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ジェイアールバス関東伊那支店

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ジェイアールバス関東中央道支店(ジェイアールバスかんとうちゅうおうどうしてん)は、長野県伊那市にあるJRバス関東の営業所。

中央道支店(旧伊那支店)
諏訪営業所(旧下諏訪支店)

所在地

中央道支店(旧:伊那支店 → 中央道統括支店)

諏訪営業所(旧:下諏訪支店)

概要

1933年、鉄道線の短絡という目的で開設された上諏訪・下諏訪と丸子町を結ぶ路線の運行開始とともに、本支店の前身となる下諏訪営業所が開設されたのが始まりである。

旧下諏訪支店エリアには、白樺湖などの観光地があり、国鉄時代から下諏訪駅からの和田峠南線や上諏訪駅からの霧ヶ峰線が運行されていた。1989年までは途中で和田峠北線に乗り継いで上田駅まで出ることが出来た。しかし、利用者の減少により季節運行となった。ビーナスラインが無料開放された時期には増発なども試みたが、目立った効果が見られなかったために2004年には運行取り止めとなってしまった。鉄道線のフィーダーの役目を果たす諏訪線も2005年に廃止された。

一方、旧伊那支店エリアは、もともと建設計画が頓挫してしまった高遠電気軌道の代替として高遠線の運行を開始したのが始まりである。地域利用主体ながら、同時に長谷村(現在は伊那市に合併)などへの路線も開設され、支線区の廃止などはあるものの、伊那市 - 高遠町(現在は伊那市に合併)を結ぶ路線として利用されていた。特に春先の桜シーズン(「高遠さくら祭り」開催期間中)は臨時便の運行に必要な車両が他支店から一時的に充当されることなどから営業成績も悪くない状態になってきている。

旧下諏訪支店は中央高速バス諏訪岡谷線や「ニュードリーム名古屋」などの夜行高速バスも担当していたが、一方の旧伊那支店も「南アルプス号」以外にも中央道経由の高速バス運行に関わるようになり、乗務員基地としての役目を果たすようになっていた。近接した2つの支店で高速バスに関して同様の役目を果たしていること、また旧下諏訪支店の一般路線も少なくなっていたことから、この2支店が統合されることになり、2004年7月に中央道統括支店として再出発することになった(2010年、中央道支店に改名)。旧下諏訪支店エリアの路線が持っていた「鉄道線の培養」という使命は半ば失われてしまったものの、旧伊那支店の路線の「鉄道線の代行」という使命は失われていない。

支店内にある車両整備工場では、自社内で唯一の車両塗装設備も備え、各支店の車両のリニューアルやエンジン等重要部品のオーバーホールなどを施工している。

沿革

現在の所管路線

高速バス

路線バス

高遠線 L538-99206
(高遠駅にて)
  • 高遠線
    • 高遠高校前 / さくらの湯 - 高遠駅 - (笠原経由の便あり) - 美篶(みすず) - 新子(によし) - 伊那市 - 伊那北 - JRバス車庫前/伊那中央病院 - 上伊那農業高校
      • この路線は、長野県伊那市から同市高遠町を結ぶ高遠電気軌道による鉄道計画の頓挫を受け、国鉄バスにより運行が開始されたものである。主に伊那と高遠とを結ぶ生活路線で、朝夕は一部の便が高遠高校前まで、日中はさくらの湯まで乗り入れる。2001年には伊那市街地循環バス路線への乗り入れを果たしている。
      • 以前は伊那中央病院がJRバスの伊那支店(当時)前にあったが、病院の移転に伴い、路線の延長を行っている(従来の「伊那中央病院」バス停は「JRバス車庫前」に改称)。また、朝夕の一部便はさらに伊那中央病院を経由して上伊那農業高校まで乗り入れている。
      • 2017年3月3日をもって高遠~伊那市街地循環の運行は終了した。3月4日ダイヤ改正にて伊那市~高遠間の運行本数は平日13往復、土曜・日曜・祝日8往復となった。
    • 高遠駅 - 伊那藤沢 - (松倉経由の便あり) - 古屋敷 - 茅野駅
      • 古屋敷 - 茅野駅間は季節運行。
  • 南アルプスジオライナー号
    • 中央本線茅野駅から南アルプス北沢峠の玄関口になっている、林道バス営業所(仙流荘)を直行で結ぶ、期間限定運行の路線バス。
  • パノラマライナー号(木曽福島駅 - 伊那市駅 - 仙流荘)※期間限定運行

その他

  • 諏訪湖周(諏訪市・岡谷市・下諏訪町)循環バス「スワンバス」内回り(諏訪営業所)
  • 下諏訪町循環バス「あざみ号」全系統(諏訪営業所)
  • 岡谷市民バス「シルキーバス」「1今井・長地線」(諏訪営業所)
  • 伊那市長谷循環バス(高遠駅 - 旧長谷村域)
  • 伊那市三義・長谷循環バス
  • 伊那市、箕輪町、南箕輪村「伊那本線」(赤木駅前 - 伊那営業所 - 箕輪営業所 - ベルシャイン伊北店前) ※2017年4月1日より運行
  • 「高遠さくら祭り」臨時バス(臨時駐車場 - 城址公園北・白山橋、高遠駅 - 高遠城址公園 - 高遠駅)

過去の路線

  • 和田峠南線(下諏訪駅 - 斧立・樋橋 - 東餅屋 - 八島 - 霧ヶ峰 - 車山高原 - 東白樺湖)
  • 霧ヶ峰線(上諏訪駅 - 霧ヶ峰)
  • 諏訪線(上諏訪清水町 - 上諏訪駅 - 下諏訪 - 岡谷駅
  • 塩尻線(諏訪今井 - 塩尻峠 - 塩尻駅
  • 伊那里線(高遠駅 - 高遠本町 - 高砂橋 - 伊那小原 - 高遠高校前 - 西勝間 - <バイパス経由>大明神 - 非持 - 伊那美和 - 黒河内 - 戸台口 - 伊那里、高砂橋 - <旧道経由>大明神、伊那美和 - 戸台、伊那里 - 杉島)
  • 高遠線(非持 - 荊口、関屋橋 - 伊那宮原)
  • ニュードリーム京都号(後の中央ドリーム京都号。現在廃止)
    • 車両は東京支店管理。2004年 - 2005年の間、1往復の八ヶ岳 - 京都駅間を担当(定期便で唯一全区間がJRバス関東の乗務員による運行便のみ担当
      • また当時は現在とは異なり、乗務員交代は小黒川PAではなく八ヶ岳PAであった)。
  • 伊那・木曽連絡バス「ごんべえ号」(伊那 - 木曽)
  • 南アルプス号
  • 伊那市街地循環バス(高遠 - 伊那市街地 - 高遠)

車両

サクラの模様が描かれた当支店所属の高速バス「南アルプス号」

以前は国鉄中部自動車局の管轄であったため、UDトラックス(旧:日産ディーゼル)の車両が主だったが、民営化以降は支店が車両導入を決められることもあり、引き続いて日産ディーゼル製が新車に採用されている。支店間転属の場合は、固定されることなく他メーカーの車両も移籍されている。

旧下諏訪支店では、観光路線を多く抱えていたこともあり、観光仕様の車両が多かった。しかし、相次ぐ観光路線からの撤退により、現在は中型車のみでの運用となっている。なお、1989年には西工車体日産ディーゼル・スペースランナー(RB80G)が導入されていたが、これはJRバス関東初のワンステップ車でもあった(現在は廃車)。旧伊那支店の車両は中型車が多いものの、利用者が多いことから大型車も導入されている。

高遠の桜シーズンには他支店からの応援もあり、その際には松本ナンバーへ登録変更されることもある。特に新車が応援に回ってくるとは限らないものの、普段は当支店では見られない仕様の車両が配置・運用される光景は、国鉄バス時代の十和田方式を髣髴とさせる。

高速車は、中央高速諏訪・岡谷線用の4列シート40人乗りのハイデッカーが配置されている。一時期はスーパーハイデッカーが配置されていた時期があるが、中央高速バスと南アルプス号では時期も経緯も異なるので、当該記事を参照のこと。

長野原支店のイエローバス、西那須野支店のもみじバスに対して、中央道支店の高速バスは高遠城址公園タカトオコヒガンザクラに因んで、サクラの模様が描かれていた。(現在は標準色)

過去の車両

関連事業

  • 旧伊那支店内の敷地の一部を活用し、ファミリーレストラン「ガスト」の店舗オーナー(店舗建設を支店側で行ない、すかいらーくに長期リースする形態)となっている。

特記事項

  • 高遠線の伊那藤沢 - 茅野駅間は、一時期廃止対象となったことがある。仮に廃止されていた場合、伊那支店は「親会社(JR東日本)との接点がない営業所」となるところだった。その後、季節運行ながらも路線は存続されており、一時期は「南アルプス号」が免許を利用して経由していた。

脚注

  1. ^ “伊那と木曽つなぐバス「ごんべえ号」”. 行政・政治 (長野日報). (2008年2月9日). http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=9768 2014年1月22日閲覧。 
  2. ^ 伊那 - 木曽連絡バス「ごんべえ号」運行開始”. 伊那谷ねっと. 伊那ケーブルテレビジョン (2008年4月2日). 2014年1月22日閲覧。
  3. ^ ごんべえ号運行終了”. 伊那谷ねっと. 伊那ケーブルテレビジョン (2009年4月1日). 2014年1月22日閲覧。

参考文献

  • バスラマ・インターナショナル48号「ユーザー訪問:ジェイアールバス関東」
  • バスジャパン・ハンドブック「18 ジェイアールバス関東」
  • バスジャパン・ニューハンドブック「37 ジェイアールバス関東」

外部リンク

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