コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

アドミラル・グラーフ・シュペー (装甲艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
アドミラル・グラーフ・シュペー
1936年に撮影されたアドミラル・グラーフ・シュペー
1936年に撮影されたアドミラル・グラーフ・シュペー
基本情報
建造所 ヴィルヘルムスハーフェン海軍工廠
運用者  ドイツ国防軍海軍
艦種 装甲艦 重巡洋艦
級名 ドイッチュラント級装甲艦
艦歴
起工 1932年10月1日
進水 1934年6月30日
就役 1936年1月6日
最期 1939年12月17日自沈
要目
基準排水量 12,100トン
満載排水量 16,200トン
全長 186 m
最大幅 21.6 m
吃水 7.4 m (最大)
主機 MAN社製9気筒2ストロークディーゼルエンジン8機
2軸, 52,050 hp (40 MW)
最大速力 28.5 ノット (53 km/h)
航続距離 20ノット時で8,900海里 (37 km/hで16,500 km)
または10ノット時で19,000海里 (18.5 km/hで35,000 km)
乗員 1,150名
兵装 52口径28.3cm3連装砲2基
15cm単装砲8基8門
10.5cm連装砲3基6門
3.7cm対空砲8門
2cm対空砲10門
53cm魚雷発射管2基8門
装甲 砲塔 正面: (160mm)
装甲帯: (80mm)
デッキ: (40mm)
搭載機 Ar 196 二機, カタパルト一基
テンプレートを表示

アドミラル・グラーフ・シュペー (Die Admiral Graf Spee) は、ドイツ（ヴァイマル共和政）が海軍休日時代に建造し、ドイツ海軍 (Kriegsmarine) が第二次世界大戦で運用した軍艦[1]。

概要

[編集]

ドイッチュラント級装甲艦の3番艦で[2]、前弩級戦艦「ブラウンシュヴァイク（ドイツ語版、英語版）」の代艦[3]。第一次世界大戦の敗北によって軍備を制限されたドイツにおいて、ヴァイマル共和政におけるヴァイマル共和国軍（de:Reichsmarine）が、ヴェルサイユ条約の軍備制限条項の範囲内（排水量1万トン以下）に収めながらも強力な軍艦として建造した艦船である[4][5]。 就役はドイツ再軍備宣言の1936年1月で、ドイツ国防軍が運用した[注釈 1]。 英海軍はこれらの軍艦を、小粒であるが強力であると認め、ポケット戦艦（豆戦艦[3]、袖珍戦艦[2]）とあだ名した[6]。本艦は第二次世界大戦初期の大西洋～インド洋における通商破壊作戦で活躍したが[7]、1939年（昭和14年）12月13日のラプラタ沖海戦でイギリス巡洋艦3隻と交戦して損傷[8]。ウルグアイのモンテビデオ港に追いつめられ[9][注釈 2]、12月17日に自沈した[11][注釈 3]。

艦名

[編集]

艦名はマクシミリアン・フォン・シュペーに由来する[2][13]。彼は第一次世界大戦において、青島を根拠地としたドイツ東洋艦隊司令官であり、コロネル沖海戦で勝利を収めたが、フォークランド沖海戦で戦死した[14]。「グラーフ・シュペー」の艦橋前面には「コロネル」のプレートが貼られていた。他に「グラーフ・シュペー」と呼ばれる船として、第一次世界大戦において未完成に終わったマッケンゼン級巡洋戦艦の4番艦がある。

なお、ドイツ語の発音に従えば本来はアトミラール・グラーフ・シュペーと表記すべきだが、日本では英語読みの「アドミラル」で呼ばれるのが一般的である[15][16]。

艦歴

[編集]
ジョージ6世戴冠記念観艦式に参加するシュペー、レゾリューション、フッド。
英仏海峡へ向かうアドミラル・グラーフ・シュペー、1939年4月
近代化改装後のアドミラル・グラーフ・シュペー

1932年10月1日ヴィルヘルムスハーフェン海軍工廠にて起工。1934年6月30日、進水式を行った。艦名は、そのもととなったマクシミリアン・フォン・シュペーの令嬢が命名した[注釈 4]。 1936年1月6日に就役し、数ヶ月に及ぶ完熟訓練を大西洋で行った。翌年の1937年にはスペイン内戦に投入される[18]。2月初頭のマラガの戦い（英語版、ドイツ語版）では、マラガに艦砲射撃をおこなった[19]（スペイン内戦におけるドイツ海軍）。同年5月20日にジョージ6世戴冠記念観艦式に参加し、日本の重巡「足柄」やフランス海軍のダンケルク級戦艦「ダンケルク」らと共に各国海軍の注目を集めた[20]。5月29日、姉妹艦「ドイッチュラント」がスペイン人民戦線の爆撃機により損傷した（ドッチュラント号事件）。「シュペー」は再びスペイン内戦に投入され[21]、姉妹艦「アドミラル・シェーア」などと合流した[注釈 5]。

1939年8月21日に「アドミラル・グラーフ・シュペー」はヴィルヘルムスハーフェンより出航し、アイスランドの南を通過して大西洋に進出[23]。9月1日に給油艦「アルトマルク」と会合し、補給を受けた[24]。9月3日、イギリスの通信傍受により、イギリスの対ドイツ宣戦布告を知る[25]。続いてドイツから戦争状態に入ったことを知らせる通信が届き、その後にはフランスもドイツの宣戦したこととフランス商船に対する攻撃禁止を伝える通信も届いた[26]。「アドミラル・グラーフ・シュペー」は「アルトマルク」とともにフリータウン西方約500浬の攻撃区域へと向かった[26]。しかし、通商破壊戦を中止して作戦海域を離れろとの命令を受けて南大西洋のアセンション島・セントヘレナ間の西方へと向かった[27]。9月8日に赤道を通過し、9月10日に目的海域の北端に着いた[28]。9月11日、給油に先立って「アドミラル・グラーフ・シュペー」が搭載機を飛ばしたところイギリス巡洋艦と思われる船を発見[29]。それはイギリス重巡洋艦「カンバーランド」であったが、この発見により接触は避けられた[30]。この出来事の後、補給作業が開始されたが、その最中に水平線上にマストが、続いて煙突も視認され、退避行動がとられた[31]。しかし、これに該当する船は確認できない[32]。

「アドミラル・グラーフ・シュペー」と「ドイッチュラント」の航跡

9月25日、積極的な通商破壊戦に移れとの命令が届いた[33]。「アドミラル・グラーフ・シュペー」艦長ラングスドルフはブラジル沖で作戦を行うことに決め、9月27日に「アルトマルク」と別れてそちらへ向かった[34]。敵を混乱させることを狙ってラングスドルフは「アドミラル・シェーア」の振りをすることにし、艦名の書かれた箇所が「アドミラル・シェーア」と書き換えられた[35]。

9月30日、ケロシンを積んだイギリス貨物船「クレメント」を沈めた[36]。同船は「アドミラル・グラーフ・シュペー」搭載機から銃撃を受け、船長ハリスは総員退船を命じた[37]。また、「クレメント」はRRR（水上艦から攻撃を受けた際の信号）を発信した[38]。ハリスと機関長ブライアントは「アドミラル・グラーフ・シュペー」に収容された[39]。その後「アドミラル・グラーフ・シュペー」は「クレメント」へ魚雷2本を発射したものの外れ、主砲まで使って「クレメント」を沈めた[40]。同日、ギリシャ船「パパレモス」を臨検し、ハリスとブライアントはその船へ移された[41]。また、「アドミラル・グラーフ・シュペー」は「アドミラル・シェーア」の名で「クレメント」の救命艇の救助を求める通信を発した[42]。その後、「アドミラル・グラーフ・シュペー」はアセンション島とセントヘレナの中間点へ向かった[43]。「クレメント」の沈没はイギリス海軍とフランス海軍による複数の狩猟部隊の編成に繋がった[44]。

10月4日にアセンション島とセントヘレナの間を通過すると「アドミラル・グラーフ・シュペー」は北東へ向かった[45]。10月5日、トウモロコシを積んだイギリス船「ニュートン・ビーチ」を拿捕した[46]。同船は微弱な救難信号を発し、それはイギリス船「マートランド」が受信して重巡洋艦「カンバーランド」へ伝えたが、同艦は無線封止を続けたため、この情報は役立てられることなく終わった[47]。10月7日、砂糖を積んだ貨物船「アシュリー」を拿捕し、砂糖を移載した後、爆薬で沈めた[48]。また、ラングスドルフが捕虜収容船として使うつもりであった「ニュートン・ビーチ」も、低速すぎたため沈められた[49]。

10月10日、イギリス船「ハントスマン」を拿捕[50]。ラングスドルフは欺瞞のため「ハンツマン」から「ニュートン・ビーチ」のものとする潜水艦から攻撃を受けたという無線を発信させたが、それを受信したところはなかった[51]。その後、「アドミラル・グラーフ・シュペー」は速度の遅い「ハンツマン」を分離して「アルトマルク」との会合場所へ先行した[52]。10月14日に「アドミラル・グラーフ・シュペー」は「アルトマルク」と会合し、補給を受けた[53]。「ハンツマン」は捕虜が「アルトマルク」に移され、戦利品が運び出された後、沈められた[53]。

10月22日、鉄鉱石を積んだ貨物船「トレヴァニオン」を沈めた[54]。「トレヴァニオン」はRRRを発信したため「アドミラル・グラーフ・シュペー」から機銃掃射を受けた[55]。「トレヴァニオン」の信号はイギリス船「ランスティファン・キャッスル」が受信したものの、それは「銃撃サル」という不完全なものであった[56]。だが、それを受けてケープタウン・フリータウン間の航路の捜索が実施されている[57]。

10月23日、「アドミラル・グラーフ・シュペー」は搭載機が発見した船を捕捉しようとしたが、その船は発見できなかった[58]。その船が飛行機を発見して転舵したとしか考えられず、イギリス側に通報された虞もあるため、「アドミラル・グラーフ・シュペー」はその場から急いで離れた[59]。

10月28日に「アドミラル・グラーフ・シュペー」はトリスタン・ダ・クーナ島沖で「アルトマルク」と会合し、給油を受けるとともに「トレヴァニオン」の船員を「アルトマルク」へ移した[60]。ラングスドルフはインド洋へ向かうことに決め、10月29日に「アドミラル・グラーフ・シュペー」は東へ向け出発した[61]。また、ラングスドルフは乗員100名ほどに鉄十字勲章を授与した[62]。

「アドミラル・グラーフ・シュペー」は11月8日にはマダガスカルの南に達し、獲物を探したものの何も見つからなかった[63]。そこで、ラングスドルフはロレンソ・マルケスの方へ向かうことにした[64]。11月15日、小型タンカー「アフリカ・シェル」を沈めた[65]。同船は船長のみ「アドミラル・グラーフ・シュペー」に収容され、他は救命艇で陸へ向かった[66]。「アドミラル・グラーフ・シュペー」の今後の行動についてのイギリス側の推測は引き続きはインド洋に留まるというものであると判断し、ラングスドルフは大西洋へ戻ることにした[67]。

大西洋に戻った「アドミラル・グラーフ・シュペー」は11月26日に「アルトマルク」と会合し、補給を受けた[68]。また、イギリス戦艦に似せるため、偽の砲塔と煙突が作られた[69]。「アドミラル・グラーフ・シュペー」は11月29日に「アルトマルク」と別れ、東北東へ向かった[70]。

12月2日、イギリス貨物船「ドリク・スター」を発見[71]。ラングスドルフは同船を戦利品にしようとしたが、主機が破壊されており、爆薬に加えて砲弾と魚雷1本を使用して沈められた[72]。翌日、「タイロア」を捕捉[73]。この船も操舵機構が壊れているとのことで魚雷で沈められた[74]。この2隻はともに無電を発した[75]。その後、「アドミラル・グラーフ・シュペー」は南アフリカの方へ向かい、12月6日には「アルトマルク」と会合して補給と捕虜の移送を行った[76]。12月7日には小麦を積んだ貨物船「ストレオンシャール」を発見し、沈めた[77]。「アドミラル・グラーフ・シュペー」はラプラタ川の方へ向かったが、そこには「ドリク・スター」と「タイロア」の信号を受けて敵の次の目的地をラプラタ川と判断したイギリスのハーウッド代将麾下の重巡洋艦「エクセター」、軽巡洋艦「エイジャックス」、「アキリーズ」が集まっていた[78]。

1939年12月13日、「アドミラル・グラーフ・シュペー」は、ハーウッド提督が率いるイギリス連邦英連邦の重巡1隻と軽巡2隻に捕捉された[8]。ラングスドルフ艦長には「敵の艦船と戦闘するなかれ」という本国からの厳命があった[79]が、相手を「巡洋艦1隻、駆逐艦2隻」と判断したラングスドルフ艦長は「英艦隊を撃滅してから近くにいるはずの輸送船団を攻撃しよう」と判断[8]。ラプラタ沖海戦が勃発した。海戦時、シュペーには約60名の捕虜が収容されていた[80]。

→詳細は「ラプラタ沖海戦」を参照

この戦闘で「アドミラル・グラーフ・シュペー」は「エクセター」を撃破したが[81]、被害も甚大であった[注釈 6]。 機関の給気口には多数の砲弾が命中、艦体も数ヶ所貫通されていた[79]。食糧貯蔵庫も破壊された[83]。戦死傷者は約100名におよんだ[84]。 冬季の北大西洋の激浪に耐えて本国へ帰還できる状態にはなく、ラングスドルフ艦長は中立国ならば助けてくれると考え[79]、最寄りの中立国であるウルグアイのモンテビデオ港に艦を退避させた[82]。 しかしウルグアイは中立国とはいえイギリスの影響力の強い国であり、ウルグアイは72時間以上の修理期間を認めなかった[注釈 7]。 滞在期間中、戦死者36名を陸上に埋葬し[86]、艦長はインタビューに答えた[82]。そして本格的修理もできないまま、帰国が絶望的な最後の航海に出ざるをえなかった。

停泊期間中、イギリスは外交交渉や公共放送を活用して「シュペー」を追い詰めた[87]。イギリス海軍の宣伝放送やドイツからの情報により[88]、ラングスドルフ艦長は、巡洋戦艦「レナウン」や[注釈 8]、空母「アーク・ロイヤル」など有力な艦隊によって脱出路を封鎖されてしまったと判断した。ウルグアイ政府が提示した港からの退去期限を迎えた12月17日、明らかな負け戦によって乗組員を危険にさらすことを避けるため、大部分の乗組員をドイツ商船「タコマ」に移乗させた[2][89]。そして「アドミラル・グラーフ・シュペー」を残る40名の乗組員とともにモンテビデオ港外へ出し、自沈させた。 自沈の様子は、NBCがラジオ放送で実況した[注釈 9]。また撮影された動画は、ニュース映画として公開された[90]。 自爆前に乗組員は全員タグボートに移乗し、アルゼンチンに向かった[注釈 10]。「タコマ」はウルグアイに戻って抑留されたが[注釈 11]、乗組員の大部分は小型艇に移乗してブエノスアイレスに到着した[2]。

ラングスドルフ艦長は艦と運命を共にしようとしたが、ラングスドルフ艦長を慕う乗員たちが「艦長を死なせたくない」と、半ば力ずくで艦から引きずり出した[92]。艦を離れる間、ラングスドルフ艦長は物思いにふけっていた[92]。 なおドイツからは「自沈の際は遺憾なきをなせ」との指示はあったものの、ラングスドルフ艦長は自沈の責任を取った。アルゼンチンのブエノスアイレスで12月18日にインタビューに応じ[85]、将校達と対談した[93]。12月19日、ドイツ大使、両親、妻へ手紙を書き残し[94]、ハーケンクロイツ旗ではなく自沈前に回収していた軍艦旗を身体にまきつけると、ピストル自殺した[95][96]。

妻への最期の手紙にはこう書かれていた。

このような状況におかれた時、名誉を重んじる指揮官なら艦と運命を共にする。それが当然の決断だ。私は、部下の身の安全を確保する事に奔走していたために、決断を先延ばしにしていた
　「ヒトラーの軍艦自沈の真相」ナショナルジオグラフィックチャンネル（生存者の証言より）[79]

ヒトラーは最後まで戦わなかったラングスドルフ艦長の処置に強い不満を示した[8]。艦長を「臆病者」と非難したが、ラングスドルフ艦長にとっては乗組員たちの安全を確保する事のほうが大事だった。ただし、ドイツ政府筋は公共放送を通じてラングスドルフ艦長のドイツ軍人精神を賞賛する[94]。艦長の自決は、日本でも大きな反響を呼んだ[94]。

ラングスドルフ艦長がアルゼンチン政府に交渉した乗組員への善処は認められず、乗組員は全員抑留された[97]。その後、一部はコルドバ州のヴィラ・ヘネラル・ベルグラーノに定住した。雑役として「シュペー」に乗り込んでいた中国人は開放された[89]。

1940年1月には、当時中立国だったアメリカ海軍の軽巡「ヘレナ」がモンテビデオを訪問した。「シュペー」の残骸を見学したほか、乗組員とも面会している。イギリスは潜水調査をおこなったが、探索中に潜水事故も発生したという[98]。

自沈の理由

[編集]
自沈後、炎上を続けるアドミラル・グラーフ・シュペー

「アドミラル・グラーフ・シュペー」の自沈の理由としては、古くから宣伝放送による敵艦隊勢力の誤認、弾薬の欠乏（事実ではない）、ラングスドルフ艦長の敢闘精神の欠如などさまざまな説が考察されてきた。艦長は自決直前のインタビューで「燃料は充分だったが、約二週間の修理を必要とするのにウルグアイ政府が72時間しか猶予を与えられなかったからだ」と述べている[85]。戦後しばらくたってから、当時の乗組員であった技術将校の証言により、同艦はドイッチュラント級装甲艦共通の構造的欠陥に起因する損傷を受けていたことが明らかになった。

船舶用ディーゼル燃料は常温では粘度が高くそのまま機関に供給できないため、ドイッチュラント級装甲艦では燃料タンクと機関とのあいだに中間タンクを設置して一旦燃料を加熱し、液状化させた後に機関に送り込む構造となっていた。特に高緯度低温の海域ではこの燃料処理が必要不可欠だった。ところが、中間タンクにボイラーからの蒸気を供給するパイプの一部が非装甲で上甲板に露出しており、そこへ6インチ砲弾一発が命中して燃料処理システムを破壊してしまった。その結果、豊富な燃料の大部分は加熱できず使用不能となり、中間タンクに残っていた処理済み燃料は16時間分にすぎず、本国帰還はもちろんのことイギリス巡洋艦隊との戦闘継続すらおぼつかない状態にあった。そのようなドイッチュラント級装甲艦の弱点は軍最高機密であり当時公にはされなかった[99]。

損傷箇所の修理には約2週間が必要と考えられたが、イギリスの圧力から大戦に巻き込まれることを恐れたウルグアイ政府から72時間以内の出国要請が通告され、それが動かぬものとなったとき、同地での抑留を禁じられたラングスドルフ艦長は自沈以外の選択を失ったのである[85][100]。

アドミラル・グラーフ・シュペーの引き揚げ

[編集]
モンテビデオに展示されているアドミラル・グラーフ・シュペーの測距儀

この装甲艦の所有権を有するドイツ連邦政府の抗議にもかかわらず、水深8メートルに沈む残骸をクレーン船の助けを借りて引き揚げる作業が2004年2月に開始された。この作業は民間投資家とウルグアイ政府が資金負担している。理由は残骸が船舶の航行に危険を生じさせているからである。何回かの不首尾があった後、2月25日に比較的大きな残骸が初めて引き揚げられた。それは27トンもある測距儀であった。引き揚げ作業は2007年に完了する予定であったが、2009年、大統領令により、引き揚げ作業は中止された。

2006年2月にはアドミラル・グラーフ・シュペーの艦尾を飾った、ハーケンクロイツを掴む羽を広げた鷲をかたどった、重さ 400kg の主権紋章が引き揚げられた。この鷲章はおよそ 2m の大きさで、羽を広げた長さは 2.8m に達する。これは数十万ドルの値打ちがあると見積もられている。2006年8月、民間の引き揚げ会社がウルグアイ政府の意に反してこのナチのシンボルを販売する意志を発表した時、大きな論争を引き起こした。ネオナチ・グループはこれに関心を示し、ある者は3百万ドルで購入する準備があると表明しているとドイツのフランクフルター・ルントシャウ紙 (Frankfurter Rundschau) は伝えている。タイタニック号引き揚げのドキュメンタリー映画のジェームズ・キャメロン監督が引き揚げの様子を映像に残している。すべて引き上げられた後は、艦を復元してモンテビデオ市の国立海事博物館に展示することが計画されている。

艦長

[編集]
1936年1月6日 - 1937年10月1日 海軍大佐 Conrad Patzig
1937年10月2日 - 1938年10月 海軍大佐 Walter Warzecha
1938年10月 - 1939年12月17日 海軍大佐 ハンス・ラングスドルフ

登場作品

[編集]
『アズールレーン』
『戦艦シュペー号の最後』
1956年のイギリス映画。劇中ではアメリカ海軍のデモイン級重巡洋艦「セーラム」が「代役」を務めており、塗装や艦番号はアメリカ軍仕様のまま、変更を加えない姿で登場する。これについて、作中で「アメリカ軍の艦に偽装するため塗装を変更した」と言及されている。艦長室には、ジョージ6世戴冠記念観艦式での「シュペー」写真が飾られている。また実際の「シュペー」も、偽の煙突を増設したり、レナウン級巡洋戦艦に見せかけるなどのカモフラージュをおこなっていた[85]。
『ハイスクール・フリート』
2016年の日本のアニメーション。ドイツの海洋学校のヴィルヘルムスハーフェン校所属の小型直接教育艦として登場。作中では「アドミラル・シュペー」、もしくは「シュペー」と呼称される。
『War Thunder』
Ver1.95においてドイツ海軍ランクVに装甲艦として実装された。
『World of war ships』
ドイツティア６プレミアム巡洋艦として実装

脚注

[編集]
[脚注の使い方]

注釈

[編集]
  1. ^ 戰艦"アドミラル・グラーフ・シュペー　Admiral Graf Spee"[6]　全要目｛排水量10,000噸　速力26節　備砲28糎砲6門　15糎砲8門　8.8糎高角砲6門　魚雷發射管(53糎)8門　起工1932年10月　進水1934年6月　建造所ウイルヘルウスハーフエン海軍工廠｝　對英三割五分の海軍力保有量を贏ち得た獨逸は、目下26,000噸の本式の戰艦二隻を建造中である。この新戰艦が出來あがつた暁は、ポケット戰艦は28糎主砲をもつた一萬噸重巡として、英佛伊の20糎主砲甲級巡洋艦の一枚上を行く、怖るべき存在となるであらう。獨逸はもともとこの事を注意深く念頭に置いてゐたものであらうか。空からの攻撃に對する防禦に於いても、航續距離の延長、戰闘速力の躍進についても、四聯装魚雷發射管を整備した周到振りを見ても再び海外に雄飛せんとする新獨逸國にふさはしい海軍の中堅部隊をなしてゐることを痛感する。
  2. ^ 【本社特約INS電送寫眞】[10]　英國巡洋艦三隻と激戰十五時間の後モンテビデオ港に入港した獨逸豆戰艦グラフ シュペー號(上圖)と英艦の砲彈が同艦の舷側に明けた大穴(下圖)　上圖前面は右豆戰艦の襲撃を受けつゝある際英國巡洋艦の来援によつて危い所を助かつた佛國商船フオルモーズ號が敵艦と同じく中立國の港へ入港してゐる處（記事おわり）
  3. ^ 【本社特約INPS電送】[12]　今は亡きランクスドルフ艦長の命令一下轟然たる爆音と共に沈み行く獨袖珍戰艦グラーフシュペー號を空から撮影した寫眞（記事おわり）
  4. ^ （三十日ウイルヘルムスハーフエン發）[17]　獨逸第三の豆戰艦は本日進水しスピー提督の名をそのまゝ同艦名とした、進水式にはスピー提督の令嬢が綱を切り且つ命名に當つた（記事おわり）
  5. ^ 【ベルリン二十三日發國通】[22]　ドイツ袖珍戰艦アドミラル・グラーフ・シュペー號は二十三日急遽スペイン近海へ向け出動した、袖珍戰艦アドミラル・シエーア號、ニュールンベルグ號、巡洋艦ケルン號、驅逐艦テイーゲル號、ルツクス號、ゼーアドラ號、アルバトロス號等も既にポルトガル又はスペイン近海に遊弋し、シュペー號はこれ等と合體、權益保護の任に就く筈である（記事おわり）
  6. ^ （モンデビデオ十六日特報）[82]　十三日午前六時頃ブラジル沖で英巡洋艦エクゼター號を遠方に撥見したがその時本艦は爆彈缺乏のため危險状態にあつたのでこれと交戰を避けて南方へ向つたところ間もなくアジヤツクス及びアキレスの兩巡洋艦と遭遇した。敵の二艦は本艦が東方に迂廻して英艦の沖合へ逃避するを防止せんとする隊形を取つたが本艦は燃料不足のため沖には出られず淺瀬に坐礁しさうになるのを辛うじて切り抜けやうとしたが遂に進退兩難の窮地に追いつめられ、進んで攻勢に出でこの圍みを逃れる氣如かずと意を決して窮鼠の逆襲に出た本艦は　先づ最も大　きな敵のエクセダー號を砲撃大打撃を與へたのち他の兩艦に對抗したが驚くべしこの輕巡二隻の火力は實に猛烈で六インチ砲とはいひながら砲彈は續々わが艦に命中大損害を與へ艦上は死傷者が相次いで出た。敵の砲撃ぶりは實に天晴なもので余(艦長)も負傷したほどであつた　その後幾度か沖合へ逃れんとしたが敵の輕巡二隻は實に巧みな操縦と快速をもつて本艦の行動を妨害しつゝある時は大膽にも一マイルの近くに接近して命中彈を浴びせた。こゝでわが方はモンテビデオ入港を決心し敵を壮烈な移動戰(追撃戰)を交へつゝ幾度か追ひつかれさうになりながらたちまち開き直つて一薺射撃を加へるといふ戰法を取つてつひに港内に入つたのである。これは最初から不利な情勢を知りつゝ止むを得ず戰つたのである（記事おわり）
  7. ^ 【ブエノスアイレス十八日同盟】[85]　グラフ・スペー號艦長以下乗組員は十八日午後ブエノスアイレスに上陸したが、スペー號艦長ハンス・ラングスドルフ大佐は開戰以來南北大西洋から印度洋におけるスペー號の縱横の活躍ならびにモンテビデオ沖の自沈に至るまでの經過を感慨深い面持ちで次の如く語つた／予がスペー號を自沈せしめた理由は予が軍人であり且つスペー號が中立國港灣で抑留され、或は敵艦の砲彈により撃沈されるのを見るに忍びなかつたためである、スペー號は開戰以來主として大西洋の南北、北海上で通商破壞戰に從事し更に印度洋にまで遠征した、我々は屡々僞装して敵艦を愚弄し、或るときはスペー號に僞の煙突を作り、上部構造物を變へて英國巡洋戰艦リナウン號に變装したこともあつた、英海軍は予がスペー號をモンテビデオ港外の浅瀬において自沈せしめる計畫を本気にしなかつたが、浅瀬は深海よりも好都合なものである、予はスペー號が完全に破壞し、誰にも利用されるが如き如何なる部分も殘さなかつたと確信している／　續いて同艦長ウルグワイ政府がスペー號に對して執つた措置を攻撃して左の如く述べた　スペー號は修理のため少く共十五日間のモンテビデオ碇泊を必要とする状態にあつたが、ウルグワイ政府は僅か七十二時間の碇泊期間しか與へなかつた、スペー號は十四時間の海戰にも拘らず燃料は何等不足なくスペイン沿岸まで到着するに充分の燃料を持つてゐたのである、我々が乘組員の最後の上陸地としてウルグワイよりもアルゼンチンを選んだのは上記の如くウルグワイ政府の反對に基くものである（記事おわり）
  8. ^ 英國巡洋戰艦　伯国リオ港へ（リオデジャネイロ十六日特報）[82]　英國巡洋戰艦リナウン號（三万二千トン、十五吋砲六門装備）はブラジルのリオデジヤネイロ港附近にあり本日ブラジル當局へ同港入港を許可されたしと申請した。リオ市は獨艦グラフシュペー號が入港してゐるモンテビデオの東北方約千二百浬、リナウン號は速力二十九ノットである（記事おわり）
  9. ^ 劇的自爆場面　NBC放送局員の放送【ニューヨーク十七日同盟】[2]　グラーフ・スペー號の出港に備へモンテビデオ海岸で實況放送準備を整へた米國NBC放送局ジームス・ボーエン君は同號の劇的自爆場面を左の如く放送した　グラーフ・スペー號が爆發してゐる、沖合五海里の地點で爆發してゐる、爆沈はヒトラー總統の命令だといふが眞僞の程はまだわからぬ、いろ〱な風説が右往左往し始めた、ああ、又爆發、續いて又も爆發だ、スペー號が見えて來た、どん〱沈んで行く三回目の爆發でスペー號は眞二つになつた、愈々最後だ、もうスペー號は海中に没してしまつた、タコマ號が乗組員救助のため現場に驀進してゐる（記事おわり）
  10. ^ 乗組員悉く救助さる【モンテビデオ十八日同盟】[2]　當地ドイツ官邊の發表によれば、スペー號乗組員は悉く救助され、タコマ號に収容された以外のものはラングスドルフ艦長指揮のもとに曳航船二隻とモーターランチに分乗し、目下ブエノスアイレスに向け航行中であると云はれる（記事おわり）
  11. ^ 【モンテビデオ二十九日同盟】[91]　ウルガイ政府は二十九日獨逸油槽船タコマ號を抑留するに決しバルドミール大統領が其の手續きを採つたと確聞する、然して其の理由とする所は同汽船がグラーフ・スペー號自爆の際附近に待機し同艦員を救助したことは補助艦たると同様で國際法規に違反すると言ふにある（記事おわり）

出典

[編集]
  1. ^ ジョーダン、戦艦 1988, pp. 30–35ドイツ、ドイッチュラント級
  2. ^ a b c d e f g “（シュペー記事関連）”. Nippu Jiji, 1939.12.18. pp. 01. 2024年6月16日閲覧。
  3. ^ a b “豆戰闘艦　第三號が進水　小さい乍ら恐しい代物”. Shin Sekai Nichinichi Shinbun, 1934.04.30. pp. 01. 2024年5月17日閲覧。
  4. ^ ジョーダン、戦艦 1988, p. 8.
  5. ^ 壮烈!ドイツ艦隊 1985, pp. 30–33一万トン級小型戦艦を建造
  6. ^ a b #ポケット海軍年鑑(1937) p.161
  7. ^ 壮烈!ドイツ艦隊 1985, pp. 44–48ポケット戦艦で通商破壊作戦
  8. ^ a b c d 戦史叢書、大本營海軍部・聯合艦隊(1) 420-422頁〔 開戦初期の不徹底な独海軍作戦 〕
  9. ^ ジョーダン、戦艦 1988, p. 33.
  10. ^ “（ウルグアイ港のシュペー写真）”. Kashū Mainichi Shinbun, 1939.12.16. pp. 03. 2024年5月18日閲覧。
  11. ^ 壮烈!ドイツ艦隊 1985, pp. 56–59「シュペー」と艦長の劇的な最期
  12. ^ “（炎上して着底したシュペーの空撮写真）”. Kashū Mainichi Shinbun, 1939.12.22. pp. 01. 2024年5月18日閲覧。
  13. ^ “世界の壓迫に反撥　シ號の威力・・・・　科學獨逸が誇る最新鋭艦”. Shin Sekai Asahi Shinbun, 1939.12.19. pp. 01. 2024年5月18日閲覧。
  14. ^ 壮烈!ドイツ艦隊 1985, pp. 12–14.
  15. ^ #法律問題p.1『「アドミラル・グラーフ・シュペー」號事件』
  16. ^ 戦史叢書、大本營海軍部・聯合艦隊(1) 416-418頁〔 欧州戦勃発によるZ建艦計画の消滅 〕
  17. ^ “獨逸豆戰艦　第三號進水”. Singapōru Nippō, 1934.07.05. pp. 02. 2024年5月18日閲覧。
  18. ^ “ドイツ機四機　ロタエタス飛行場爆撃　”. Manshū Nichinichi Shinbun, 1937.01.26 Edition 02. pp. 01. 2024年5月18日閲覧。
  19. ^ “マラガへ革軍侵入　凄惨！虐殺始まる　スペイン内亂更に深刻化”. Singapōru Nippō, 1937.02.09. pp. 02. 2024年5月18日閲覧。
  20. ^ “十七ヶ國の軍艦参加し威風堂々の大觀艦式　足柄第四位に ― 英帝御親閲　伊艦だけは不参加 ― 英伊關係の反影か？”. Shin Sekai Asahi Shinbun, 1937.05.23. pp. 02. 2024年5月18日閲覧。
  21. ^ “西班牙内亂をめぐり歐洲の天地再び風雲急　獨伊の軍事行動積極化　地中海待機中の英佛艦隊頓に緊張／獨伊軍艦待機　スペイン沖に集合”. Nippu Jiji, 1937.06.24. pp. 12. 2024年5月18日閲覧。
  22. ^ “獨艦スペイン近海へ”. Manshū Nichinichi Shinbun, 1937.06.25 Edition 02. pp. 01. 2024年5月18日閲覧。
  23. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』38-40ページ、German Capital Ships of World War Two, pp. 93-94
  24. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』59-60、62ページ
  25. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』63ページ
  26. ^ a b 『大西洋戦争　上』64ページ
  27. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』65ページ、『大西洋戦争　上』65ページ
  28. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』66ページ、『大西洋戦争　上』65ページ
  29. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』66-67ページ
  30. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』69-71ページ
  31. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』69ページ
  32. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』78ページ
  33. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』72ページ
  34. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』75ページ、『大西洋戦争　上』65ページ
  35. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』76-77ページ
  36. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』78-83ページ、『大西洋戦争　上』65-66ページ
  37. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』80-81ページ、『大西洋戦争　上』66ページ
  38. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』54、81、90ページ
  39. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』82-84ページ
  40. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』83ページ、『大西洋戦争　上』66ページ
  41. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』84ページ
  42. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』84-85ページ
  43. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』85ページ
  44. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』90-104ページ
  45. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』105ページ
  46. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』105-107ページ、『大西洋戦争　上』67-68ページ
  47. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』106、147-148ページ
  48. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』107-109ページ、『大西洋戦争　上』68ページ
  49. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』106、110-111ページ
  50. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』111-112ページ
  51. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』112-113、116ページ
  52. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』113ページ
  53. ^ a b 『大西洋戦争　上』72ページ
  54. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』118-120ページ、『大西洋戦争　上』72-73ページ
  55. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』119-120ページ
  56. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』156-157ページ
  57. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』157ページ
  58. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』120ページ
  59. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』121ページ
  60. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』121ページ、『大西洋戦争　上』74ページ
  61. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』122ページ、『大西洋戦争　上』74ページ
  62. ^ 『大西洋戦争　上』74ページ
  63. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』122ページ
  64. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』123ページ
  65. ^ 『大西洋戦争　上』82ページ
  66. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』125-127ページ
  67. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』127-128ページ
  68. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』128-130ページ
  69. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』132-133ページ、『大西洋戦争　上』83ページ
  70. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』133ページ
  71. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』134-136ページ、『大西洋戦争　上』86ページ
  72. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』135-136ページ
  73. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』138-139ページ
  74. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』139ページ
  75. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』135-139ページ
  76. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』140-141ページ
  77. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』141ページ、『大西洋戦争　上』90ページ
  78. ^ ポープ『ラプラタ沖海戦』144、176-179、181ページ
  79. ^ a b c d 「ヒトラーの軍艦自沈の真相」ナショナルジオグラフィックチャンネル
  80. ^ #独英海戦記 p.25〔 獨艦内の捕虜　この時獨艦内には、六十一名の英人捕虜があつた。〕
  81. ^ 連合軍艦艇撃沈す 2013, pp. 92–94被弾して修理・改造
  82. ^ a b c d “英艦の戰闘振りは　敵乍ら天晴れ　獨艦長語る”. Kashū Mainichi Shinbun, 1939.12.17. pp. 01. 2024年5月18日閲覧。
  83. ^ #独英海戦記 p.28〔 ところで、英艦の弾丸は、この艦の厨房やパンなどを焼くところ、その他糧食庫を破壊したので、コーヒーなどはこさへることが出来ない。〕
  84. ^ #独英海戦記 p.37〔 獨艦の戰死者は三十六名で負傷者は約六十名であつた。前記専門委員の報告によれば、同艦は少くも二十七回命中弾をうけ、その中の少くも一回は司令塔にあたつてゐた。〕
  85. ^ a b c d e “南北大西洋から印度洋迄　スペー號悔なき戰績　今日までの活躍と自沈に至る經緯 ラ艦長ブヱノスアイレスで語る”. Nippu Jiji, 1939.12.19. pp. 01. 2024年6月16日閲覧。
  86. ^ “戰死三十六勇士の葬儀執行さる　ウ國儀仗兵も参列す”. Nippu Jiji, 1939.12.15. pp. 01. 2024年5月18日閲覧。
  87. ^ 壮烈!ドイツ艦隊 1985, pp. 53–56ラプラタ河口に避退
  88. ^ “英艦七隻に佛戰艦も参加　スペー號の出港を待機　獨逸潜水艦隊來援説も傳へられ　大海戰の時期刻々と迫る／世界注目の的獨逸袖珍戰艦グラーフ・スペー號（正面から見た主砲と艦橋写真）”. Nippu Jiji, 1939.12.16. pp. 01. 2024年5月18日閲覧。
  89. ^ a b “シュペー號乘組の　支那人六名寄港　今朝ビアンカマノ號入港”. Singapōru Nippō, 1940.02.14. pp. 03. 2024年6月16日閲覧。
  90. ^ “噫！シュペー號の最後　銀映劇場”. Manshū Nichinichi Shinbun, 1940.01.30 Edition 02. pp. 02. 2024年6月16日閲覧。
  91. ^ “ウルガイ國獨船を抑留”. Nippu Jiji, 1940.01.01. pp. 03. 2024年6月16日閲覧。
  92. ^ a b 「ヒトラーの軍艦自沈の真相」ナショナルジオグラフィックチャンネル（生存者の証言より）
  93. ^ “自爆獨艦スペー號艦長　非壮な自殺を遂ぐ　獨逸軍人魂を遺憾なく發揮”. Nippu Jiji, 1939.12.20. pp. 01. 2024年6月16日閲覧。
  94. ^ a b c “烈々たる獨逸魂の精華！　今次戰の崇高な悲劇　ラ艦長自決の報に日本國民威動　早くも弔慰金を贈る者續出の有様／自爆獨艦スペー號艦長　非壮な自殺を遂ぐ　獨逸軍人魂を遺憾なく發揮”. Nippu Jiji, 1939.12.20. pp. 03. 2024年6月16日閲覧。
  95. ^ #独英海戦記 pp.41-42〔 ラングスドルフ大佐の自決 〕
  96. ^ “自沈のシュ號艦長　ラ大佐拳銃自殺　悲壮な遺書を遺して”. Manshū Nichinichi Shinbun, 1939.12.22 Edition 02. pp. 01. 2024年5月18日閲覧。
  97. ^ “歐洲大戰つれづれ草　陸では自爆せず　シュペー號乗組員のその後”. Manshū Nichinichi Shinbun, 1940.03.12. pp. 06. 2024年6月16日閲覧。
  98. ^ “京雀のおしゃべり”. Aruzenchin Jihō, 1941.04.08. pp. 04. 2024年6月16日閲覧。
  99. ^ "Starshell" by The Naval Officers Association of Canada; Volume VII, Number 34, Spring 2006
  100. ^ “ウルグワヰ政府　英佛の壓迫に屈せり　國際法違反だと獨逸政府大憤慨　國際法違反だと獨逸政府大憤慨”. Burajiru Jihō, 1939.12.20. pp. 01. 2024年5月18日閲覧。

参考文献

[編集]
  • アジア歴史資料センター（公式）
    • Ref.A06031081000『写真週報215号』。 
    • Ref.B02032408400『13 第二次欧洲戦争ニ於ケル国際法律問題関係資料(四)7』。 
      「アドミラル・グラーフ・シュペー」号事件の研究
  • ゴードン・ウィリアムソン『世界の軍艦イラストレイテッド 2ドイツ海軍のポケット戦艦1939-1945』柄澤英一朗（訳）、大日本絵画、2005年、ISBN 9784499228992
  • 木俣滋郎「(7) イギリス重巡洋艦「エクゼター」」『連合軍艦艇撃沈す　日本海軍が沈めた艦船21隻の航跡』潮書房光人社〈光人社NF文庫〉、2013年8月。ISBN 978-4-7698-2794-8。 
  • 酒井三千生 『ラプラタ沖海戦』出版協同社、1985年、ISBN 4879700401
  • ジョン・ジョーダン『戦艦　AN ILLUSTRATED GUIDE TO BATTLESHIPS AND BATTLECRUISERS』石橋孝夫 訳、株式会社ホビージャパン〈イラストレイテッド・ガイド6〉、1988年11月。ISBN 4-938461-35-8。 
  • リチャード・ハンブル「3　ポケット戦艦「シュペー」」『壮烈！ドイツ艦隊　悲劇の戦艦「ビスマルク」』実松譲 訳、サンケイ出版〈第二次世界大戦文庫 26〉、1985年12月。ISBN 4-383-02445-9。 
  • レオンス・ペイヤール、長塚隆二 訳、大西洋戦争〔上〕<1939〜42年、絶頂期のドイツ海軍>、早川書房、1981年
  • 防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書　大本營海軍部・聯合艦隊(1)　―開戦まで―』 第91巻、朝雲新聞社、1975年12月。 
  • ダドリー・ポープ『ラプラタ沖海戦 グラフ・シュペー号の最期』内藤一郎（訳）、早川書房、1978年、ISBN 4150500312
  • M. J. Whitley, German Capital Ships of World War Two, Cassell, 2000, ISBN 0-304-35707-3

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]
ウィキメディア・コモンズには、アドミラル・グラーフ・シュペー (装甲艦)に関連するメディアがあります。

前級：-　次級：アドミラル・ヒッパー級

「https://ja-two.iwiki.icu/w/index.php?title=アドミラル・グラーフ・シュペー_(装甲艦)&oldid=102652295」から取得