チャイナタウン (シンガポール)
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チャイナタウン(英文表記: Chinatown、中文表記: 牛车水)はシンガポールのオートラム(Outram)にある中華街。シンガポールの歴史上、重要な華人集住地であり、観光スポットになっている。
名称について
シンガポールのチャイナタウンは、中国語では牛車水(簡体字中国語: 牛车水、拼音: 、閩南語発音: Gû-chia-chúi)と表記される。これは、華人が多く当地に居住し始めた当時、シンガポール全島でまだ給水設備がなかったので、安祥山(Ann Siang Hill)と史必霊街(Spring Street)の井戸水を牛車で当地まで運んでいた。つまり、牛車で水を運んでいた地区ということで、「牛車水」と名付けられた[1][2]。
沿革
- 1330年:中国元代の商人で航海家である汪大淵が単馬錫[3]を訪問し、牛車水に華人の集落があったと記録している。
- 1819年:イギリス人トーマス・ラッフルズがシンガポールに上陸する前、中国から南下してきた労働者は、当地でビンロウやコショウの栽培に従事していた。以後も南下してくる華人はますます多くなり、ラッフルズはシンガポール川南西部の船碼頭(Boat Quay)に沿った一帯の地区を華人居住区とした。
- 1822年:トーマス・ラッフルズは、シンガポールの都市計画を推し進め、牛車水は、華人移民の居住区と定めた。以後、シンガポールの発展と人口増加により、牛車水は過密となり、華人移民はシンガポールの他の地区に住むようになった。
- 1960年代:公営住宅の供給により、牛車水の過密な状態は緩和された。
近隣
- 芳林公園(Hong Lim Park)
- タンジョン・パガー(Tanjong Pagar)
- クラーク・キー(Clarke Quay) - 不夜区として有名。バー、レストラン、ナイトクラブなどが多い地区
- ラッフルズ・プレイス(Raffles Place) - 商業地区
主要街道
- Amoy Street(厦門街)‐ 中国福建省のアモイ市から命名。
- Ann Siang Road(安祥路) - マラッカ州の商人謝安祥(Chia Ann Siang)から命名。
- Boon Tat Street(文達街)‐ シンガポールの商人黄文達(Ong Boon Tat)から命名。
- Club Street(客納街)‐ 19世紀末から20世紀初め頃までの中国式会館から命名。
- Dickenson Hill Road(狄更生山路) ‐ 植民時期の宣教師J. T. Dickensonから命名。
- Erskine Road(厄士金路) ‐ 19世紀のイギリス植民地商人Samuel Erskinから命名。
- Eu Tong Sen Street(余東旋街) ‐ マレーシア商人余東旋から命名。
- Hokien Street(福建街) ‐ シンガポールの華人のルーツである中国福建省から命名。
- Jiak Chuan Road(若泉路) ‐ シンガポール商人陳金声(Tan Kim Seng)の孫である陳若泉から命名。
- Keong Saik Road(恭錫路) ‐ マレーシア商人陳恭錫(Tan Keong Saik)から命名。
- McCallum Street(麦卡南街)- 植民地時代のHenry Edward McCallum少佐から命名。
- Mosque Street(摩士街) - 同区にある詹美回教堂(Masjid Jamae)から命名。
- Pagoda Street(宝塔街) - 詹美回教堂(Masjid Jamae)から命名。
- Sago Street(碩莪街) - 当時の西米(Sago)粉廠から命名。
- Smith Street(史密斯街) - 海峡植民地総督セシル・クレメンティ・スミス卿(Sir Cecil Clementi Smith)より命名。
- Teck Lim Road(徳霖路) - 華商黄徳霖(Ong Teck Lim)より命名。
- Telok Ayer Street(直落亜逸街) - 既に消失した直落亜逸湾より命名。
- Temple Street(登婆街) - 同区にあるヒンドゥー教のスリ・マリアマン寺院(Sri Mariamman Temple)より命名。
- 牛車水以外は、政府公式の街道名はないため、現地の約束事、通称による翻訳名や歴史的資料を参考とした。
交通
脚注
- ^ “Chinatown”. Singapore Infopedia. National Library Board. 5 April 2016閲覧。
- ^ シンガポールの「牛車水」の歴史的発展からみた華人社会と文化の変容合田美穂 P117
- ^ Temasek。テマセック、トマセク、トゥマシク、淡馬錫とも。「海の町」を意味する。