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ハッサン・ヌダム・ヌジカム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アッサン・エンダムから転送)
ハッサン・ヌダム・ヌジカム
基本情報
本名 ハッサン・ヌダム・ヌジカム
通称 Phenomeno(驚異的)
階級 スーパーミドル級
身長 180.5cm[1]
リーチ 188cm[1]
国籍 フランスの旗 フランス
誕生日 (1984-02-18) 1984年2月18日(40歳)
出身地 カメルーンの旗 カメルーン ヤウンデ
スタイル オーソドックス
プロボクシング戦績
総試合数 44
勝ち 38
KO勝ち 21
敗け 6
テンプレートを表示
獲得メダル
カメルーンの旗 カメルーン
男子 ボクシング
アフリカ競技大会
2003 アブジャ ミドル級
アフリカアマチュアボクシング選手権
2003 ヤウンデ ミドル級

ハッサン・ヌダム・ヌジカムHassan N'Dam N'Jikam1984年2月18日 - )は、カメルーン出身のフランスプロボクサーヤウンデ出身。元WBO世界ミドル級王者。元WBA世界ミドル級レギュラー王者。日本のメディアでは2017年5月20日の村田諒太戦決定後の主催者発表に従いアッサン・エンダムと表記されている[2][3]

来歴

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アマチュア時代

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2003年アフリカ競技大会銀メダル[4]アフリカアマチュアボクシング選手権金メダルをいずれもミドル級で獲得した[5]。2004年にアテネオリンピックに出場し、2回戦でアンディ・リーに勝利するも、準々決勝で敗退した。その後フランスに国籍を変更、プロに転向した。

プロ時代

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2004年12月4日、フランスでプロデビュー。3回TKO勝ち。

2010年6月12日、モロッコマラケシュジャマ・エル・フナ広場でオマー・ガブリエル・ウェイス(アルゼンチン)とWBAインターナショナルミドル級王座決定戦を行い、8回KO勝ちを収め、王座を獲得した。

2010年10月30日、パリパレ・デ・スポール・ポルト・ド・ヴェルサイユアフタンディル・クルツィゼグルジア)とWBA世界ミドル級暫定王座決定戦を行い、12回3-0(117-111、2者が115-114)の判定勝ちを収め王座を獲得した[6]

2011年4月2日、ル・カネでジョバンニ・ロレンソ(ドミニカ共和国)と対戦し、5回にヌジカムがプロ初ダウンを奪われたが終始リードを保ち12回3-0(116-110、119-110、119-109)の判定勝ちを収め初防衛に成功した[7]

2012年2月2日、WBA世界ミドル級レギュラー王者ゲンナジー・ゴロフキンとの団体内王座統一戦の入札が予定されていたが、この数日前にヌジカムは暫定王座を返上した。

2012年5月4日、ルヴァロワ=ペレパレ・デ・スポール・マルセル・セルダンマックス・ブーサックWBO世界ミドル級暫定王座決定戦を行い、12回3-0(118-111、2者が118-110)の判定勝ちを収め、WBAに続く暫定王座獲得に成功した。

2012年8月、トレーニング中に負傷したWBO世界ミドル級正規王者ディミトリー・ピログが復帰の目処が立たず、防衛戦が行えないため王座を剥奪され、空位となった正規王者にヌジカムが認定された。

2012年10月20日、バークレイズ・センターダニー・ガルシアエリック・モラレスの前座でピーター・クイリンアメリカ合衆国)と指名試合を行い、12回0-3(3者とも107-115)の判定負けを喫し初防衛に失敗、王座から陥落した[8]

2014年10月1日、カリフォルニア州サンタモニカのバーカー・ハンガーでIBF世界ミドル級6位のカーティス・スティーブンスとIBF世界ミドル級挑戦者決定戦を行い、8回にダウンを奪うなど試合を優勢に進め、12回3-0(119-108、2者が116-111)の判定勝ちを収めサム・ソリマンへの挑戦権を獲得した[9]

2015年6月20日、モントリオールベル・センターでIBF世界ミドル級1位としてIBF世界ミドル級4位のデイビッド・レミュー(カナダ)とIBF世界ミドル級王座決定戦を行い、12回0-3(2者が109-115、110-114)の判定負けを喫し王座獲得に失敗した[10]

2015年11月21日、パリパレ・デ・スポール・ポルト・ド・ヴェルサイユで元IBF世界ミドル級王者のサム・ソリマンとIBF世界ミドル級2位決定戦を行う予定だったが[11]アフタンディル・クルツィゼとの対戦に変更となりIBF世界ミドル級2位決定戦を行う予定だったものの[12]、同月13日に起きたパリ同時多発テロ事件により試合は中止となった[13]

リオデジャネイロオリンピック

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2016年7月、プロボクサーの出場が解禁されたリオデジャネイロオリンピックの出場権を獲得するため、APB & WSB最終予選にライトヘビー級(81kg)で出場し、決勝で敗退したがオリンピックへの出場権は獲得した[14]。同年8月、オリンピック本戦に出場したが1回戦で敗退した[15]

2016年12月17日、サン=ドニでWBA世界ミドル級暫定王者のアルフォンソ・ブランコと対戦し、ミドル級世界戦最短KO記録となる[16]、初回22秒KO勝ちを収め暫定ながら4年ぶりの王座返り咲きとなった[17][18][19]

2017年3月27日、ファイトニュース・ドットコムは同月18日にWBA世界ミドル級レギュラー王者ダニエル・ジェイコブスが同スーパー王者ゲンナジー・ゴロフキンとの団体内王座統一戦に敗れWBA世界ミドル級レギュラー王座が空位となったことに伴い、WBA世界ミドル級暫定王者でWBA世界ミドル級1位のヌジカムとWBA世界ミドル級2位の村田諒太との間でWBA世界ミドル級レギュラー王座決定戦を行うと報道した[20]

2017年5月20日、有明コロシアムでWBA世界ミドル級2位の村田諒太とWBA世界ミドル級レギュラー王座決定戦を行い、12回2-1(116-111、115-112、110-117)の判定勝ちを収め王座獲得に成功した[21][22]。試合後、WBA会長はヌジカムと村田を再戦させる意向を示すと共に「私のスコアは117-110で村田の勝利。まずは村田諒太、帝拳プロモーション、そしてすべての日本のファンに謝らなければならない。このひどい判定によるダメージを修復する言葉はない」と自身のソーシャルメディアにコメントを載せ、この試合の判定に言及した異例の声明を発表した[23][24]。5月24日、JBCは採点の内容に関してWBA会長に文書で抗議したと発表した。試合の採点結果を再検証し、2週間以内の回答を求めたとのこと[25]

2017年5月25日、WBAはヌジカム支持の採点をしたグスタボ・バティージャとヒューバート・アールを6ヵ月間の資格停止処分とし[26][27]、上述のヌジカムと村田の間で行われたWBA世界ミドル級レギュラー王座決定戦の採点に問題があったとしてヌジカムと村田に対し再戦するよう指令を出した[28][29]

2017年10月22日、両国国技館でWBA世界ミドル級第1位の村田諒太と再戦し、7回終了時にヌジカムが棄権した為TKO負けとなり、2度目の防衛に失敗、王座から陥落した[30][31][32]

2018年12月22日、約1年2ヶ月ぶりの復帰戦でWBCミドル級シルバー王者のマーティン・マレーと対戦し、12回判定勝ちを収め王座を獲得した。

2019年6月1日、ニューヨークマディソン・スクエア・ガーデンでWBA世界スーパーミドル級スーパー王者カラム・スミスと対戦し、3回2分56秒TKO負けを喫し王座獲得に失敗した[33][34][35]

2019年12月13日、ロシアのウラジカフカスでWBA世界スーパーミドル級ゴールド王者のヒョードル・チュディノフと対戦し、12回判定負けを喫した。

2020年6月に新興の総合格闘技プロモーション「ARES FC」と契約して総合格闘技に転向すると発表したが[36]、総合格闘技の試合には出場せずにボクシングに復帰し、2021年7月に地元フランスで行われたノンタイトル戦で判定勝利した[37]

2021年11月20日、ラスベガスのミケロブ・ウルトラ・アリーナでWBO世界ミドル級2位のジャニベク・アリムハヌリと対戦したが、8回TKO負けを喫した[38][39]

獲得タイトル

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  • WBAインターナショナルミドル級王座
  • WBA世界ミドル級暫定王座(防衛1=返上)
  • WBO世界ミドル級暫定王座(防衛0=正規王座に認定)
  • WBO世界ミドル級王座(防衛0)
  • WBA世界ミドル級暫定王座(防衛1=レギュラー王座に認定)
  • WBA世界ミドル級レギュラー王座(防衛0)

脚注

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  1. ^ a b トリプル世界戦予備検診、村田諒太ら緊張感アップ Boxing News(ボクシングニュース) 2017年10月18日
  2. ^ 村田諒太の世界挑戦発表、5.20WBAミドル級戦 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年4月3日
  3. ^ 村田が挑むエンダム ボクシングモバイル 2017年4月4日
  4. ^ 8.All-Africa Games - Abuja, Nigeria - October 4-13 2003”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2022年8月24日閲覧。
  5. ^ 12.African Championships - Yaounde, Cameroon - May 9-18 2003”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2022年8月24日閲覧。
  6. ^ アフリカのヌジカム暫定王者に WBAミドル級 ボクシングニュース「Box-on!」 2010年10月31日
  7. ^ ウロダルチェク、フック、ヌジカムの3王者防衛 ボクシングニュース「Box-on!」 2011年4月3日
  8. ^ “キッド・チョコレート”6度倒す圧勝 アレキサンダーはベイリー攻略 ボクシングニュース「Box-on!」2012年10月21日
  9. ^ ESPN2 picks up Stevens-N'Dam eliminator”. ESPN.com (2014年7月30日). 2014年7月31日閲覧。
  10. ^ IBFミドル級はレミューが新王者、海外試合結果 Boxing News(ボクシングニュース) 2015年6月21日
  11. ^ Hassan N'Dam-Sam Soliman, IBF Eliminator Set, 11_21 Boxing Scene.com 2015年9月21日
  12. ^ Tippspiel KW 47 – 20.-26.11.2015 Boxen.de 2015年11月18日
  13. ^ N'Dam-Khurtsidze Card Cancelled Due To Paris Attacks Boxing Scene.com 2015年11月20日
  14. ^ APB/WSB World Olympic Qualifier Jose Maria Vargas Dome, Vargas, Venezuela July 3-8, 2016”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2017年2月2日閲覧。
  15. ^ 31.Olympic Games Riocentro Pavilion 6, Rio de Janiero, Brazil August 6-21, 2016”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2017年2月2日閲覧。
  16. ^ これまでの従来記録は1996年1月27日に行われたバーナード・ホプキンスvsスティーブ・フランクの24秒。 ボクシング世界図鑑248ページ参照
  17. ^ Hassan N’Dam KOs Blanco in 22 Seconds WBA公式サイト 2016年12月17日
  18. ^ N’Dam N’Jikam KOs Blanco to reclaim WBA interim middleweight title Fightnews.com 2016年12月18日
  19. ^ ガンボアの復帰戦中止、ポベトキンは無冠戦勝利… Boxing News(ボクシングニュース) 2016年12月18日
  20. ^ N’Dam vs. Murata Update Fightnews.com 2017年3月27日
  21. ^ N’Dam wins vacant WBA 160lb belt by split nod over Murata Fightnews.com 2017年5月20日
  22. ^ 村田諒太にまさかの判定、ダウン奪うも1-2負け Boxing News(ボクシングニュース) 2017年5月20日
  23. ^ WBA orders N’Dam-Murata rematch WBA公式サイト 2017年5月20日
  24. ^ WBA会長が異例の声明、村田敗退の判定を謝罪 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年5月21日
  25. ^ JBCがWBAに抗議文、村田諒太世界戦の検証求める Boxing News(ボクシングニュース) 2017年5月24日
  26. ^ Padilla and Earle suspended for 6 months WBA公式サイト 2017年5月25日
  27. ^ “WBA会長、村田らに再戦指令 ジャッジ2人は資格停止”. 日本経済新聞. (2017年5月26日). https://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK50220_W7A520C1000000/ 2017年5月26日閲覧。 
  28. ^ WBA ratifies Rematch N’Dam-Murata and orders Barthelemy-Relikh 2 WBA公式サイト 2017年5月25日
  29. ^ WBAがジャッジ2人を資格停止処分、村田判定問題 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年5月26日
  30. ^ Murata dethrones N’Dam Fightnews.com 2017年10月22日
  31. ^ Murata stops N’Dam in Tokyo to win WBA title WBA公式サイト 2017年10月22日
  32. ^ 村田諒太がエンダムに雪辱、WBAミドル級王者に Boxing News(ボクシングニュース) 2017年10月22日
  33. ^ CALLUM SMITH MAKES A POINT IN HIS US DEBUT, BLOWS AWAY HASSAN N’DAM IN 3 The Ring 2019年6月1日
  34. ^ Anthony Joshua undercard results: Joshua Buatsi, Callum Smith, Katie Taylor all win The Daily Star 2019年6月2日
  35. ^ スミスがエンダム撃沈 WBA・SM級スーパー王座V1 Boxing News(ボクシングニュース) 2019年6月2日
  36. ^ Hassan N'Dam Transitions Into MMA, Signs With League ARES FC”. Boxing Scene.com (2020年6月8日). 2020年6月22日閲覧。
  37. ^ 【ボクシング】村田と戦ったエンダムがロブ・ブラントにもTKO勝利の無敗の剛腕アリムハヌリと対戦へ(イーファイト) Yahoo!ニュース 2021年10月1日
  38. ^ 【ボクシング】エンダムがTKO負けに「ノー!俺は死ぬ準備ができている」王者アリムハヌリの猛打に被弾多く(イーファイト) Yahoo!ニュース 2021年11月22日
  39. ^ クロフォードがポーターを10回TKO ウェルター級2冠王者スペンスとの頂上対決アピール Boxing News(ボクシングニュース) 2021年11月21日

関連項目

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外部リンク

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暫定王座決定戦 対戦者
アフタンディル・クルツィゼ
WBA世界ミドル級暫定王者
2010年10月30日 - 2012年3月(剥奪)
次暫定王者
剥奪により消滅
暫定王座決定戦 対戦者
マックス・ブーサック
WBO世界ミドル級暫定王者
2012年5月4日 - 2012年8月
次暫定王者
正規認定により消滅
空位
前タイトル保持者
ディミトリー・ピログ
WBO世界ミドル級王者

2012年8月 - 2012年10月20日

次王者
ピーター・クイリン
前暫定王者
アルフォンソ・ブランコ
WBA世界ミドル級暫定王者
2016年12月17日 - 2017年5月20日
次暫定王者
正規王座決定戦により消滅
空位
前タイトル保持者
ダニエル・ジェイコブス
WBA世界ミドル級王者

2017年5月20日 - 2017年10月22日

次王者
村田諒太