ぼてぢゅう
ぼてぢゅう(Botejyu[1])は、お好み焼の飲食店チェーンの名称。店名は、お好み焼きを「ぼて」と返し、「ぢゅう」と焼くリズムに由来する。
沿革・概要
[編集]種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒557-0042 大阪府大阪市西成区岸里東2丁目1番11号 BOTEJYU Groupビル 3F |
本店所在地 |
〒557-0042 大阪府大阪市中央区道頓堀1丁目6番15号 |
設立 | 2017年3月 |
業種 | 小売業 |
事業内容 | お好み焼専門店『ぼてぢゅう』をはじめとする飲食店運営 |
代表者 | 代表取締役 グループCEO 栗田 英人 |
1946年(昭和21年)6月に、西野栄吉夫妻が大阪市西成区玉出に開業したお好み焼き店「ぼてぢゅう」が起源である。店といっても、自宅の軒先に置いたテーブル3台のみであり、屋台に近い規模であった。「とん玉」や「いか玉」をはじめ、焼きそば、鉄板焼、玉子巻などメニューが充実していたことで、玉出近辺では評判の店だった。
1953年(昭和28年)、宮原勝一の出資により宗右衛門町に店舗を構え「玉出ぼてぢゅう」と名乗る。同店は大阪で初めてカウンター方式を採用したほか、宗右衛門町という場所柄、水商売の女性からも支持され、彼女らの口に合うようマヨネーズとからしの味付けを考案し、後に広く受け入れられるようになった。
1957年(昭和32年)、西野は宮原と袂を分かち、同じ宗右衛門町に「ぼてぢゅう総本家」を開業。その後も創業時のメニューを守り、モダン焼きのほか変わり種メニューも加えるなど、「お好み焼きの本家」としての店舗経営を進めたが、2009年(平成21年)5月に破産・廃業した。
西野が去った後、「玉出ぼてぢゅう」は「大阪ぼてぢゅう」と屋号を改め、現在に至る。
ぼてぢゅう グループ
[編集]1962年(昭和37年)7月、西野の玉出時代からの常連客で、薬品会社を経営していた北村貞次が「ぼてぢゅう総本家」の暖簾分けとして創業した。
開業当初から積極的に全国展開を進め、1964年(昭和39年)4月にはぼてぢゅうチェーン統括本部を設置。[2]1965年(昭和40年)に渋谷東急プラザ B2Fに出店したのを皮切りに、東京と関西を中心にチェーン展開を進める。[2]
2001年に栗田英人氏がCEOに就任以降、世界ブランドに向けた総合強化を図ることを目的に、アジアを中心に積極的な海外展開を推し進めている。[3]海外で日本のご当地グルメを提供する店舗の出店数を増やすほか、現地企業と提携し、食材の現地調達に対しても積極的な姿勢を持っている。[4]
2009年にぼてぢゅう総本家が廃業した後は、「ぼてぢゅう」の商標権などすべての権利を引き継いでいる。[5]
2017年にグループ化。現在の正式社名はBOTEJYU Group ホールディングス株式会社で、本社は大阪市西成区岸里。店舗運営会社の大阪フードや東京フードなど関連企業5社を合わせ「ぼてぢゅうグループ」を名乗る。[6]
「ぼてぢゅう」の他に、「BOTEJYU®」「JAPAN TRAVELING RESTAURANT®」「道頓堀 くり田®」「てっぱん屋台®」「全国ご当地グルメ屋台®」「全国ご当地丼ぶり屋台®」「BASTA HiRo®」など多くのブランドを国内外に展開している。大阪道頓堀に総本店を置き、2024年9月時点で国内50店舗、海外(フィリピン・ベトナム)124店舗の合計174店舗を構える[7]。「ぼてぢゅう」「BOTEJYU」商標権ホルダーとして、異業種とのコラボレーションも積極的に行い、ブランド力を活かした様々な商品を開発・販売している[8][9]。
またご当地グルメを通じた地域活性化にも注力し、「日本が恋しくなる料理」をテーマにしたJapan Traveling Restaurant®を通じて、全国各地のB級グルメ、ご当地グルメの発信を強化している[10]。
2022年12月にはヴィック・デル・ロザリオ氏が率いるエンターテイメントメディア複合企業「VIVA Communications Inc」と基本合意書を締結し、グローバル展開を加速している。[11]
経営理念
[編集]社是に「桃李成蹊」を挙げており 、日本の食文化を守って牽引することをビジョンとして掲げている。[12]ご当地グルメによる地域活性化だけでなく、世界に日本食文化を広げることを使命のひとつに挙げている 。[13]
ぼてぢゅう
[編集]ぼてぢゅうは、お好み焼きをメインとしたブランドである。お好み焼きをメインとしながら、焼きそばやたこ焼き、ラーメンなども提供しており、メニューは多岐にわたる[14]。
本店である道頓堀店は、大規模なリニューアルが行われ、2023年12月18日にリニューアルオープン。カウンター席がフルフラットになり、鉄板が設置されたことで、調理者の距離が縮まり、ライブ感あふれる食事体験が可能となった。[15]
メニュー
[編集]お好み焼き
[編集]小麦粉、山芋、出汁が加えられた生地に、キャベツや肉、魚介を合わせて焼き上げた品。酸味が少ないマヨネーズがかけられているのが特長。元祖 とん玉のほか、シーフードミックス玉、2色とん玉®など、さまざまなお好み焼を提供している。道頓堀にあるぼてぢゅう本店では道頓堀ミックス玉を提供するなど、店舗によってメニューが異なる。[16]
モダン焼き
[編集]約15種類の食材を使用して提供されている品。ぼてぢゅうは、モダン焼発祥としても知られる。メニュー名の由来は、本来「もりだくさん焼き®」であった。やがて「もだん焼き」へと変化し、「モダン」が「近代的な」という意味を持つようになったため「モダン焼き」と呼ばれるようになった。この件は同店のメニューから確認できる。「もりだくさん焼き®」は、2021年5月18日に商標登録(第6385943号)。[17]
店舗
[編集]ぼてぢゅう グループの店舗は、「ぼてぢゅう®」のほか、さまざまなブランド名で出店している。
ブランド
[編集]2024年(令和6年)現在のブランドは以下。
- ぼてぢゅう®
- ぼてぢゅう本店®
- BOTEJYU®
- BOTEJYU RAMEN HOUSE®
- BOTEJYU SAN®
- ぼてぢゅう食堂®
- ぼてぢゅう酒場®
- ぼてぢゅう屋台®
- Japan Traveling Restaurant®
- 道頓堀 くり田®
- ぼてや®
- てっぱん屋台®
- 全国ご当地グルメ屋台®
- 全国ご当地丼ぶり屋台®
- ゆうたく®
- Yogorino
- BASTA HiRo®
出店地域
[編集]ぼてぢゅうの店舗は、2024年(令和6年)現在、日本、ベトナム、フィリピンの3カ国に展開している。[18]
日本では、ぼてぢゅう本店® 道頓堀に本店を構え、大阪府、兵庫県、東京都を中心に展開。ビルイン型店舗のほか、フードコートを中心に展開している「ぼてぢゅう屋台®」「ぼてや®」も展開。
中部国際空港第1ターミナル 4階 スカイタウンには「ぼてぢゅう® 中部国際空港店」がある。
関西国際空港のターミナル1、2Fセキュリティチェック後(国内線出発・到着エリア)には「ぼてぢゅう® 1946 関西国際空港店」が存在している。「ぼてぢゅう® 1946 関西国際空港店」では、プライオリティ・パスが利用でき、「プライオリティ・パス会員カード」、「ラウンジキー機能付クレジットカード」、「当サービスのデジタル会員カード」もしくは「ダイナースクラブ会員カード」の提示、搭乗券の確認およびカウントで値引きが受けられる。[19]
2023年9月1日に、成田国際空港に「鉄板焼 道頓堀 くり田®」がオープン。[20]2023年12月18日には、ぼてぢゅう本店® 道頓堀がリニューアルオープンした。[21]
現行店舗と最新の出店地域については「ぼてぢゅう公式サイトの店舗情報」を参照。
ぼてぢゅうの商標を巡る過去の問題
[編集]「ぼてぢゅう」の商標をめぐって、ぼてぢゅうグループは北山食品工業株式会社の「ぼてぢゅう総本家」商標使用の差し止めをおこない勝訴している[22]。
「ぼてぢゅう」の商標に関しては、昭和55年10月2日に大阪ぼてぢゅうとの和解が成立しており、関西以西の地域において「ぼてぢゅう」 の標章を使用することを認められている。
この件は暖簾(屋号)を用いた独立を認める「のれん分け」という商習慣に端を発した問題といえる。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ Botejuは誤表記。
- ^ a b https://botejyu.co.jp/?view=group_profile#link_group_history
- ^ https://botejyu.co.jp/?view=global
- ^ https://botejyu.co.jp/?view=global#link_global_map
- ^ https://botejyu.co.jp/?view=trademark
- ^ “店舗|グループ概要|大阪のお好み焼 ぼてぢゅうグループ”. 2023年12月11日閲覧。
- ^ “店舗|大阪のお好み焼 ぼてぢゅうグループ”. 2023年12月1日閲覧。
- ^ “「ぼてぢゅうソース焼そば 大盛り」発売(エースコック)”. 日本食糧新聞. (2008年5月14日) 2021年5月22日閲覧。
- ^ “昭和冷凍食品が市販用の品ぞろえ充実、「ぼてぢゅうたこ焼」やプチケーキ・冷凍パン生地、販路確立を目指す/2021年春の新商品”. 冷食日報. (2021年3月11日) 2021年5月22日閲覧。
- ^ “提携ご当地グルメ”. 2023年12月1日閲覧。
- ^ “BOTEJYU Group × VIVA Communications Inc.は、グローバル展開に向けた基本合意書を締結”. 2024年8月16日閲覧。
- ^ “グループ概要|大阪のお好み焼 ぼてぢゅうグループ”. 2024年5月22日閲覧。
- ^ “地域活性化支援|大阪のお好み焼 ぼてぢゅうグループ”. 2024年6月1日閲覧。
- ^ “ぼてぢゅう本店®︎ GRAND MENU”. botejyu.meclib.jp. 2024年8月22日閲覧。
- ^ “1946年創業の大阪お好み焼の元祖「ぼてぢゅう®」の道頓堀にある本店が 12/18(月)リニューアルオープン!”. 共同通信PRワイヤー (2023年12月18日). 2024年8月22日閲覧。
- ^ “ぼてぢゅう本店 道頓堀のメニュー | 食べログ”. www.tabelog.com. 2024年8月22日閲覧。
- ^ “j-platpat”. www.j-platpat.inpit.go.jp. 2024年8月22日閲覧。
- ^ “大阪のお好み焼 ぼてぢゅうグループ | BOTEJYU Group【公式】”. 大阪のお好み焼 ぼてぢゅうグループ | BOTEJYU Group【公式】. 2024年6月19日閲覧。
- ^ “ぼてぢゅう®1946 | 関西国際空港”. 2024年8月16日閲覧。
- ^ “お好み焼のぼてぢゅう® グループの新業態「鉄板焼 道頓堀 くり田」が、9/1(金)成田国際空港にオープン”. 共同通信PRワイヤー (2023年8月17日). 2024年6月19日閲覧。
- ^ “1946年創業の大阪お好み焼の元祖「ぼてぢゅう®」の道頓堀にある本店が 12/18(月)リニューアルオープン!”. 共同通信PRワイヤー (2023年12月18日). 2024年6月19日閲覧。
- ^ “令和元年(ワ)第34096号 商標権侵害行為差止等請求事件”. (2022年3月18日) 2023年11月25日閲覧。
関連項目
[編集]- BOTEJYU Group ホールディングス
- 大阪のお好み焼 ぼてぢゅうグループ | BOTEJYU Group【公式】
- お好み焼き
- Viva Communications
- Vic del Rosario