玦状耳飾り
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玦状耳飾り(けつじょうみみかざり)は、日本の縄文時代前期を中心にみられる耳飾りの一種である。円形、楕円形や三角形に近い形状をしており、中央に穴が開けられ、滑石、蛇紋岩などを用いて作られている[1]。
概要
[編集]古代中国で祭祀に用いられた玉器である『玦』[2]に形が似ることから、その名がつけられた。耳飾りの一種であるが、日本においてイヤリングと呼称される、耳たぶを挟んで装着するもの(詳しくはイヤリングを参照)ではなく、耳たぶに孔をあけて装着するピアスである。
出土量の少なさや、材料である石材の希少性から、特別な人物のみが装着を許されたのではないかと考えられており、その人物の権威を示すための装身具であった可能性がある。[3][4]
分布とルーツ
[編集]大阪府藤井寺市の国府遺跡から出土したことが有名であるが、全国各地の遺跡から多数発見されている。国外では、遼河文明 (興隆窪文化)の遺跡からも見つかっており、三内丸山遺跡との類似性が指摘される[6]。群馬県下仁田町や福井県あわら市で発見されたものは、当時の日本では確認されない鉱物を用いており、中国や朝鮮半島からの渡来の可能性がある[7]。
脚注
[編集]- ^ コトバンク 玦状耳飾り
- ^ コトバンク玦
- ^ 「北海道の縄文文化-こころと暮らし」刊行会 2021.
- ^ 小林圭一 2015.
- ^ “市章”. 藤井寺市. 2020年10月25日閲覧。
- ^ 中国北方新石器文化研究の新展開【詳細報告】「東北アジアにおける先史文化の交流」 王 巍(中国社会科学院考古研究所・副所長)
- ^ 秋田魁新報社 2020年6月9日 「縄文の耳飾りは渡来品か 群馬・下鎌田遺跡(アーカイブ)」
参考文献
[編集]- 「北海道の縄文文化-こころと暮らし」刊行会編著; 三浦正人監修『北海道の縄文文化-こころと暮らし』亜璃西社、2021年2月25日。
- 小林圭一 (2015), 山形県内出土の玦状耳飾について, 公益財団法人山形県埋蔵文化財センター