に到着した[11]。8月21日、マルタ南東沖で訓練中であった「アバクロンビー」は2度触雷[11]。艦首の右側と後部の艦底に破孔が生じ、推進軸などが被害を受けた[11]。修理はマルタで行われ、11か月要した[11]

修理後対日作戦に投入されることになるも終戦により引き返し、1945年11月6日にシーアネス着[12]

宿泊艦や砲術教練艦などとして使用された後、1954年11月22日に英国鉄鋼会社に引き渡され、T. W. ウォード社のバロウ造船所で解体となった[13]。1954年12月24日、バロウ着[4]

要目

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  • 排水量:基準8536トン、満載9717トン
  • 全長:373フィート4インチ(113.79m)
  • 全幅:89フィート9インチ(27.36m)
  • 機関:海軍式三胴缶2基、パーソンズ式単段減速ギアード蒸気タービン2基(4800軸馬力)、2軸
  • 速力:設計、就役時12.25ノット、公試12.0ノット
  • 乗員:士官20名、下士官兵440名
  • 兵装(竣工時):15インチ(38.1cm)砲2門(連装1基)、4インチ(102mm)砲8門(連装4基)、2ポンド砲16門、20mm機銃20挺
  • 出典[4]

脚注

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  1. ^ 『巨砲モニター艦』189ページ
  2. ^ a b 『巨砲モニター艦』190ページ
  3. ^ 『巨砲モニター艦』192ページ
  4. ^ a b c d 『巨砲モニター艦』217ページ
  5. ^ 『巨砲モニター艦』192-193ページ
  6. ^ a b 『巨砲モニター艦』199ページ
  7. ^ 『巨砲モニター艦』199-200ページ
  8. ^ 『巨砲モニター艦』201ページ
  9. ^ a b c d 『巨砲モニター艦』202ページ
  10. ^ 『巨砲モニター艦』204-205ページ
  11. ^ a b c d 『巨砲モニター艦』209ページ
  12. ^ 『巨砲モニター艦』212ページ
  13. ^ 『巨砲モニター艦』214、217ページ

参考文献

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  • イアン・バクストン、橋本若路(訳)、本吉隆(監修)『巨砲モニター艦 設計・建造・運用 1914~1945』イカロス出版、2019年、ISBN 978-4-8022-0707-2

外部リンク

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