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コハク酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
こはく酸から転送)
コハク酸
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識別情報
CAS登録番号 110-15-6
E番号 E363 (酸化防止剤およびpH調整剤)
特性
化学式 C4H6O4
モル質量 118.09 g/mol
密度 1.56 g/cm3
融点

185–187℃[1]

沸点

235℃[1]

への溶解度 58g/L(20℃)[1]
酸解離定数 pKa pKa1 = 4.2
pKa2 = 5.6
危険性
引火点 206℃[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

コハク酸琥珀酸、コハクさん、succinic acid)は、構造式 HOOC-(CH2)2-COOH で表されるカルボン酸の一種。はじめコハク乾留により見つかったためにこの名がついた。英名のsuccinic acidはラテン語のsuccinum(コハク)に由来する。

沿革

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琥珀を破砕し、砂浴で蒸留することで得られた。外用薬としてリウマチに、内服薬として淋病に用いられていた。

現在は食品産業で用いられる。全生産量は16,000-30,000tと推定されており、年10%ずつ増加している[2]

生化学・化学

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クエン酸回路を構成する化合物のひとつで、コハク酸デヒドロゲナーゼによって酸化されフマル酸となる。このときに使われる補酵素FAD

コハク酸 + FAD → フマル酸 + FADH2

コハク酸のジエチルエステルはシュトッベ縮合の基質となる。

用途

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類に含まれるうま味物質である。うま味を感じさせる作用は、コハク酸ナトリウムの方が高い。医薬品の賦形剤としてpH調整に[3]調味料として食品に用いられる他、メッキなどの工業用にも用いられる。また炭酸ガスを発泡する入浴剤の成分でもある[4]

アルコール発酵の副産物でもあり、ワインやビールに塩味・苦味・酸味を与える[5]

製造法

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一般的に石油から作られるが、2022年現在は生物由来のバイオコハク酸の研究開発が進んでいる[6]

水素添加法

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無水マレイン酸に水素添加して製造する。最も一般的なやり方[7]

接触付加法

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アセチレン一酸化炭素、水を高温(80〜250℃)、高圧(30〜500atm)で反応させる。対アセチレン収率は80%程度[7]

(Co(CO)4)2を触媒とした均一液相反応である。

安全性

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高濃度では可燃性で、腐食性があり薬傷を引き起こす。

食品添加物サプリメントとしてFDAに認可されている[8]

出典

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  1. ^ a b c d Record 労働安全衛生研究所(IFA)英語版発行のGESTIS物質データベース
  2. ^ NNFCC Renewable Chemicals Factsheet: Succinic Acid
  3. ^ http://drugtopics.modernmedicine.com/drugtopics/Drugtopics.com+Exclusives/Overview-of-pharmaceutical-excipients-used-in-tabl/ArticleStandard/Article/detail/561047[リンク切れ]
  4. ^ Lachman, Leon; Joseph B. Schwartz (1990). Pharmaceutical Dosage Forms--tablets. p. 288. ISBN 0824780442, 9780824780449 
  5. ^ Peynaud, Emile (1984) Knowing and Making Wine.
  6. ^ Green Earth Instituteと「バイオコハク酸」の商用生産に向けた研究開発を開始~ 脱炭素・資源循環型社会の実現に向けて、環境に配慮した生産・プロセス技術を構築 ~ | 事業製品ニュース | 事業紹介 | エア・ウォーター株式会社”. www.awi.co.jp. 2022年12月23日閲覧。
  7. ^ a b 蔭山陽一「コハク酸」『日本釀造協會雜誌』第66巻第9号、1971年、880–882頁、doi:10.6013/jbrewsocjapan1915.66.880 
  8. ^ http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/iig/index.cfm

関連項目

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外部リンク

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